NLDS Gm2 : PHI 4 @ 5 ATL (1勝1敗タイ)
現地2023年10月9日のフィリーズ@ブレーブスのゲームはすごい試合となりました。
序盤は完全にフィリーズ・ペース。フィリーズがこのまま簡単にNLDSを落とすのか?とさえ思われました。実際、2022シーズンのNLDSではブレーブスは力を発揮することなく終わり、このまま前年同様の結果となり、ポストシーズンに弱いという烙印を押されるところでした。
しかし、ゲーム後半はブレーブスが力を発揮。見事に逆転して1勝1敗に。
スタート
フィリーズはボームとハーパーをスイッチ。当たっているストットを5番から7番に下げてきました。LFにはクリスチャン・パチェ。
一方のブレーブスは2番から4番をライリー→オルソン→アルビーズの順から下記の順に。そして、捕手にはトラビス・ダーノーを起用。この方が良いと思ったファンも多いはず。LFにはエディー・ロザリオが入ってきました。ハリスが9番にいるというすごい打線です。
PHI | ATL |
---|---|
DH: シュワーバー | RF:アクーニャ |
SS: ターナー | 2B: アルビーズ |
3B: ボーム | 3B: ライリー |
1B: ハーパー | 1B:オルソン |
C: リアルミュート | DH: オズーナ |
RF: カステヤーノス | C: ダーノー |
2B:ストット | LF: ロザリオ |
LF: パチェ | SS: アルシア |
CF: ヨハン・ロハス | CF: ハリス2世 |
P:ウィーラー | P: フリード |
ザック・ウィーラーが6回アウトまでNO−NO
序盤にフィリーズを圧倒的優位な立場にさせたのはやはりザック・ウィーラーの好投。すごかったですね。
2回裏にトレイ・ターナーのエラーでランナーは許すものの、1、2回の6個のアウトはすべて三振。4シームのアベレージがなんと96.3mph。昨年のポストシーズンも素晴らしかったのですが、そのデジャビュのような投球を披露しました。
ウィーラーは6回2アウトまでノーヒット・ノーランをマーク。圧倒しました。
これまでポストシーズンで8試合に先発しているウィーラーですが、その8先発のWHIPが0.719。これはポストシーズンで8先発した中でMLBの歴代の投手の中で最高のWHIPとなっています。
MLB tonightでも分析していましたが、ベロシティーがあるため高低を使えていますね。
フリード、またしても結果が出ず
ゲーム前半にフィリーズを優位にさせたのはマックス・フリードの投球の要素もありました。
NLDSで過去何度も苦い体験をしているフリードでしたが、今季も好投とは行きませんでした。
- 1回表: ターナーのダブルとボームのタイムリーで1失点
- さらに2本のシングルなども続き、2アウト満塁でストットを迎えたというところでしたがここは抑えました。
- 3回表:リアルミュートに2ランHRで3失点目
フリードは4イニングを投げきりましたが、内容も悪く、被安打6、失点3、BB 4、SO 3、HR 1。ただ、地味でしたが、フリードが何度もピンチを迎え、3失点で凌いだというのが後々活きてきます。
5回を終えて、PHIが4-0
フィリーズは2番手のカービー・イェーツからも得点を奪い、5回を終えた時点で4-0とリード。7安打、BB 4、SO 3と数字的には文句なしだったのですが、それでもフルに稼働していたわけではありません。
ダーノー、ライリーのHR でATLが逆転
ウィーラーに4点をプレゼントしていたものの、後半からブレーブスが稼働し始めました。
6回裏、2アウトからアクーニャが四球で出塁。続くアルビーズは初球の高めの94.9mphの4シームをRFへ弾き返し、1-3塁に。ところが、リレーに入ったトレイ・ターナーがファンブルし、その間にアクーニャが生還して、ブレーブスは1-4に。
アクーニャが塁に出たことで盗塁を警戒して4シームから入ったのですが、それを狙われました。しかも球威が落ちてきたので、空振りを奪えていた高めの4シームが効きませんでした。
7回裏、先頭のマット・オルソンがCFへのシングルで出塁。オズーナはスウィーパーで三振し、1アウトを奪った後、バッターはこの日起用されたトラビス・ダーノー。初球、86.1mphのスウィーパーがハングカーブとなったところをダーノーがLFスタンドに運んで2ランHR。ブレーブスが3-4と1点差に詰め寄ります。ウィーラーはここで降板。6.1イニングで被安打3、失点3、BB 1、SO 10、HR 1。力投していたのに効率よく点を奪われてしまいました。
この後はホセ・アルバラードが力でねじ伏せ、フィリーズは1点のリードを保ちました。
8回裏、フィリーズは1アウトからジェフ・ホフマンが登板。代わりばな、アクーニャに死球を与え、出塁を許します。アルビーズは1Bゴロに抑え、2アウトを奪ったものの、アクーニャはライリーの打席で3塁へ盗塁。犠牲フライはない状況でしたが、低めのボールを投じることへのプレッシャーは発生しました。
ホフマンは丁寧にライリーを攻め、くさいところにボールを集めていたのですが、フルカウント後の6球目、ハンギング・スライダーとなり、これをライリーにLFスタンドにもっていかれ、2ランHRにブレーブスが5-4と終盤に逆転しました。
その後、グレゴリー・ソトが登板してこのイニングはこれ以上の失点は許さず。
ハリスがゲームエンディングDP
追い込まれたフィリーズ。しかし、先頭のハーパーがミンターから四球を選んで出塁。ここでブレーブスはライセル・イグレシアスを投入。リアルミュートは甘いスライダーに対応するも、CFフライで1アウト。ハーパーを進めることが出来ませんでした。
つづくバッターはニック・カステヤーノス。2-2カウント後の5球目。96.8mphのアウトコースへのシンカーにカステヤーノスは反応。これが右中間にぐんぐん伸びるHR性の打球に。さすがにカステヤーノスという当たりでした。
これでフィリーズが同点!いや逆転2ランHRかと思われたその時、ウォール際でマイケル・ハリス2世がこの難しい打球をキャッチ。すかさず、内野に返すも、送球は乱れました。大きく離塁していたハーパーはまだ1塁に帰塁するチャンスがあったのですが、この送球の乱れをカバーしたのが3Bのオースティン・ライリー。
ライリーはハーパーの帰塁がまだなのを見てカバーに入っていたのでした。そして1塁へ送球。これが間に合って、ゲームエンディング・ダブルプレーとなり、ブレーブスが劇的な形で5-4で勝利をもぎ取りました。
【YOUTUBE】WHAT AN ENDING! The Atlanta Braves pull off a SPECTACULAR double play to complete a wild comeback!
劣勢をひっくり返し、最後は守備で守りきったというブレーブスにとっては、プレーオフならでは素晴らしいゲームでした。
フィリーズ、ことごとくチャンスを潰す
打たれるのは仕方ありません。ジェフ・ホフマンは攻められないところ。粘り強い投球でした。
前半に圧倒したフィリーズですが、敗因を上げるとすればチャンスを潰してきたところだったと思います。
- 1回表:2アウト満塁のチャンスにストットは強い当たりを放つも1Bゴロで残塁。
- 2回表:四球とワイルドピッチで2アウト2塁の状況でターナーはSSゴロ
- 4回表:1アウトからシュワーバーが四球。ターナーがSSゴロ、シュワーバーが2塁でアウト。ボームが四球を選んで、2アウト1,2塁でハーパーでしたが、2Bゴロ
- 6回表:シュワーバーがシングルで出塁。ターナーが三振に倒れた後、ボームが四球。1アウト1、2塁でハーパーでしたが、3Bフライ。つづくリアルミュートも1Bファウルフライ。
特に6回のチャンスは痛かったと思います。計9安打を放ったのですが、得点効率が悪かったです。それを考えるとブレーブスは少ないチャンスを確実にものにした感があります。
これで1勝1敗。さすがにこのカードは面白いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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