注目OFもドジャースへ
現地2024年1月7日、シアトル・マリナーズからFAとなりその動向が注目されていたOFのテオスカー・ヘルナンデス(Teoscar Hernández)のディールが決まりました。
なんとこのディールもドジャースが抑えました!ドジャースはまさに今オフのFA市場を席巻!大谷選手から始まり、山本由伸投手、タイラー・グラスノー(彼はトレード)、そしてテオスカー・ヘルナンデスと抑えたい選手をすべて獲得していると言っても過言ではない状況です。
契約内容
両者の契約は現時点ではフィジカルチェックの結果待ち。すぐにオフィシャルとなる見込みです。
大筋で合意しているのは以下の内容。
- 1年/$23.5 M (2024)
テオスカー・ヘルナンデスのMLSは現時点で6.097。今オフは初FAだったのです。ゆえに市場での高騰を予想し、QOの拒否を見込んだマリナーズはドラフト補償もあることから、テオスカー・ヘルナンデスにQOを提示。目論見通りQOは退けられてFAに。
マリナーズの補償ピック
今回のドジャースとのディールは1年契約には驚きましたが、QOの設定額の$20.325Mを上回る額での合意となりました。
契約総額は$50Mに満たなかったころから、レベニュー・シェアリングを受領するマリナーズはRound2に続くCBラウンドB の後でのピック権が発生することに。これが$50M以上の契約なら、MLBドラフト1巡目、コンペティティブ・バランス(以下CB)ラウンドAという順序でのピックでしたから、マリナーズとしてはちょっと目論見は外れたかもわかりません。
テオスカー・ヘルナンデスも繰り延べ払い
大谷選手が、ドジャースの贅沢税上のサラリーのインパクトを薄めるために、$70M/年のうち$68Mを繰り延べ払いにしたことはご存じの通りです。
今回のテオスカー・ヘルナンデスもそれに協力。$23.5Mのうち$8.5Mを繰り延べ払いにし、2030-39の10年間で受け取ることとしました。よって今季の贅沢税上のインパクトは$15M+$8.5Mの現在価値ということになり、トータルのAAVは$20.5Mほどになった模様です。
それでもドジャースは現時点で2024年の基準額の$237Mを大きく上回る$308M強。これから調停資格の選手との交渉やまだまだ不安のあるローテーションの補強にも乗り出すでしょうから、あとプラス$20Mは行くかもしれません。
ムーキーは2B
ドジャースはすでにムーキー・ベッツを2024年はOFではなく、2Bで起用することを明言。となると、OFは下記のような布陣になりそうです。
- CF:テオスカー・ヘルナンデス / ジェームス・アウトマン
- RF:ジェイソン・ヘイワード / マニュエル・マーゴット
- LF:クリス・テイラー
RFは左投手に弱いジェイソン・ヘイワードとマニュエル・マーゴットとの併用、クリス・テイラーを柔軟に置いてくると思われます。またSSにはギャビン・ラックスがACL断裂から復帰してくるでしょうから、クリス・テイラーもOF専任になるかもしれません。
まあ、豪華ですね。DHは大谷選手でフィックスです。
テオスカー・ヘルナンデスとは
テオスカー・ヘルナンデスは、1992年10月15日生まれの31才で右投げ右打ちのOF。ドミニカ共和国出身で2011年2月にアマチュアFAとしてアストロズとサイン。
デビューは2016年で41試合でAVG .230、HR 4をマーク。
青木選手とともにTORへ
2017年のトレード・デッドラインでアストロズがフランコ・リリアーノを獲得したトレードで青木選手とともにブルージェイズに移籍。2017年はアストロズでは1試合のみの出場でしたが、ブルージェイズへの移籍後は9月に26試合に出場し、AVG.261、HR 8、RBI 20をマーク。ここでまずは最初の輝きを見せました。1ヶ月で8HRですからね。
2018年からはエブリデーOFという勢いでほとんどのゲームに出場。
2019年には26HRをマーク。短縮シーズンの2020年は.289/.340/.579、HR 16、RBI34をマーク。シルバー・スラッガー賞にも輝き、MVP投票では11位。
さらに2021年には550打数163安打で.296/.346/.534をマーク。HR32、RBI 116と際立った成績を上げ、2年連続でシルバー・スラッガー賞を受賞。この年はオールスターにも出場しました。
2022年はやや落ちて、AVG.267、HR 25、RBI 77。
マリナーズへ
2022年11月、テオスカー・ヘルナンデスはマリナーズへ移籍。ブルージェイズはエリック・スワンソンとマイナー選手を獲得。これはちょっと変なトレードでしたね。どう考えてもバランスが悪い。なんでテオスカー・ヘルナンデスを出したのかよくわからないトレードでした。
2023年は160試合に出場。625打数161安打で、.258/.305/.435をマーク。HR 26、RBI 93。
三振多し!
打撃はシングル、ロングの双方ともOK。守備も良しとかなりバランスの取れたテオスカー・ヘルナンデスですが、ウィークポイントを挙げるとするなら三振が多いこと。2023年はなんと211です。これはMLBトップのカイル・シュワーバーの215に迫る勢いの3位。
なお、2位は誰だったかというとユーヘイニオ・スアレスの214。マリナーズは2023年は三振TOP3が2人も打線にいたことになりますね。
驚きの布陣となったドジャース。その強いドジャースに対して、Dバックスが辺りがどのような戦いを見せるのか今から楽しみでもあります。それさえも軽くいなしてしまうようなスペックですが。
なお、人柄の良さが出ている1問1答のVTRはこちら。オフは料理するそうです。
(YOUTUBE)Get To Know Teoscar Hernández
1年契約ですから2025年も再度FA市場を賑わすことになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント