MLB-NHL-MLB
現地2023年9月21日のこととなりますが、デトロイト・タイガースは新GMにジェフ・グリーンバーグ(Jeff Greenberg)氏を採用したと発表しました。
37歳という非常に若いGMになりますが、フロントオフィスとしてMLBだけでなくNHLも経験。この外部での経験を活かしてもらおうと期待されております。
スコット・ハリスと長年コンビ
このジェフ・グリーンバーグを語る上で欠かせないのがスコット・ハリス(Scott Harris)氏です。
スコット・ハリスとは
スコット・ハリスといえば、カブス時代に”神童”と呼ばれたほどの人材で、カブスでアシスタントGMを務めていました。そのスコット・ハリス氏を引き抜いたのがサンフランシスコ・ジャイアンツで、現地2019年11月10日に新GMとして採用しました。
スコット・ハリスは前のSFGのGM
ジャイアンツにはファーハン・ザイディ氏というこれまた非常に優秀なBaseball Operationsのトップがいますが、この人は元はドジャースのGMとして敏腕をふるった人物で、ジャイアンツはザイディ=ハリス体制でクラブを強化していきました。
その1つの大きな成果として2021シーズンの戦績が上げられます。ブルース・ボーチーからゲイブ・キャプラー体制となった2年目、バスター・ボージーのファイル・イヤーとなったこの年に、ジャイアンツは107勝55をマーク。2013年からディビジョン・タイトルをものにしてきたドジャースに唯一、土をつけたのがこの年のジャイアンツでした。
なお、2021年はドジャースも106勝を上げ、双方ともにレギュラー・シーズンの地区優勝争いに死力を尽くした感があり、ポストシーズンではジャイアンツはドジャースとのNLDSに敗れ、ドジャースはブレーブスとのNLCSに敗れました。
タイガースがGMを解雇
そして、2021に77勝85敗で長年のリビルドからようやく復活への手応えを掴みかけたタイガースは、オフに戦力を補強。ハビアー・バイエス、E・ロッドなどを獲得。地区優勝を狙ってスタートした2022シーズンでしたが、FA選手はともかく、肝心要のトップ・プロスペクト達が不発。
スペンサー・トーケルソンは開幕ロースターに入ったものの、7月にマイナー落ちするほど苦戦。ライリー・グリーンは怪我で出遅れ、平均以下の数字。マット マニングはトミー ・ ジョン手術で、ケイシー・マイズも怪我で機能せず・・・。
まだ後半戦が始まって間もない現地2022年8月10日、タイガースはBOのエグゼクティブ・バイス・プレジデントでGM兼任のアル・アビーラを解雇するに至りました。
タイガースのPOBOにスコット・ハリス
そこで、タイガースがジャイアンツから引き抜いたのがスコット・ハリスです。スコット・ハリスは2022年9月19日にタイガースのPOBO(President of Baseball Operations)として採用されました。
このポジションのオファーがあれば、やはり受けてしまいますよね。
ジェフ・グリーンバーグは、もともとスコット・ハリスがカブスのアシスタントGMを務めていた時からの知り合いで、ともに11年間働いてきました。
カブス時代にはプロスカウト部長(director of pro scouting)、BOの部長(director of baseball operations)そしてアシスタントGMを務めました。
NHLシカゴ・ブラックホークスへ
2022年、グリーンバーグは野球界から完全に離れ、NHLのシカゴ・ブラックホークスのアソシエイト・ゼネラル・マネージャー(GM)として採用されることに。
ブラックホークスでは16ヶ月という期間でしたが、ホッケー・オペレーションにおける戦略的システムとプロセスを監督すると同時にスカウティングと選手育成にも携わっていたとされています。ホッケー・オペレーションとはベースボール・オペレーションのホッケー版で、グリーンバーグ要はブラックホークスの編成と育成に携わっていたと。
再びMLBへ
そして今回、再びスコット・ハリスと仕事をするためにMLBに戻ってきたという流れです。
なお、タイガースは、アシスタントGMとして、ロブ・メッツラー(Rob Metzler)、ジェイ・サルトリ(Jay Sartori)とサム・メンジン(Sam Menzin )の3人を配置。ジェフ・グリーンバーグを支援します。
このうちのロブ・メッツラーは、スコット・ハリスがPOBOに就任後の2022年10月にレイズから引き抜かれた人物。レイズはBOが優秀過ぎて、その要職がすぐに引き抜かれてしまいます。ハイム・ブルームもそうですね(レッドソックスの元編成トップ)。
タイガース、NHL経由の面白い背景をもったGMで今オフ、どういう編成にするのか、非常に楽しみですね。
2022年に不発だったトップ・プロスペクト達が今季はかなり機能し始めたので、2023年は楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント