O’s、ホルヘ・ロペスをウェーバーからクレームオフ
MLBは週末に入ってもウェーバーの動きが続いていました。現地2023年9月2日(土)の午後、ボルチモア・オリオールズはマイアミ・マーリンズからウェーバー公示されていた右腕リリーバーのホルヘ・ロペスをクレームオフ(獲得)したと発表しました。
ホルヘ・ロペスは去る8月1日に設定されていたトレード・デッドライン前の7月26日にミネソタ・ツインズからマイアミ・マーリンズへ移籍。マイアミからはツインズにはRHPのディラン・フローロが動きました。
それからわずか1ヶ月後、マイアミはホルヘ・ロペスを放出する形に。
BALがクレーム出来た
ウェーバーは、8月1日〜11月10日は、今年度の勝率の悪い順から優先されます。ALの選手がウェーバーに上がっていれば、ALの勝率の一番悪いクラブが優先、NLの選手がウェーバーに上がっていれば、NLの勝率の一番悪いクラブが優先されます。
マーリンズからウェーバー公示された場合、NLの勝率の悪いクラブが優先されますが、そうではなくオリオールズが獲得出来たということは、オリオールズの単独か、もしくはオリオールズより勝率の高いブレーブスが手を上げたかもしれません。
マイアミで結果が出ず
今季、ツインズで37試合、35.1イニングに登板し、4勝2敗、ERA 5.09だったホルヘ・ロペスは、マイアミに移籍後、12試合に登板し、11.2イニングを投げました。
7月に登板した2試合はBB1だけのスコアレス投球を披露したのですが、8月に入り、登板ごとに安打と失点を重ね、8月は10試合中、スコアレス登板が3試合のみ。このうち1試合は1イニングに被安打2、BB1(8/18 LAD戦)という結果で非常に不安定な投球が続きました。
マイアミでのERAは9.26。8月だけで行くと、10.80でした。ローテションのジョニー・クエトがILから復帰したタイミングもあり、ホルヘ・ロペスをウェーバーにかけました。マイナーからジェフ・ハートリーブ(Geoff Hartlieb)をコールアップ。ブルペンの穴を埋めています。
マイアミはホルヘ・ロペスを出すことで約0.6Mのサラリーを削減したことに。
下記の埋め込みは打たれたシーン。
ホルヘ・ロペス、PSで投げられず
オリオールズはホルヘ・ロペスを獲得したわけですが、ポストシーズンのロースター登録期限は、8月31日午後11時59分(東部時間)。オリオールズは期限後にウェーバーでクレームオフしたため、ホルヘ・ロペスはポストシーズンで投げることはできません。
9月のブルペン・ヘルプに
しかし、シーズン中はもちろん投げることが出来、オリオールズのブルペン・ヘルプとして起用されることになりそうです。
レイズ、全く離れず!
オリオールズは現地2023年9月2日終了時点で、84勝51敗でALイーストの単独首位。
しかし、2位レイズは、82勝54敗でゲーム差2.5でしっかりと肉薄している状態。
レイズは7月に8勝16敗で大きく沈んだものの、8月は17勝8敗と好成績をマーク。この間、8月15日にシェーン・マクラナハンがトミー・ジョン手術となって左のエースを欠き、さらに、その前々日の13日にはクラブの核となるワンダー・フランコが選手生活にも大きな影響を及ぼす未成年との関係でリストリクティッド・リスト入りで調査が入って離脱中。投打の柱を欠いているにもかかわらず、この奮闘ぶり。この意欲はぜひ他のクラブも見習って欲しいものです。
フェリックス・バティスタ離脱後のヘルプ
プロスペクト達は軒並み結果を出し、良いことづくめのように見えたオリオールズですが、8月26日に100mphクローザーのフェリックス・バティスタが右肘の違和感を訴え、翌27日にUCLに損傷が見つかって15 day IL に入っています。
場所が場所だけに今季の復帰は難しいと見て良さそうです。
大事なクローザーを失ったオリオールズは、その後はクローザー・ロールを決めていません。
イェニエル・カノーが筆頭なわけですが、ブランドン・ハイド監督は、8月25日に5-4で競り勝ったコロラド戦ではダニー・クーロム(Danny Coulombe)を締めに起用。8月26日も5-4で競り勝ったのですが、この時は、イェニエル・カノーをクローザーに起用。8月27日は、3-3のスコアで9回表にカノーを起用したのですが、コロラドに勝ち越し点を許して締めに失敗。3連投でしたからね。
実はそれ以降は、大勝か敗戦が続き、競っているゲームで終盤に入っておらず、クローザー・ロールを試す機会を得ておりません。
藤浪投手も期待されていますが、クローザーにということにはなっていないように思います。
本当はセットアップでイェニエル・カノーを使い、藤浪投手をクローザーにしたいところでしょうが、まだ確証を得ていない起用に思えます。
そこでホルヘ・ロペスがブルペンに入ることで少なくともダニー・クーロム、イェニエル・カノー、藤浪投手の負担を軽減させることが出来、彼らをより要所で起用させることも出来ることから、ホルヘ・ロペスには期待が高まっています。
- 終盤:イェニエル・カノー、ダニー・クーロム、ホルヘ・ロペス or 藤浪晋太郎
- 中継ぎ:ホルヘ・ロペス or 藤浪晋太郎、DL・ホール、シオネル・ペレス、ジェイコブ・ウェブ
- その他:ジョーイ・クレビエル、オースティン・ヴォス
元BALのクローザー
30歳のロペスは、2020-22年シーズンにオリオールズに在籍。オリオールズに変化の兆しがあった2022シーズンはクローザー・ロールを務めていました。この時から後ろは非常に盤石。
しかし、昨シーズンはTDLで売りの状態に。ホルヘ・ロペスがツインズに移籍しました。このトレードでオリオールズがゲットしたのはイェニエル・カノーです。
今回のホルヘ・ロペスの獲得は今季の9月だけの話ではありません。ホルヘ・ロペスの2023年1月時点のMLSは4.102。今季が終了してもまだ調停ステータスなのです。
仮にフェリックス・バティスタがトミー・ジョン手術となった場合、2024シーズンを全休することに。これは最悪のシナリオですが、よくても2024シーズンの序盤は怪しいです。そこも見据えて、オリオールズはホルヘ・ロペスを形としては呼び戻したということになりました。
ホルヘ・ロペスは、2022年のトレードデッドライン前のオリオールズでの成績は、44試合に登板し、35試合を締め、4勝6敗、19セーブ、ERA 1.68と抜群の数字を残していました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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