トップ・ピッチング・プロスペクトが競演
驚かされましたね。
現地2023年5月2日、マリナーズ@アスレチックス戦が素晴らしいゲームとなりました。
アスレチックス先発は当ブログでも取り上げたことのあるメイソン・ミラー(Mason Miller)で、マリナーズの先発は、この日がデビュー戦となったブライス・ミラー(Bryce Miller)。ともに1998年生まれで24才同士のトップ・プロスペクトの2人がとんでもないピッチングを見せてくれました。
A’sのメイソン・ミラーは7回ノーヒッター
まず取り上げたいのがアスレチックス先発のメイソン・ミラー。この日でメジャー3戦目の登板となりましたが、過去2戦の経験を活かした学びの投球がありましたね。
あえて100mphを封印
過去2戦は、序盤に100mph超えを連発させたメイソン・ミラーでしたが、この日はそれとも全く様相の違った投球を見せました。
4シームのベロシティーを96-98mph程度に抑えて100mphをあえて封印。フル・パワーで臨まずに、コントールを重視して、とにかくゲームメイクするのだというのがよくわかる投球を披露。
スライダー、カットボールでコースを丁寧につき、甘いコースの高めに投じるときは力を入れた4シームを投げるという組み立てでした。しかも4シームはやはり威力がありますから、それを活かしつつ変化球を際立たせるということもやっておりました。
コースを狙い過ぎたというのもあり、四球を4つ出してしまいましたが、マリナーズ打線を7回までノーヒットに抑える最高の投球を見せました。
球数も少なく7回を投げ終えて81球。非常にクオリティーの高い投球となりましたね。
彼の場合は100mphはいつでも投げられるでしょうから、この投球をして行くと今後も期待しかありませんね。この日のMAXは98.9mphに抑えました。
【YOUTUBE】Mason Miller joins MLB Network after throwing 7 no-hit innings
ブライス・ミラーは6回1失点で10K
マリナーズ先発のブライス・ミラーも良かったですね。テイクバックを大きめに取り、肘をたたみ過ぎないような大きめの腕のスイングはとても美しいフォームだと思いました。
そのブライス・ミラーもアスレチックス打線を翻弄。なんと5回終了までパーフェクト投球。
トニー・ケンプが6回に初ヒット
初ヒットは6回1アウトからのトニー・ケンプのCF前シングル。これでノーヒットも無くなりましたが、素晴らしい投球でした。
ブライス・ミラーはトニー・ケンプにヒットを許した後、ワイルド・ピッチもあり、1アウト2塁のピンチを迎えます。ここでニック・アレンをRFフライに抑えて2アウト。あとアウト1つだったのですが、エステウリ・ルイーズに投じた4球目のカット・ボールが真ん中低めの甘いコースに入り、これをルイーズにLF線に打ち返され、1点を許してしまいます。
ブライス・ミラーは6回を投げ終えて降板。81球で被安打2,失点1、BB 0、SO 10という素晴らしい成績でした。
4シームのスピンレートがMLB先発でNO.1
ブライス・ミラーの4シームのアベレージは93-95mphというところ。MAXで97mphを何回か出しましたが、とりわけ速い訳でもありません。しかし、この日の投球の詳細が出まして、4シームのスピンレートは2,576rpm。
これは先発投手の中ではジェイコブ・デグロムを超えるMLB NO.1のスピンレートとなっています。道理でアスレチックスの打者が降り遅れていた訳ですね。
Bryce Miller's fastball made it's MLB debut in a BIG way!@Mariners | #SeaUsRise pic.twitter.com/xgWBfuMB8X
— MLB Now (@MLBNow) May 3, 2023
ちなみにリリーバーも含めた現地2023年5月3日時点のMLB投手の4シーム・スピンレートのNO.1は、ジャイアンツのカミーロ・ドバルの2748rpmで、とんでもない数字となっています。これは打席に立つとどんな音がするのでしょうね。一度体験してみたいものです。
ブライス・ミラーは2021年のマリナーズの4巡目指名でプロ入り。テキサスA&M大学の出身です。
ラブレディーで同点、ファミリアで逆転される
6回裏に1点を先制したアスレチックスでしたが、8回表に2番手で登板したリチャード・ラブレディーがAJ・ポロックにソロHRを許して1-1の同点に。さらに、2アウト3塁となって登板したジェウリス・ファミリアが四球を出して2アウト1,3塁とした後、ジャレット・ケルニックにタイムリー2塁打を打たれて、マリナーズに逆転されてしまいます。
ゲームはこのまま2-1のスコアでマリナーズが逃げ切りました。
藤浪が僅差の9回を無失点
スコア1-2と1点差のビハインドで9回表のアスレチックスのマウンドに立ったのは藤浪晋太郎投手。リリーバーとして3度目の登板で、今回はビハインドながら1点差での登板。
このシチュエーションで藤浪投手は、打者3人で抑え、2三振と完璧に封じました。藤浪投手は次も似たようなケースでしかも勝っているケースで試されると思います。本人は先発をしたいのかもしれませんが、まずはこのまま良い結果を積み重ねて欲しいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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