先発8試合目での快挙達成
殆どのクラブが開幕5戦目を迎えようしていた現地2024年4月1日、早くも今季初のノーヒットノーランが生まれました。記録が生まれたのはミニッツメイド・パークで開催されたブルージェイズ@アストロズ戦。
HOUSTON YOU HAVE A NO-HITTER 🚀
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) April 2, 2024
RONEL BLANCO NO HITS THE BLUE JAYS!! pic.twitter.com/1fZTHJQchv
アストロズは今季初勝利
アストロズはここまで開幕4連敗。躓いたのは開幕戦です。ここ数年は相性の良いヤンキースに対して序盤に4-0とリードし、「やはり!」という展開を見せたものの、中盤に先発のフランバー・バルデスが捕まりリードを1点差に詰め寄られます。ラファエル・モンテロで同点に追いつかれ、さらに今季からセットアップに移ったライアン・プレスリーが決勝点を許し、逆転負け。嫌な負け方をしました。これが尾を引いたのか、その後連敗し、このゲーム前までは勝ちがない状態でした。
故障者に代わっての抜擢
そんな勝ちのないアストロズは5戦目というローテーションの最後にくる投手でこの悪い流れを断ち切らない状況で頭の痛いところでしたが、そのNO.5のロネル・ブランコ(Ronel Blanco)が素晴らしい仕事をしたというのがこの日のピッチングです。
そのロネル・フランコですが、先発に抜擢されたのは、ジャスティン・バーランダーとホセ・ウルキディーがILで離脱しているため。どうしても枚数が足りないジョー・エスパーダ新監督は開幕直前にロネル・ブランコに先発転向を通達したのでした。
メジャー通算28試合、先発は8試合目
そのロネル・ブランコですが、年齢は1993年8月31日生まれの30才。今季途中で31才になるドミニカ共和国出身の投手ですが、メジャー・デビューは2022年で今季で3シーズン目。2022年はリリーフで7試合、2023年も17試合しか登板しておらず、そのうち先発は7試合。ERAは2022は7.11で2023年は4.50とブルペンが足りなくなったら、補強しようかという起用をされてきた投手です。
アストロズはスプリング・トレーニング中にすでにバーランダーとホセ・ウルキディーのILを見越し、複数の投手の先発のテストを行い、ロネル・ブランコもその中の1人でした。ロネル・ブランコは5試合中4試合に先発し、15.2 IPで被安打6、スコアレス、BB9 2.3、SO9 10.3、ERA 0.00をマーク。これにより、先発に大抜擢されたのでした。
105球、2BB、7K
そのロネル・ブランコは初回、先頭のジョージ・スプリンガーに四球を与えます。ストライクとボールがはっきりしており、やばいなという立ち上がりでした。しかし、つづくヴラディーミル・ゲレロ・Jr.から三振を奪うと、ジャスティン・ターナーを3Bゴロに仕留め、ダブルプレーが成立しそうでしたが、これを1Bのホセ・アブレイユが掴みきれずにセーフに。記録上はジャスティン・ターナーの3Bゴロということに。そしてドールトン・バーショーから三振を奪い、1回のピンチを切り抜けました。
打線も援護
アストロズは1回裏に、ホセ・アルトゥーベがシングルで出塁し、3番のカイル・タッカーが左中間スタンドに2ランHRを放ち2点を先制。さらに女房役のヤイナー・ディアスもソロHRを放ち、初回に3-0と援護します。
2回裏にはジェレミー・ペーニャにソロHR、中盤にも得点を重ね、7回裏にはカイル・タッカーにこの日2本めになる2ランHRが出るなど7回を終えて10-0とリード。ロネル・ブランコを援護します。
ドゥバン、アブレイユが好プレー
ノーヒッターの影に好守備ありですが、この日も出ましたね。危なかったのは終盤の2イニングです。まず、8回表、先頭のアレハンドロ・カークが放った投手への強い当たり放ち、これをブランコがグラブに当てて打球こコースを変えてしまいましたが、それを2Bのマウリシオ・ドゥバンがバックアップ。見事にアウトにしました。これがセーフなら記録上は間違いなくヒットでした。
さらに9回表、1アウトからキャバン・ビジオが放った1、2塁間のヒット性の当たりをホセ・アブレイユがしっかりと止め、ブランコが1Bカバー。これも見事な連携でアウトにしました。
9回裏、2アウトとなってジョージ・スプリンガーに四球を与え、ヴラディーミル・ゲレロ・Jr.を迎えるという最後の試練が訪れましたが、ブランコはゲレロ・Jr.を2Bゴロに斬って取り、見事にノーヒットノーランを達成したのでした。
(YOUTUBE)FIRST NO-HITTER OF 2024! Ronel Blanco makes history for the Astros!
チェンジアップを多投
スプリング・トレーニングからモデルチェンジを披露したロネル・ブランコが前年と大きく変わったところは、チェンジアップの球数。この日も全投球数の1/3以上の36球を投じました。そのほかはスライダーが34球、ファストボールが31球、カーブが4球。
ファストボールが93-94mphほどのブランコは際立って速いボールを投げる訳でもないので、チェンジアップを多投することでファストボールを速く見せる工夫をしているということかと思います。
割としびれる投球内容だったと思います。
MLBでのノーヒットノーランの達成はロネル・ブランコが今季1番目。
アストロズ史上では、2023年8月1日にフランバー・バルデスがガーディアンズを相手に達成して以来、17度目のノーヒットノーランということになります。
ロネル・ブランコがこのまま力を発揮し続けるかどうか、興味深いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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