稼働中のローテーション左腕をDFA
現地2024年7月22日、かなり驚きのニュースが入ってきました。怪我人で溢れかえっているドジャースがベテラン・ローテーション左腕のジェームス・パクストン(James Paxton)をDFAにしました。こちらはもうオフィシャルで、パクストンの40manロスターのスポットには、リバー・ライアン(River Ryan)が入ることになりました。
ドジャースの投手のIL
ドジャースPBO(President of Baseball Operations)のアンドリュー・フリードマンは大ナタを振るったなというのが今回のロスター・ムーブの第一印象。
ご承知の通り、ドジャースのローテーションは怪我人だらけ。
- RHP:ウォーカー・ビューラー:15 Days IL (右股関節炎)
- RHP: タイラー・グラスノー:15 Days IL (腰の張り/まもなく復帰)
- RHP:マイケル・グローブ:15 Days IL (右肋間筋損傷/まもなく復帰見込み)
- LHP:クレイトン・カーショウ:60 Days IL (左肩手術リハビリ中/まもなく復帰)
- RHP:ダスティン・メイ:60 Days IL (右屈筋腱手術/ 2025復帰)
- RHP:山本由伸:60 Days IL (右肩・ローテーターカフ/8月復帰見込み)
- RHP:ライアン・ブレイジャー:60 Days IL (ふくらはぎの捻挫/8月復帰見込み)
- RHP:コナー・ブログドン:60 Days IL (右足底筋膜炎)
- RHP:エメット・シーハン:60 Days IL (右前腕部捻挫/2025復帰)
- RHP:トニー・ゴンソリン:60 Days IL (TJ手術リハビリ中/ 2024中に復帰)
- RHP:ブラスダー・グラテロル:60 Days IL (右肩炎症/ 8月復帰見込み)
そんな中にあってジェームス・パクストンはタイラー・グラスノーとギャビン・ストーンと並んでドジャース・トップの18試合に先発。IP 89.1 は彼らに次いでNO.3。この状況にあって、ローテーションを守り、しかもイニング・イーターでもあったパクストンをロスターから外すという決断は驚きでしかありませんでした。
DFAの理由:2人の復帰及び投球内容の悪さ
ドジャースがパクストンをDFAにした理由を色々探ってみると、2つの理由が見えてきました。
(1)グラスノー&カーショウの復帰
これが大きい理由ですが、タイラー・グラスノーとクレイトン・カーショウの復帰が決まりました。タイラー・グラスノーは現地24日のジャイアンツとのGm3での先発、クレイトン・カーショウはGm4での先発が決まりました。
グラスノーは腰の張りで7月9日から離脱し、最短の15Days IL一度だけのIL入りで済んだ模様。一方、カーショウは2023年11月に左肩の手術を実施。この大投手でさえ、今季の契約はどうなるかわからない状況でしたが、ドジャースは復帰を見込んで2月上旬に再契約。
肩の手術からリハビリ中で、クラスAとトリプルAで併せて3試合、10.0イニングを投げ、ERA 3.60。あまり準備期間はありませんでしたが、ここに来てようやくシーズン・デビューの運びとなりました。
現行のローテーションのギャビン・ストーン、ランドン・ナック、ジャスティン・ウォブルスキーにグラスノー、カーショウが加われば、かなり有効ですね。また楽観的に見た場合、8月のある時点では山本投手、ウォーカー・ビューラーの復帰もあり得ます。
(2)パクストンの投球内容
よくローテーションを守っていたパクストンですが、ERAはあまり芳しくなくなく、4.43でした。SO%は16.4%で、リーグ平均の22.3%に6ポイント近く及ばず、BB%は12.3でこちらもリーグ平均の8.2%を大きく上回りました。マリナーズ時代の2018年には160.1 IPで32.3%のSO%を誇り、もう無双状態でしたね。
気になるのは直近のERAで、4月、5月は3.51、3.08と好調だったものの、6月は6.46、7月は5.27と跳ね上がっていました。
打撃陣もムーキーが不在、ミゲル・ロハスも怪我で離脱した今、登板すれば5イニングで3点以上を覚悟しなければいけない状況がつづくとやはりローテーションに置いておくのは厳しいという判断になったのかと思います。
リバー・ライアンが昇格後すぐに登板(MLBデビュー)
ドジャースは現地2024年7月22日のジャイアンツとのGm1でパクストンの代わりにロスター・スポットに入れたリバー・ライアンを先発させ、これが見事にハマりました。
リバー・アイアンは5.1イニングを投げ、被安打4、失点1、自責点0、BB 3、SO 2 で見事にゲームメイクし、ブレイク・スネルとの投げ合いを制しました。降板後に同点に追いつかれたため、勝利投手にはなれませんでしたが、勝利に大きく貢献しました。
リバー・ライアンとは?
リバー・ライアンは1998年8月17日生まれの25才。まもなく26才になります。2021年のパドレスの11巡目指名でプロ入り。2022年3月28日にパドレスが1Bのマット・ビーティーを獲得したトレードでドジャースに移籍。今季はAAAで5試合に先発し、16.1 IPでERA 2.76をマーク。SO9は10.5、BB9は3.3でした。
パクストンの今後
35歳のパクストンは、今季は以下の契約でドジャースとサイン。
- 1 年/$7M (2024)
- 2024年1月23日にLADとサイン
- サイニング・ボーナス:$3M
- 2024 $4M サラリー
- ロスター・ボーナス:
- $2M (2024/3/20 または 2024/3/28のどちらかに開幕のアクティブ・ロスターに入っていれば)
- $1M 2024/4/15までにアクティブ・ロスターに入れば
- パフォーマンス・ボーナス:
- $0.6M / 6, 8, 10, 12, 16 試合先発で
- $1M /18 試合先発で
パクストンは、7日以内にリリースかトレードのどちらかになりそうです。
パクストンの最近の苦戦、残りサラリーを考えると内容を引き継ぐトレードではちょっと手が上がらないと思われ、であればリリースならFAとなり獲得クラブはリーグミニマムの日割りでサインが可能。おそらくそちらになるのではと思います。トレードでなければドジャースは残額を払い、次のクラブに決まれば、リーグ・ミニマムの日割りがその残額から差し引かれます。
まもなくトレード・デッドラインです。
カーショウの調子の見定めもあると思いますが、ドジャースが先発ローテーションをどうするのか、見ものですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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