2023年3度めのマウンド
現地2023年4月11日、大谷選手が今季3度目のマウンドに上がり、ナショナルズを相手に熱投。7回1ヒッター、スコアレスで2勝目を上げました。
ナショナルズ@エンゼルスというのはインターリーグということもあり、なかなか珍しいマッチアップですが、実は2022シーズンにも1度行われており、この時は5月6日から7日までの3ゲームシリーズでエンゼルスが2勝1敗で勝ち越しています。この時にはナショナルズにはまだフアン・ソトがいましたね。
苦戦しつつ調整!
この日の大谷投手の立ち上がりはコントロールに苦しみ、1回表には2四球を出して20球。2回表にも先頭のレーン・トーマスにストレートの四球を出すなど、カウントを取るスライダー(スウィーパーを含む)がなかなか思うようなところに行かないという状況でした。
それでもベロシティーは序盤から出ていて、2回表にCJ・エイブラムスに投げた2球目は97.3mphをマーク。3回表にドミニク・スミスに投げた4球目も97.3mphを記録するなど威力は抜群。ここがしっかりとしていたがゆえに変化球が決まりさえすれば結果は出るという下地が出来ていたと思います。
4回表 キーバート・ルイーズへの5球目はインサイドにやや外れてボールになったものの、98.2mphをマーク。そして、このイニングには、マイケル・チャビスに投じた2球目でこの日のMAXの98.7mphをマークしました。
四球でランナーは背負っていたものの、3回まではノーヒット・ピッチング。初めてヒットを許したのは4回表で、2アウト、ランナー1塁でCJ・エイブラムスに外から入るスライダーを叩かれ、RF線へ2塁打を打たれ、2、3塁のピンチを迎えました。しかし、マイケル・チャビスをSSゴロに抑えてピンチを脱出。上述のMAXが出たのはこの時です。ギアを上げましたね。
大谷選手は、6回表以外はランナーを背負う投球が続きましたが、調子が悪いながらも投げながら微調整を実施し、スコアレスを継続したというまさにプロ中のプロの仕事を見せたのでした。
この日は結局、7回まで登板。それでも球数は100球に届かず92球にまとめました。被安打1、スコアレス、BB 5、HBP 1、SO 6という内容でした。
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オホッピーが効果的な一発
エンゼルス打線は、3回まではナショナルズ先発のジョサイア・グレイを捉えきれず、得点の気配がないまま中盤へ。
4回裏、ジョサイア・グレイが突然コントロールを見出し、先頭のテイラー・ウォード、次打者のマイク・トラウトに連続四球。ここで大谷選手が打席に入り、LFへのシングルを放って満塁のチャンスを作ります。ジョサイア・グレイは握力が無くなったのでしょうかね?突然の乱調でした。
ここでアンソニー・レンドンが犠牲フライを放ち、エンゼルスがまず1点を先制。まだチャンスは残っていましたが、当たっているハンター・レンフローはダブルプレーに倒れ、1点止まり。
そして6回表に大谷選手が三者凡退に抑えた直後、6回裏、イニング先頭のローガン・オホッピーが甘く入った89mphのカットボールを強く叩き、左中間スタンドに入るHRを放ちます。
このHRで大谷選手が楽になったのは言うまでもありません。ローガン・オホッピー、良い仕事をしてくれますね。
豪華リレー
大谷選手降板後は、ホセ・キハーダがマウンドに上がって8回表を三者凡退に。そして9回表は、元ロッキーズのブルペンの中心で、現在はエンゼルスの新守護神となっているカルロス・エステベスが四球を1つだけ出したものの、無失点に抑えてゲームセット。
エンゼルスが2-0でナショナルズを僅差でシャットアウト。大谷選手に2勝目がつきました。
大谷選手がまたしても記録を達成
この日はスコアレスで6Kだった大谷選手。過去3度の登板はご覧の通りです。
2023 | Date | VS | IP | H | R | ER | BB | SO |
1 | 3/30 | @OAK | GS-6 | 2 | 0 | 0 | 3 | 10 |
2 | 4/5 | @SEA | GS-6 | 3 | 1 | 1 | 4 | 8 |
3 | 4/11 | WSH | GS-7 | 1 | 0 | 0 | 5 | 6 |
今回、大谷選手はまたしても「以来何番目」の記録を達成。
それは開幕して最初の 3 試合で少なくとも 19 イニングを投げ、自責点1以下。しかも3度の登板でいずれも6奪三振以上を記録したのは、1901年以来14 番目のMLB投手というやつです。
最近ではレイズのタイラー・グラスノウとパドレスのジョー・マスグローブが達成しています。.
また、大谷選手は10試合連続先発で2失点以下というフランチャイズ・レコードもマークしています。これはノーラン・ライアンが1972 年から 73 年のシーズンで 9 試合連続で達成したものをやぶりました。
上記の2023年の3登板と下記の表にある2022年の最後の7登板を併せて10登板連続で2失点以下です。
2022 | Date | VS | IP | H | R | ER | BB | SO |
1 | 8/27 | @TOR | GS-7 | 2 | 0 | 0 | 1 | 9 |
2 | 9/3 | HOU | GS-8 | 6 | 1 | 1 | 0 | 5 |
3 | 9/10 | @HOU | GS-5 | 6 | 1 | 1 | 2 | 7 |
4 | 9/17 | SEA | GS-7 | 3 | 0 | 0 | 1 | 8 |
5 | 9/23 | @MIN | GS-7 | 3 | 2 | 2 | 6 | 7 |
6 | 9/29 | OAK | GS-8 | 2 | 0 | 0 | 1 | 10 |
7 | 10/5 | @OAK | GS-5 | 1 | 1 | 1 | 1 | 6 |
まだ上を見ている
なお、大谷選手はまだまだ上を見ており、試合後のコメントでは「結果を数字で見ると、良いように見えるかもわかりませんが、3人で抑えたイニングが少なかったので、 もっとそれが出来れば、オフェンスに勢いをもたらすことが出来たはず」と語っています。
なお、捕手のローガン・オホッピーによれば、 「彼はスライダーを少しいじってスピードを変えていた。 途中でピッチを調整できる彼の能力にとても感銘を受けた。」と語っている通り、ゲーム内で色々切り分けしていることがよくわかりました。
確かに6回、7回は、70mph後半のスライダーを投げていましたね。
なお、大谷選手は12日のゲームは、DHには入らない予定です。フィル・ネヴィン監督によれば代打での出場はあるだろうとのこと。
次回の大谷選手の先発は、17日(月)のフェンウェイでのレッドソックス戦です。吉田選手との対戦も楽しみですが、個人的にはラファエル・デバースとの対戦が非常に楽しみです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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