藤浪投手、イニングごとに豹変しては・・・
今季のアスレチックスの投壊の1要素となってしまっている藤浪晋太郎投手ですが、先発としてはメジャー3戦目となった現地2023年4月15日のメッツ戦で、6イニングを投げて、被安打4、失点3、BB 2、HBP 1、SO 5、HR 2で非常に良い投球を見せました。
ところが、4戦目のレンジャーズ戦では、3回途中、2.1イニングを投げて、被安打7、失点8、自責点 8、BB3、HBP 1、HR 1と乱調。品質の維持というのが出来ませんでした。
そして、カットセイ監督はクラブ・フロントなども含めて配置転換を検討。この試合の後はブルペンでの起用となりました。
ブルペン2試合目で先発時と同じ状況に
先発でも立ち上がり2イニングほどは割と品質の高い投球を見せていたこともあり、ショートイニングならということでブルペンに配置転換となりました。
ブルペン1試合目(LAA戦)
そして現地2023年4月26日のエンゼルス戦に登板。3-8とリードされている状況で6イニング目からマウンドに上がりました。テストされる状況としては点差もあり、絶好の機会でもあったのですが、1失点。
これも、先頭打者のテイラー・ウォードを打ち取ったまでは良かったものの、マイク・トラウトに四球、そして大谷選手に左中間へのラインドライブのヒットを打たれ、エラーも重なった1失点でした。確かに、アンラッキーな面はあったものの、四球で出したランナーが生還したという点はやはり品質的に疑問符がつく状態に。
7回裏は、ブランドン・ドゥルーリー、ジオ・ウルシェラを連続三振。マット・タイスには二塁打を打たれたものの、ザック・ネトーからは三振を奪い無失点で切り抜けました。このイニングはベンチからもまだ良い判定をされたかもしれません。
ブルペン2試合目(CIN戦)
そして現地2023年4月28日、アスレチックスは地元オークランドでレッズとの対戦に。
レッズの状況
レッズは勝率5割を切ってはいるものの、このゲーム前までにすでに二桁勝利を上げて、10勝15敗。打線に繋がりがあり、集中力がある攻撃を見せはするものの、いかんせん投手力が悪く、チームERAがMLB25位の5.09で、なかなかゲームメイク出来ず、あるいはリードを吹き飛ばす逆転負けなどがある状況です。その意味では、アスレチックスとよく似た状況ではありますが、レッズから言わせれば「投打ともに品質は全く上!」ということになるでしょう。
ちなみにアスレチックスのチームERAは8.05でMLB最下位。
なお、ボストン・レッドソックスもチームERAは悪く、レッズの1つ下の5.13です。道理でしんどい試合をしている訳です(余談でした)。
またリードされている状況での登板
前回のエンゼルス戦でも合格点はもらえていないであろう藤浪投手はこの日もやはりリードされている状況での登板に。
アスレチックスは先発のドリュー・ルチンスキーが今季初登板。34才のベテラン右腕に品質を期待したいところで、実際、5.2イニングを投げてBB1とそれなりの品質は見せたものの、いかんせん被安打11とかなり打たれました。失点は3で、HRは1。
その後は2番手左腕のサム・ロングが1.2イニングを投げて、BB1だったものの、被安打3、失点4とリードを拡げられてしまいました。スコアは5-8。
藤浪投手は8回表、サム・ロングがイニング先頭のジョナサン・インディアに四球を出し、TJ・フリードルに送りバントを決められ、1アウト2塁の状況でマウンドに上がりました。
今回はイニング途中でランナーを背負った場面での投球です。この代わりばな、スペンサー・スティアーには、96mphの4シームとスプリッターで3球で空振り三振を奪い、2アウト。上々のゲームインとなりました。
ジョナサン・インディアには3盗を決められ、2アウト、ランナー3塁となり、タイラー・スティーブンソンには、丁寧に低めのスライダーを投じていたのですが、スティーブンソンが放った当たりは、三投間のボテボテの内野ゴロ。打ち取ってはいたのですが、これを藤浪投手が処理して1塁へ投じるも、送球が乱れて1失点。この失点はサム・ロングにつきました。ただ、この打球は間に合わなかったと思います。そこを判断して1塁へのフェイクスローで三塁走者の離塁を促すなどの方法はあったとは思いますが、そこまでは行きませんでした。
つづくジェイク・フラーリーに対しては、インコースに抜け気味となりましたが、最後は甘いボールではありましたが、97.2mphの4シームで球威で抑え込み、SSゴロに仕留めてチェンジ。まずまずの1イニング目ではあったと思います。
2イニング目に3者連続四球
スコア5-9で迎えた9回のマウンドも藤浪投手に。
藤浪投手は先頭の左打者のヘンリー・ラモスには、ストライクとボールがはっきりとわかる四球。
つづく右打者のニック・センゼルにも、はっきりとボールとわかるストレートの四球。最後は、顔付近に行きましたので危なかったです。
さらに素敵な名前の右打者のスチュアート・フェアチャイルドの初球は危うくデッドボールというボール球で、4球目にど真ん中の4シームが決まるも、やはりはっきりとボールとわかる四球で、3者連続四球。またしても豹変してしまいました。
ホセ・バレーロには2球で追い込み、最後は91.7mph のスプリッターでSSライナーで1アウト。なんとか踏んばりを見せたのですが、つづくジョナサン・インディアの打席でワイルド・ピッチで1失点。さらに、ジョナサン・インディアには、真ん中低めの96.5mphの4シームをLF前に運ばれ、さらに1失点。
ここで投手交代となりました。
藤浪投手は、8回1アウトから9回1アウトまで、1.0イニングで36球を投げ、ストライクは18球。被安打2、失点2、自責点3、BB 3、HBP 0、SO 1。
このゲームの前までは12.71だったERAは13.0に悪化しました。
プロスペクト次第
藤浪投手は今回の投球でかなり厳しい立場になったかもしれません。シチュエーションで切り分けて行けば、もはや1イニングでなんとかなるか?という結果です。
投手事情の厳しいアスレチックス(オフに主力を出しまくりましたから、試合になる訳がありません)ゆえ、そのようなマッチした場面だけの登板はあり得ず、ベンチも使い所の判断が難しくなりました。
アスレチックスは30人のトップ・プロスペクトの中で投手は14名。これはデビュー済みの豪腕、メイソン・ミラーと60 Day IL中のフレディー・ターノックも入れてです。
2023年ETA(デビューのこと)となっている投手も複数おり、マイナーで調整中です。彼らがマイナーでの品質がよくなればコールアップされる可能性があり、そうなると藤浪投手は厳しい立場に。メジャー・ロスターをキープするかどうかはアスレチックスの考え方次第というところです。
若いうちの走り込み不足など色々な指摘はありますが、だれもがそううまく行くわけでもなく、苦しんでいるがゆえになんとかこの壁を乗り越えるように応援はしたいところです。
4シームのスピン・レートが1864 !
なお、非常に強いボールを投げる藤浪投手ですが、4シームのスピンレートがなんと1864rpmしかありません。
トップランクのブルワーズのコービン・バーンズは、4シームを投げていませんが、ファストボールで言えばシンカーで2554rpm、ファストボールではないかもしれませんが、カットボールで2685rpmです。
ちなみに2020年のMLB アベレージ・4シーム・スピンレートは 2,309 rpm。
これはかなり衝撃的でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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