キャリア初となったドジャース戦での登板
現地2023年6月21日、大谷選手が今季15度目のマウンドに立ちました。対戦相手はフリーウェイ・シリーズ中のドジャース。
リーグが違うこともあり、実は今回が初めてのドジャース戦での登板となりました。
色々と憶測が飛んでいるクラブだけに非常に興味深い麺がありましたが、この日の大谷選手の投球は迫力満点。強烈な打線のドジャースを相手にパワーピッチングを展開しました!
12奪三振ながら7イニングを投げ抜く
立ち上がり、リードオフHRを打ちまくるムーキーに対して、甘めのスウィーバーをCFに弾き返されましたが、トラウトの足が止まってまずは1アウト。この1打だけで対戦相手の強烈さが伺えました。
初回はフレディー・フリーマン、ウィル・スミスを三振に取り、上々の立ち上がり。
初ヒットを許したのは2回表で、2アウトからジェイソン・ヘイワードに1塁への内野安打。しかし後続を抑えて無失点。
F・フリーマンに一発
4回表、先頭のフレディー・フリーマンに投じた2球目のカット・ボールが高さが甘めに入ったところをCFへ弾き返され、これがHRとなり先制点を許します。
大谷選手は試合後に「理想を言えば、もう少し低めに投げてカウントを作りたかった」と言っており、やや悔やむ一投となったようです。それにしても一発で仕留めたフリーマンはさすがの集中力です。
6回表には先頭のウィル・スミスに四球を出し、失点が心配されましたが、アウト3つを三振で奪い、ギアを上げて対応しました。
大谷選手は、5回表以外のすべてのイニングで三振を奪い、ドジャースから計12三振を奪う力投。これだけ三振を奪いながら、球数は7回で101球。非常に効率的な投球となりました。
IP | H | R | ER | BB | SO | HR |
7.0 | 5 | 1 | 1 | 2 | 12 | 1 |
【YOUTUBE】Shohei Ohtani strikes out TWELVE in first EVER outing vs. the crosstown rival Dodgers!! |
VSドジャースの奪三振レコード
この日の4シームのアベレージ・ベロシティーは96.8mphでかなり4シームで圧しました。また、変化球はスウィーバーよりもカッターが多かったです。
大谷選手が奪った12三振は、エンゼルスの対ドジャース戦のピッチングのクラブ・レコードとなりました。それまでは2015年9月9日に右腕のギャレット・リチャーズが奪った11三振でしたが、それを上回りました。まさかの名前で筆者も驚きました。
なお、大谷選手にとって1試合で12奪三振以上はキャリア6度目で、今季だけで行けば2度目。
4月下旬から5月中旬にかけては4試合の先発でERA 6.12と荒れてしまいましたが、5月21日のツインズ戦以降はこの試合も含めて計6試合でERAは3.00。投球も本来の姿に戻りつつあります。
試合後、本人も今回の登板は非常に良い感じだったとコメントしており、中身と結果の双方が伴った素晴らしい投球となりました。7イニングを投じたのは5月15日以来のことです。
なお、ドジャースは9回表にミゲル・バルガスのソロHRで1点を追加。アーロン・ループが打たれました。
打線は2試合連続でシャットアウトされる
さて、エンゼルス打線の方ですが、前日のGame1ではクレイトン・カーショウに7回スコアレス投球を許し、試合のスコアも2-0でシャットアウト負け。
大谷選手には左投手を当てられる
この日、ドジャースはブルペン・デーで、先発はセットアップで投げることが多いブラスダー・グラテロル。彼が2イニングを投げ、それ以降は6人の投手がそれぞれ1.1イニング、あるいは1.0イニングを投げてつないで行きました。
しかもきれいにRHP→LHPと回して行き、大谷選手の打順には左投手が当てられました。例外は1回と9回だけ。この2イニングは強いボールを投げる右腕が投げました。
このように目線を変えられて打線はまったく機能せず、ルイス・レンヒーフォが2安打を放っただけ。四球での出塁も4つだけで2試合連続でシャットアウトを赦してしまいました。
2試合連続で、ホームでのクロス・プレーでアウトにされたというドジャースの球際の強さにも圧倒されたところもあります。
ライアン・ブレイジャーも登板
なお、ドジャースは6回裏2アウトから、ライアン・ブレイジャーを起用。ライアン・ブレイジャーは5月15日にレッドソックスからDFAとされ、21日にリリース。現地2023年6月4日にドジャースとマイナー・ディールでサインしていました。ドジャースでは上に上がれないのでは?と懸念していましたが、無事に昇格。この日がドジャースでのデビュー戦でした。ブレイジャーは1.1イニングでパーフェクト投球を披露しています。
それにしても、ドジャースはムーキー、J.Dにライアン・ブレイジャーが加わったことで、ますますレッドソックス感が強まりましたね。逆にレッドソックスもキケ、ベルドゥーゴ、ジャスティン・ターナー、コナー・ウォンと元ドジャースの選手が多いのですが。
ドジャースに8連敗
この敗戦でエンゼルスは対ドジャース8連敗。試合数が多くないので、2021年からつづく連敗で、両クラブの歴史の中で、フリーウェイ・シリーズでの最長タイ連敗記録となっています。
HR & RBI リーダーがLAD相手に12Kという事実
また、エンゼルスは今季、大谷選手の先発ゲームで10勝5敗となりました。
大谷選手自身の成績は、今回の敗戦で6勝3敗、ERA 3.13。89.0 IPで117 SOです。
なお、この奪三振数を上回っているのは、現地2023年6月22日時点で、ブレーブスのスペンサー・ストライダーの136 SOとブルージェイズのケビン・ゴーズマンの127 SOだけ。
大谷選手は打撃では現時点でHR リーダー。MLB トップの24HRです。
さらに、実はRBIでもMLBでトップ。58 RBIはレッドソックスのラファエル・デバース、レンジャーズのアドリス・ガルシアとトップ・タイです。
HRとRBIのリーダーがドジャースを相手に12奪三振というこの事実。やはりすごいことですね。
けが人続出
エンゼルスは、ジオ・ウルシェラが左骨盤骨折で今季のシーズン・エンディングが決まりました。彼がいると攻守が有機的につながるので非常に期待していたのですが、残念です。
アンソニー・レンドンはツインズ戦で受けた死球の影響でIL入り。レンドンはもうナショナルズ時代から怪我が多いのでこれは割り切るしかありません。ザック・ネトーも腹斜筋を傷めてまだILにいる最中。
マイク・トラウト、ブランドン・ドゥルーリーが健在なのはまだ救いです。チャド・ウォーラックも一発がありますし。ハンター・レンフローは12HRですから、まずまずかと。
なかなかエンゼルス本来のパワーがフルに発揮できませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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