HR2本を打たれるも、手応えありの3試合目
現地2023年4月15日、この日はアスレチックスの藤浪晋太郎投手の登板日。
過去2戦は立ち上がりこそうまく乗り切り、序盤2イニングほどは良い投球を見せるものの、中盤に制球が乱れ、チームからの信頼が揺らぎそうな投球が続きました。
しかし、今回は非常に良い投球となりました!ただし、先に書いておきますが、アスレチックスは敗れ、藤浪投手に負けがついております。
藤浪投手は0勝3敗。しかし、この日の投球はこれからの登板に非常に期待をもたせる内容であり、1戦1戦、進歩している藤浪投手を増々応援したくなるような投球でもありました。
野手監督からの信頼を得たか?
アスレチックスはこのアンフェアな資金環境での競争の中、独自の指標で効率的な野球を展開し、2012年以降、6度もポストシーズンに進出しているクラブ。
今季はエンゼルスとの開幕戦でそのスピード力を見せつけたゲームを行いましたが、いかんせん投手に資金を投入しないため、このゲーム前まで失点が118とMLBの30クラブの中で現時点で唯一3桁を記録している状況です。
前日14日のゲームではメッツ打線に17失点。なお、大量リードしていたメッツですが、千賀投手を勝投手の権利があと1人というところで交代させました。
その17失点の大きな要因がBB(四球)の数。なんと6人の投手で計17個も出したのでした。ベテランのジェウリス・ファミリアも登板しましたが、火に油で1.1イニングで4個の四球を出しています。
そのアスレチックスの投手陣の中で、藤浪投手は過去2戦で7 BB、1HBPを記録。自責点13の元凶がBBの数でもあります。
アスレチックスのマーク・カートセイ監督は野手の出身。野手出身の監督は、概ねボール・ゲームの視点を重視します。つまり、いかに出塁して進塁し得点を奪うかを考え、守りに関してはフリー・パスを非常に嫌がります。BBを極端に嫌がりつつも、どうやったらそのBBを減らすことが出来るか?がわからないのも野手監督でもあります。もっとも投手コーチでもわからないことでしょうから、野手の人がわかるわけもありません。永遠の課題でもあります。
過去2戦、上記のようなBB数だった藤浪投手に関しても、この点をマスコミを通じて厳しく指摘しました。
カートセイ監督は藤浪投手への信頼を失いつつあったと思います。ただ、前日が前日だっただけに、藤浪投手を頼りにせざるを得ない状況です。
この点、今回の登板は藤浪投手だけでなく、チームにとっても大事な登板でもありました。この日の登板は、HRを打たれリードが無くなりましたが、監督にとっても希望が持てる投球だったと思います。
藤浪投手、7イニング目のマウンドにも上がる!
さて、ゲームの方ですが、今回も立ち上がりは安定していました。
1番のブランドン・ニモの4球目にはこの日MAXとなった98.1mphの4シームを投じ、相変わらずのボールの強さを見る限り、93-4mphの投手とは明らかにモノが違うと思わせる風格さえも漂わせていました。
ニモからは三振を奪いましたが、最後のボールは4シームと記録されていましたが、ツーシーム的な動きをしていたのではないか?と思います。次打者への伝達でそれを感じました。
なお、2回表にダニエル・ボーゲルバックを3Bゴロに仕留めたベロシティーも98.1mphでした。
アスレチックスが2点を先制
そんな藤浪投手に打線も援護。カルロス・カラスコに対して、ラモン・ロレアーノとアレドミス・ディアスの連続安打でチャンスを作ると、コナー・キャペルの内野ゴロの間に1点を先制。さらに、今季売出し中のエステウリ・ルイーズにタイムリーが出て2点目。2-0とリードします。
4回にアロンゾに被弾
藤浪投手は3回表は、先頭のルイス・ギルモアを90.8mphのスプリッターで三振。ニモにはシングルを許しましたが、スターリン・マルテを抑え、無失点。得点をもらった直後をうまく切り抜けたと思います。
しかし、4回表、1アウトからピート・アロンゾに投じた85.5mphのスライダーが真ん中高めのやや甘いコースに入ったところをLFスタンドに放り込まれ、1失点。ただ、この後はきっちりと抑えました。
5回表、前の攻撃でチャンスを逃したので、かなり危ないイニングだったのですが、ルイス・ギルモアに四球を出したのみで踏ん張りました。四球はこの日初めてです。
6回表、イニング先頭のスターリン・マルテに89.5mphのスプリッターが抜けてしまい、死球を出してしまいます。盗塁も許し、スコアリング・ポジションにランナーを進められましたが、リンドーア、アロンゾ、マクニールを抑え無失点。ついに終盤を乗り切りました!!
7回表、先頭のマーク・カナへの4球目の93.6mphの4シームがインハイに行ったところをLFスタンドに放り込まれ、この日2本目の被弾。2-2の同点に追いつかれてしまいます。
その直後にダニエル・ボーゲルバックにはスプリッターが決まらずに四球。藤浪投手はここで降板となりました。
この後、ボーゲルバックには代走の ティム・ロカストロが出て、2番手のトレバー・メイがブランドン・ニモにタイムリー・ダブルを打たれ、アスレチックスは逆転を許します。
藤浪投手の出したランナーだったため、ERは藤浪投手につきました。
結局、これが決勝点となり、3-2でメッツが勝利しました。
藤浪投手は6.0イニングで、92球を投げ、被安打4、失点3、BB2、HBP 1、SO 5、HR 2という成績。僅差のゲームを落としたことになりましたが、非常に中身のある投球だったと思います。
【YOUTUBE】Mets vs. A’s Game Highlights (4/15/23) | MLB Highlights
強いボールと90mph以上のスプリッターは魅力
今回もメジャー初勝利はお預けとなってしまいましたが、90mph後半の強いファストボールと90mphを超えるスプリッターはなんと言っても魅力であります。こんなことを出来る投手はMLBでもそうはいません。
この輝く長所がなんとか勝利に結びつけばと思います。
アスレチックスはまだ3勝なので、カートセイ監督の苦悩は続きそうですが、少しは光も見えたかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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