盛りだくさんだったギャレット・クロシェの登板
MLB30クラブの中で唯一20勝に達していないホワイトソックスは現地2024年6月10日から始まったマリナーズとの4ゲームシリーズにおいてここまで3連敗を喫し、苦戦が続いております。
シリーズ最終戦となった現地2024年6月13日、4ゲーム・スウィープの屈辱を阻止するべくマウンドに立ちはだかったのはギャレット・クロシェ(Garrett Crochet)でした。
7イニングで13奪三振
(YOUTUBE)Tied for MLB LEAD IN STRIKEOUTS! Garrett Crochet struck out CAREER-HIGH 13 in win vs. Mariners!
そのギャレット・クロシェは立ち上がりから高品質の投球を披露し、マリナーズ打線を沈黙させます。序盤の3イニングで6つの三振を奪い、許したヒットは3回裏のビクター・ロブレスの2塁打の1本のみ。
そのクロシェが失点を許したのは5回裏。1アウトからルーキー1Bのタイラー・ロックリア(Tyler Locklear)に89.9mphのチェンジアップを左中間スタンドに運ばれるHRを許し、1失点。ただ、許したのはこの1発による1点のみで、後は三振の山を築きます。
ギャレット・クロシェは7イニング、102球を投げ、被安打2、失点1、自責点1、BB 2、SO 13をマーク。1試合13奪三振はキャリアハイです。まさに圧巻の投球でした。
クロシェが成し遂げた2つの偉大なこと
そのギャレット・クロシェの13奪三振には2つの偉大なことが盛り込まれていました。
(1) 最初の15先発/20BB未満で歴代2位の奪三振
まず1つ目はサラ・ラングさんが見つけ出したMLB史に残る記録。
most strikeouts with fewer than 20 walks, 1st 15 career starts since 1900:
— Sarah Langs (@SlangsOnSports) June 14, 2024
2014 Masahiro Tanaka: 119
2024 Garrett Crochet: 116
2010-11 Stephen Strasburg: 103 https://t.co/dgVLtL67JL
ギャレット・クロシェは今季から先発で起用されているのですが、この日が15試合目の登板。キャリア最初の15登板で20BB未満で116奪三振をマーク。
サラ・ラングさんによると、同基準で最も多いのはヤンキースのルーキー時代の田中将大投手で119奪三振。ギャレット・クロシェはそれに次ぐ数字で、3番目にスティーブン・ストラスバーグが来ています。奪三振数に2つのフィルターがかかっているのでわかりにくいのですが、そのフィルターは品質をより際立たせる役割を果たしており、クロシェの三振効率の良さがわかる数字となっています。
(2) ノン・ファストボールはたったの1球!
筆者はむしろこちらの方が気に入っているのですが、2つ目は投球スタイルに関してです。
この日、クロシェは97-99mph前後の4シームと91-94mphのカットボールを駆使しマリナーズ打線を圧倒した訳ですが、これらは速度帯は分かれているものの、括りとしてはファストボール。速いボールです。
クロシェは5回裏にHRを打たれましたが、この時に投げたのが87mphのチェンジアップ。これはファストボールではないノン・ファストボールです。この日投げたクロシェのノン・ファストボールはなんとこの1球のみ。102球の内訳は71球が4シーム、30球がカットボール、1球がチェンジアップ。これで13奪三振なのですからいかにボールがキレていたかということでしょうね。
コペックがクロシェの勝ちを消してしまう
クロシェのこの日の登板にはもう1つおまけがあって、勝ちがつかなかったのです。
ホワイトソックス打線はクロシェを支援すべく3回裏にアンドリュー・ボーンとルイス・ロバート・Jr.の2者連続HRが飛び出し2点を先制。クロシェは1失点で7回で降板。
8回裏にはジョン・ブレッビアが1イニングをパーフェクトに抑え、クロシェの勝ちをキープします。
迎えた9回裏、ホワイトソックスは1点差を逃げ切るべくマイケル・コペックを投入。そのコペックは1アウトは奪うも、2人目のフリオ・ロドリゲスに土壇場で同点HRを許してしまい、これでクロシェの勝利投手の権利を消してしまいます。これは辛いシーンとなりました。
コペックは後続2人をきれいに打ち取ったので、余計にフリオ・ロドリゲスへの1球が悔やまれます。
延長に入ったゲームは10回裏にホワイトソックスが勝ち越し。これを左腕のタナー・バンクスが見事に守りきり3-2のスコアでホワイトソックスが一矢報いたのでした。
クロシェ、シーズン奪三振でMLB1位タイ
なお、ギャレット・クロシェはこの日の13奪三振でシーズン奪三振数を116とし、MLB1位タイとなりました。同じ数字をマークしているのはドジャースのタイラー・グラスノー。116奪三振はALではぶっちぎりの1位。2位はロイヤルズのコール・レーガンで98です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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