新鮮な視点に期待が寄せられる
現地2024年1月8日、セントルイス・カージナルスは元ボストン・レッドソックスの編成トップのCBO(Chief Baseball Ooeration)にいたハイム・ブルーム(Chaim Bloom)をPOBO(President of Baseball Operations)のアドバイザーとしてフロントに加えたと発表しました。
The Cardinals name Chaim Bloom Advisor to the President of Baseball Operations, the team announced. pic.twitter.com/dfWj8wzQpg
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) January 8, 2024
今のレイズを作り上げた張本人
ハイム・ブルームは2019年から2023年にかけてレッドソックスの編成トップに就任。それまではレイズのベースボール・オペレーション副社長(Senior Vice President, Baseball Operations)という地位で、エリック・ニーアンダーよりも上のポジションで、彼とともに今の強いレイズを築き上げてきた張本人でもあります。
特に育成に関しては選手が確実に育つように評価方法、配属の仕方、コンディショニング方法、メンタルの鍛え方などすべてマニュアル化を実施。これまで指導者の勘と経験を頼りにやってきたこと、あるいは場合によっては指導者との性格の不一致で才能が埋もれてしまうようなことを排除し、バイアスの少ない選手開発のプログラムを作成。これをデファクト・スタンダードに押し上げました。ここが彼のすごいところでした。
レッドソックスでは力を発揮できず
非常に期待されたハイムでしたが、レッドソックスでの4シーズンではポストシーズンに進出したのは2021年の1度だけ。2023昨年9月に解雇となりました。
確かにハイムは非常に難しい問題を引き継ぎました。前編成トップで現フィリーズPOBOのデーブ・ドンブロウスキがワールドシリーズ制覇と引き換えに残したのは・・・・
- クリス・セールなど一流選手の獲得と引き換えにプロスペクトをトレードに出し過ぎたことによる枯れたファームシステム
- 怪我や不調で空振りに終わった巨額なディール
- ムーキー・ベッツの退団
- 贅沢税超過とそのペナルティによるドラフト順位の降下
など色々とあります。
他にも伝統クラブならではの内部のしがらみにも対処しなければならなかったとも言われております。それは上の方からあるいは側近に位置する人たちまで。
つまり、レイズの時のようには立ち回れなかったということですね。それもわかった上での就任だったとは思うのですが、いざ入るとかなり難しいしがらみがあったようです。
おかしいと思うディールが複数見られたのは、どこからか横槍でも入ったのでしょうか??
ラファエル・デバースの流出も危ぶまれましたが、そこはなんとか踏みとどまってくれてホッとしています。
内部のことゆえ、真相はわかりません。
再生に取り組むカージナルス
さて、2023年のカージナルスは71勝91敗でNLセントラル最下位に沈みました。カージナルスが勝率.500を割ったのは2007年の78勝84敗のシーズン以来。これは2006年のワールドシリーズ・チャンプの翌年のことでした。
また、地区最下位となったのは1990年以来のことで、90敗を喫したのも同シーズン以来のことです。長い間、どれだけ強かったのかということですね。
2000年から2023年までの24シーズンでポストシーズンに進むこと16度、地区優勝11度、NLCS進出が13度、このうちWS進出が4度、WS制覇が2度。
PS進出 | 地区優勝 | NLCS進出 | WS進出 | WS制覇 |
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2022 | 2022 | |||
2021 | ||||
2020 | ||||
2019 | 2019 | 2019 | ||
2015 | 2015 | |||
2014 | 2014 | 2014 | ||
2013 | 2013 | 2013 | 2013 | |
2012 | 2012 | |||
2011 | 2011 | 2011 | 2011 | |
2009 | 2009 | |||
2006 | 2006 | 2006 | 2006 | 2006 |
2005 | 2005 | 2005 | ||
2004 | 2004 | 2004 | 2004 | |
2002 | 2002 | 2002 | ||
2001 | ||||
2000 | 2000 | 2000 |
これはヤディアー・モリーナがプレーした2004年から2022年までと一致しています。
2023年はモリーナがいなくなって初めてのシーズンでした。その反動が出てくるのは致し方ないところ。なんと言ってもモリーナは2008年から2018年までの11シーズンでGG賞受賞9度で、そのうち8年連続受賞というのもあったのですから。
ハイムの視点
今回、ハイムがアドバイザー的なポジションに加わったことでカージナルスは選手開発に新鮮な視点を採り入れることが出来そうです。
ここも伝統クラブなので色々あるとは思いますが、カージナルスPOBOのジョン・モゼリアク(John Mozeliak)によれば、ハイムの役割はモゼリアクのアドバイザーであり、パートタイム的なものということですので、権限はないですから、好きなことをポロッと伝えるという一番気軽なポジションかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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