MLB初の女性GMが退任
今季、84勝78敗でNLワイルドカード2位に入り、ポストシーズンに進出したマイアミ・マーリンズ。短縮シーズンとなった2020年に上昇ムードに乗り、NLDSまで勝ち進んだことがありましたが、それ以来のポストシーズン進出となりました。
今季は前年の69勝93敗からの黒字転換。サンディー・アルカンタラが不調の中、トレード・デッドラインで積極的に動き、ポストシーズンを勝ち取ったのはGMのキム・アング(Kim Ng)さんの功績と言っていいでしょう。
なお、お名前の”Kim”はキンバリー(Kimberly or Kimberley)あるいはキンボール(Kimball) の省略形で、女優のキム・ベイシンガーのキムと同じ使い方です。
下記の埋め込みはサンディー・アルカンタラ、ホルヘ・ソレアーがILに入った時のプレス・カンファレンスの模様です。
契約内容
キム・アングさんがマーリンズのGMとなったのは短縮シーズン終了後の2020年11月13日のこと。
この時にサインした契約内容は以下でした。
- 3年 (2021-23)+ 2024 ミューチュアル・オプション
今季がファイナル・イヤーで来季がミューチュアル・オプションで双方合意のもと更新という形だったのですが、キム・アングさんの方から辞退しました。
情報によれば、マーリンズはアングさんの上にPOBO(President of Baseball Operation)を雇い入れる考えで、アングさんをNO.2に押上げようと意図したようですが、アングさんがこれを拒否したとのこと。言い方ですが、押上げると言っても組織的なランクのことで編成の決定権は現在の方がある訳ですから、自分のしごとを押し進める上では後退するようなものだったと思います。いずれにせよ、筆頭オーナーのブルース・シャーマンとは考えの相違があったことは事実のようです。
マイアミは暫定GMで対処
マイアミは、アシスタントGMのブライアン・チャッティン(Brian Chattin)を暫定GMとし、アングさん退任後の空席を当分の間、埋めるつもりです。
アングGMの功績
MLB史上初の女性GMで、アジア人としては2人目のGMとなったキム・アングさんですが、今シーズン、3シーズンで220勝266敗(.452)でした。
代表的なディールはやはり、2023年のベスト・トレードとも言っていいパブロ・ロペスとルイス・アラエズとのトレードでしょう。
ルイス・アラエズはシーズンの中盤まで打率4割をマーク。パブロ・ロペスはミネソタのNo.1ローテーション投手として開花。
2023年のトレード・デッドラインにおいてもジョシュ・ベル、ジェイク・バーガー、ライアン・ウェザーズ、デービッド・ロバートソンを獲得。ロバートソンは後ろを任せることが出来ませんでしたが、打撃のテコ入れは良かったと思います。
キム・アングさんはGMとしてマーリンズとサインする前は、シカゴ・ホワイトソックスでアシスタント・ダイレクターの地位まで昇格。ニューヨーク・ヤンキースでは29才で史上最年少でのアシスタントGMに就任。ロサンゼルス・ドジャースではクラブの副社長とアシスタントGMなどを経験。
とにかく経験豊富できらびやかな職歴でもありました。
マーリンズのGMになった背景に当時オーナーであったデレク・ジーターの大きなプッシュもありました。ヤンキースで一緒に働いていましたからね。
2022年2月にジーターがマーリンズの他の幹部と考えの相違により退任。
この後の2年間はかなりしんどかったと思います。
MIAはBOSとともにPOBOサーチ
現在、マーリンズとボストン・レッドソックスが、BOのトップが不在。
不在だったニューヨーク・メッツはデービッド・スターンズ新POBOが決定。その下で働くGMを探しています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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