アスレチックス、若手が躍動!
現地2024年4月22日、アスレチックスにとって非常にタフなロード・トリップが始まりました。この日からアスレチックスはヤンキー・スタジアムでのヤンキースとの4ゲームシリーズ、そして26日からはカムデン・ヤーズでオリオールズとの3ゲームシリーズでALで勝率トップ2のクラブとのロード7連戦です。
アーロン・ブーン、ファンの野次でとばっちり退場
G1で珍しいシーンがありました。初回、カルロス・ロドンのスライダーがエステウリー・ルイーズの右足に当たり、スイングかデッドボールかという微妙なシーンがあったのですが、スローではボールが足に当たったのは事実で、確かにスイングを取られてもおかしくないほどヘッドは返り気味。塁審のチェックスイング・セーフの判定に異を唱えたブーンでしたが、結果的に大きなクレームは起こさず。ただ、この後も野次っていたようです。まずそれに対して、アンパイアーが1度目の注意を与えたのですが、その後ににブーンはアンパイアーから退場処分を受けることになります。
実は最前列に座っていたファンがアンパイアーを野次ったのですが、アンパイアはブーンが言い放ったと勘違いし、ブーンを退場処分にしたのでした。
Umpire hears a fan yell and ejects Aaron Boone, a breakdown pic.twitter.com/zkoxf0YChm
— Jomboy (@Jomboy_) April 22, 2024
JP・シアーズが圧巻の投球!
そんなタフなシリーズの初戦、アスレチックスは左腕のJP・シアーズ(JP Sears)がマウンドに。そのJP・シアーズは1、2回ともに先頭打者にシングルヒットで出塁を許すスリリングな立ち上がりとなりましたが、3回以降は圧巻の投球。ヤンキースが誇るクリーンナップから次々に三振を奪う力投を見せました。
ソト、ジャッジ、スタントンから連続三振
その勢いを決定づけたのは4回裏の投球。その前の4回表、アスレチックスは先頭のエステウリー・ルイーズと次打者のタイラー・ネヴィンが四球とデッドボールで出塁し、ノーアウトランナー1、2塁のチャンスを作るも、後続が倒れて無得点となり、嫌な流れを引きずったまま4回裏のクリーンナップの攻撃を迎えるというどう考えても失点が予想されるターンでもありました。
そのシナリオを破ったのがJP・シアーズの投球なのですが、まず先頭のフアン・ソトにはボール先行となるも、スウィーパーとシンカーを駆使してタイミングを完全にずらして空振り三振。つづくアーロン・ジャッジにはチェンジアップとスウィーパーをうまくミックスしてゾーンで勝負し、最後の最後に94mphの4シームで空振りを奪うというしびれる配球で三振。そしてジャンカルロ・スタントンにはゾーンギリギリを狙う4シームとスウィーパーでファウルでカウントを作り、アウトコースのゾーン外の強い4シームを見せてから、最後はは低めに落ちるチェンジアップで仕留めて空振り三振。この3連続三振はお見事でした。キャッチャーはもちろん、シェー・ラゲリアスです。
JP・シアーズは6回まで投げぬき、91球で被安打がたったの3、スコアレス、BB 1、SO7という素晴らしい結果を残しました。この打線を相手にするにはある程度ボールを散らす必要がある中でのBB 1です。良かったですね。
古巣相手に最高の投球
今回の登板はJP・シアーズにとって古巣相手の投球でした。JP・シアーズはもともとは2017年のマリナーズの11巡目指名でプロ入り。そのドラフト・イヤーの11月にマイナー選手同士のトレードでヤンキースに移籍。
そして2022年7月のトレード・デッドラインでヤンキースがフランキー・モンタスとルー・トリビーノの両右腕を獲得したディールでアスレチックスに移籍しました。アスレチックスの現投手陣を形成する選手ばかりです。
- 【IN】フランキー・モンタス(Frankie Montas/29) RHP/ A’sのエース
- 【IN】ルー・トリビーノ(Lou Trivino/30) RHP/ A’sリリーバーのキーマン
- 【OUT】JP・シアーズ(JP Sears/26) LHP/ 2022は3勝0敗
- 【OUT】ケン・ウォルディチャック(Ken Waldichuk/24)LHP/ 2019年5巡目
- 【OUT】ルイス・メディーナ(Luis Medina/19)OF/左投げ左打ち/ベネズエラ出身
- 【OUT】クーパー・ボウマン(Cooper Bowman/22)2B or SS/右投げ右打ち/2021年4巡目
ルーカス・エルセグがある意味、ゲームを決めた!
NYY・カルロス・ロドンも好投
アスレチックス先発のJP・シアーズが輝く中、一歩も譲らなかったのがヤンキース先発のカルロス・ロドン。7イニングを投げ、被安打1、スコアレス、BB 2、HBP 2、SO 4と好投。アスレチックス打線はスモール・ベースボールを仕掛けるもなかなかランナーを進められませんでした。
この日、2度目の悪い流れを止める!
アスレチックスは2番手としてルーカス・エルセグ(Lucas Erceg )が7回から登板。シナリオとしては最終回にはメイソン・ミラーがいるため、JP・シアーズが築いてきた無失点をいかにホールドしたままメイソン・ミラーに繋ぐかが勝敗を左右するポイントでした。
そんな中、アスレチックスは8回表にヤンキース2番手のイアン・ハミルトンから2アウト満塁の大チャンスを作ります。ところが、シェー・ランゲリアスが三振に倒れて終盤の最大の好機を逃してしまいます。またも嫌な流れを引きずってヤンキースの攻撃を迎えることになったアスレチックスでしたが、ルーカス・エルセグがいい仕事をしました!
エルセグは先頭のアレックス・ベルドゥーゴに四球を出し、流れを渡しそうになりますが、つづくホセ・トレビーノをダブルプレーに仕留めてピンチの芽をすぐに摘みました!これがこのゲームの大きなポイントになりましたね。最後はオズワルド・カブレラを2Bゴロに仕留めてスコアレスに。この日2度目の瀕死の状況となったアスレチックスでしたが、エルセグが凌ぎました!
ザック・ゲロフが決勝HR
最後に流れをものにしたのはアスレチックでした。9回表、ヤンキース3番手のビクター・ゴンザレスからまず先頭のエイブラハム・トロがピッチャー前内野ゴロで出塁。これはラッキーでしたね。そして、評価の高いプロスペクトのザック・ゲロフが 2-2カウント後の甘いスライダーを右中間スタンドに叩き込む2ランHRを放ち、アスレチックスが待望の先制点をゲット。
メイソン・ミラーがねじ伏せる
最終回、アスレチックスのマウンドにはメイソン・ミラーが上がり、アンソニー・ボルピー、フアン・ソトそしてアーロン・ジャッジを三者連続三振に斬って取りゲームセット。アスレチックスが2-0でヤンキースからシャットアウト 勝利を上げたのでした。
なお、メイソン・ミラーはまたしても100mph を連発。ボルピーには102.5mphを1球、ソトには全球4シームで101、100.3、101.8、103.3mphをマーク。ジャッジにはスライダーを交えつつも4シームは100.7、102.2、102.5mphを記録。もはやミラー・タイムと言っていい登板内容となりました。
アスレチックス、いいゲームをしましたね。
お読みいただき、ありがとうございます。
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