レッドソックス、今季初勝利
30日のオープニング・デーで投壊してしまったレッドソックスですが、中1日を空けた現地2023年4月1日の開幕2戦目、満を持してエースのクリス・セールを投入。「らしいゲームで初勝利!」という展開に持ち込みたかったところですが、Game1と同じような大量リードを許す展開となりました。
【BOS】クリス・セール、3被弾で7失点
レッドソックスのスターティングは、ベルドゥーゴ→デバース→ターナー→吉田→デュバル→カサス→アローヨ→マグワイア→キケと開幕戦と変わらないラインナップです。
トミー・ジョン以降のまとめ
今回、久々の公式戦での先発となったクリス・セール。2020年に左肘が悲鳴を上げ、3月にトミー・ジョン手術に踏み切りました。2021年8月14日にメジャーに復帰し、2021年は9試合、42.1イニングで5勝1敗、ERA 3.16をマーク。
さあ、トミー・ジョン手術明けのフルシーズンということで期待された2022シーズンでしたが、今後はシーズン開幕前に肋骨を披露骨折し、開幕はILに。復帰出来たのは、シーズン折返し近くの2022年7月22日。ところが、復帰2戦目となった現地2022年7月17日のヤンキース戦でアーロン・ヒックスのカムバッカーがセールを直撃。利き腕の小指が歪んでしまうという痛々しいアクシデントに見舞われました。左手小指は骨折となり、またしてもILに逆戻り。本当にハードラックでした。
さらに続きます。2022年8月6日、自転車に乗る際に転倒。詳細は明らかになっていませんが、なんらかの自業自得のミスであることは間違いなく、この際に手首を骨折。2022シーズンの復帰は絶望となりました。その前に復帰に向けたマイナーのゲームの結果が思わしくなく、ストレスで設備を破壊するという冷静さを欠いた行動も起こしました。これはいただけなかったです。
初回3失点、3回4失点
クリス・セールの立ち上がりですが、4シームは95mph前後でリード・オフのラモン・ウリアスへの投球はボールも散らしていましたし、良いと思いました。
ところが、当たっているアドレー・ラッチマンへのファースト・ストライクはインローのやや甘め。そして2ランHRを打たれたライアン・マウントキャッスルにはカウントを取りに行ったスライダーが完全にハンギング・カーブの軌道となり、これをLFスタンドへ放り込まれて2ランHRとなり、まず2失点。
2アウトからオースティン・ヘッジスに投じたファースト・ストライクはラッチマンに打たれたコースとほぼ同じで、これをCF深くに放り込まれました。このソロHRで初回は3失点。
2回表は失点こそ免れたものの、ノーアウトでランナー1、2塁のピンチとなりましたが、最後は3Bのラファエル・デバースのスーパー処理に助けられ、まだまだ乗って行かない状態。
3回表はかなりボールを散らして慎重に投じてはいたのですが、1アウト満塁から内野ゴロの間に1失点。さらに2アウト、ランナー2、3塁でセドリック・マリンズに真ん中高めの94mphの4シームをCF最深部に放り込まれ、これが3ランHRとなりこのイニング4失点目。
クリス・セールはこのイニングで降板しました。3回、74球で被安打7、失点7、BB2、SO 6、HR 3。SO6は良かったと思うのですが、やはり打たれたのは甘いボールでしたので、実践復帰としては本人が一番納得出来ていないところでしょう。
【BOS】3回を終えて1-7からのカムバック
前日同様、スターターがゲームメイク出来なかったレッドソックスはまたしても打線が挽回する展開となりました。
3回裏にアダム・デュバルのトリプルとオリオールズ先発、ディーン・クレマーのワイルド・ピッチですぐに1点を取り戻したレッドソックス。
1点を返して直後にまた4失点された訳ですが、3回裏、さらに反撃に出ます。
先頭のキケ・ヘルナンデスが四球で出た後、リード・オフのアレックス・ベルドゥーゴが右中間に2ランHRを放ち、まずは3-7と4点差に詰め寄ります。
ラファエル・デバースは右中間にヒットを放ち、間隙を縫って2塁を陥れようところ見るも、勢い余ってベースから離れてしまい、2塁でアウト。しかし、このデバースのガッツあふれるプレーは非常に積極的で良かったと思います。
ジャスティン・ターナーが左中間に二塁打を放ち、再びチャンスメイクし、吉田選手に打席が回ります。吉田選手は、アウトコースへのチェンジアップにうまく対応するも、これがフェンウェイの最深部のCFへのフライトなり、凡退。もう少し、RF寄りならHRでしたね。
2アウトとなりましたが、つづくアダム・デュバルが左中間に2ランHRを放ち、このイニングに4点を取り戻し、5-7と2点差に詰め寄りました。
ブルペンが機能!!
クリス・セール降板後の4回には前日同様にザック・ケリーがマウンドに上り、タイムリーで1失点を喫したものの、この後のブルペンは非常に良かったです。
3番手のジョシュ・ウィンコウスキーは5回、6回をヒット1本のみ、BB0に抑える好投。
4番手には、今季初登板となるジョン・シュライバーが登板。BB1のみの出塁で締めました。8回は新戦力のクリス・マーティンが3者凡退。9回はケンリー・ジャンセンがランナー2人を出すも、慌てることなく無失点で抑え、ブルペンが機能しました。
この日のレッドソックス投手陣のBBは4。かなり気合を入れましたね。
キケがソロHR
レッドソックスは7回裏にイニング先頭のキケ・ヘルナンデスがオリオールズのオースティン・ボースのハング・カーブを見事に捉えてLFスタンドに運び、6-8の2点差ゲームに。
さらに、デバースのうまいLF線への2塁打とジャスティン・ターナーのシングルでチャンスメイクした後、当たっているアダム・デュバルが今度はRFへグランドルール・ダブルを放ち、7-8と1点差ゲームに。
「強運過ぎる!」吉田選手、万事休すから復活!
7-8とオリオールズが1点をリードしたままゲームは9回裏に突入。オリオールズのマウンドにはクローザーのフェリックス・ボティスタが上がりました。
レッドソックスは、先頭のデバースが100mphのファストボールを見せられた後、88.4mphのスプリットで空振りを取られ、三振。
頼りになるジャスティン・ターナーはさすがベテランで7球も粘るも、SSゴロに倒れて2アウト。
つづくバッターは吉田選手。頼りになる2、3番が倒れたので、これでゲームはほぼ決まったとは言え、最後の抵抗に期待がかかりましたが、吉田選手は2球いずれも100mph近くの4シームを見せられ、LFへのポップフライ。これで万事休すかと思われました。
ところがここからが吉田選手のすごいところ。 フラフラと上がったイージーなLFフライにオリオールズのライアン・マッケナはシングルハンドで対応。時刻は現地時間19時を回ったところでしたが、上空はまだ薄暮。このトワイライトが影響したのか?あるいは筆者は風か?と思うのですが、足が止まったところから、わずかにグラブが体から離れた方に動き、これをマッケナがポロリと落としてしまいます。
ゲームセットとなるところだったのに、なんと吉田選手は1塁にサバイブしてしまいました。
デュバルがサヨナラHR
そしてバッターはアダム・デュバル。2アウトランナー1塁で吉田選手が還っても同点の場面。オリオールズのベンチの判断は難しいところでした。次のカサスがまったく当たっていなかっただけに、デュバルへの敬遠もあり得るところ。ただし、その場合はデュバルがサヨナラのランナーとなるので、そのリスクは受け入れる必要があります。そして、そうしたところで、カサスのところでコーラ監督はPHを送るかもしれません。
オリオールズは、デュバルとの勝負を選択。そして2球目、99.7mphの真ん中低めのボールをデュバルがうまくバットを入れて対応。これがグリーンモンスターの最前列に入るHRとなり(VTR判定となりましたが)、レッドソックスが9-8でサヨナラ勝利を得たのでした。
デュバル、サイクルを通り越す
当たりに当たっていたアダム・デュバルですが、この日は、下記のような内容でした。
- 1回裏:トリプル
- 3回裏:2ランHR
- 6回裏:LFフライ
- 7回裏:RFへのグランドルール・ダブルで1 RBI
- 9 回裏:サヨナラ2ランHR
5打数4安打、5 RBI 、3 RUN、2HR。シングルが出ていればサイクル安打達成だったのです。今回は2 HRということで、サイクルを通り越したと言ってもいいような成績でした。
People said Adam Duvall's swing would play at Fenway.
— Red Sox (@RedSox) April 1, 2023
They were right. pic.twitter.com/1AjMs6wwYk
吉田選手、ラッチマンにアウトローを攻められる
この日、CFへの大きな当たりを放ったものの、0安打に終わった吉田選手。オリオールズの捕手、アドレー・ラッチマンはどうやら吉田選手への攻め方のポイントを掴んだ模様。アウト・ローへの攻めに徹していました。よくて三遊間と割り切っていたような攻めで、最後は変化球もそこに要求し、奥行きでもタイミングをずらすことを試みていたと思います。
投手がそこに投げられれば良いですが、必ずしもこのベストコースに決められる訳でもないですし、少し甘く入れば吉田選手も対応しますから、明日の攻めと吉田選手の対応にも注目です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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