とんでもない展開!
センセーショナルなエリー・デラクルーズが止まりません。そしてレッズも止まりません!
現地2023年6月23日、地元グレート・アメリカン・ボールパークにブレーブスを迎えての3ゲームシリーズが始まりました。このゲーム前までレッズは11連勝を継続中。現地2023年6月10日のカージナルスとのGame2に勝利して以降、ロイヤルズ、アストロズそしてロッキーズを次々とスイープ。
そしてナリーグ勝率NO.1のブレーブスとの3ゲームシリーズが始まり、どうなるのか非常に興味深かったのですが、とんでもない試合展開となりました。
チケットは完売!
その強いレッズを見ようとスタンドはファンで溢れかえりました。フライデー・ナイト・ゲームにも関わらず観衆は43,086人。チケットは完売という状態です。
エリー・デラクルーズがサイクル安打を達成
まずはエリー・デラクルーズの偉業の達成から。
5失点のリカバリーに大きく貢献
このゲームはレッズ先発のルーク・ウィーバーが初回にブレーブス打線に捕まり、アクーニャ、アルビーズ、ライリーの3連続シングルでまずは1失点。2アウト後にトラビス・ダーノーに3ランHRを右中間に叩き込まれて3失点。さらに、オーランド・アルシアにもタイムリー・ダブルを打たれて計5失点という、連勝もここまでかという立ち上がりから始まりました。
ブレーブスの先発は、6月4日にデビューしたばかりの20才のルーキー、AJ・スミス=ショーバー(AJ Smith-Shawver)。ドジャースのウォーカー・ビューラーを思わせる筋の良いボールを見せる投手です。
二塁打
4番3Bで出場したエリー・デラクルーズは、2回表にあわやHRかという右中間への鋭いラインドライブの当たりを放ち、まずは二塁打で出塁。これが次打者のジェイク・フレイリーの2ランHRを呼び込みます。
HR
そして第2打席が回ってきたのは3回裏。2アウト3塁で回ってきたチャンスに、初球の抜いた77.3mphのカーブに対応。アウトコース低めだったのですが、これを右中間スタンドまで持って行ってHRに。レッズは4-5と1点差に迫ります。この打席はカーブを張っていたように思います。そうでないと泳いでいるような抜かれ方でしたから。
レッズは4回裏にジョーイ・ボットのソロHRでついに5-5に追いつきます。
シングル
5回表にマット・オルソンの2ランHRで2点を勝ち越されたレッズですが、5回裏、コリン・マクヒューの2連続死球でチャンスを作り、エリー・デラクルーズの第3打席が回ってきます。
ノーアウト1、2塁のチャンスでエリー・デラクルーズは4球目のカットボールに対応。CF前にクリーン・ヒットを放ち、6-7と1点差に追い上げます。
さらに、この回レッズはジョーイ・ボットに2打席連続HRが飛び出し、これが3ランHRとなり、一気に9-7と勝ち越しに成功。
3塁打
エリー・デラクルーズはサイクル安打まであと3塁打を残すのみとなりましたが、彼の快足を考えれば達成は十分に可能という状況。
6回裏、ジョナサン・インディアのタイムリーで追加点を上げ、10-7とリードを拡げたところでエリー・デラクルーズに第4打席が回ってきます。
1塁にインディアを置いたデラクルーズは、ベン・ヘラーの左右の揺さぶりにも対応。5球目、アウトローの難しいチェンジアップをうまく拾い上げ、これが右中間を割る当たりに。普通ならスタンドアップ・ダブルという打球コースでしたが、さすがのデラクルーズは快足を飛ばし、ものの見事に3塁打に仕立て上げてしまいました。速すぎます。
【YOUTUBE】Elly De La Cruz HITS FOR THE CYCLE!
これでレッズはインディアが生還して11点目。リードを拡げます。
デラクルーズは8回裏に第5打席が回ってきましたが、ここはジョー・ヒメネスにCFフライに打ち取られ、この日は5-4、サイクル安打達成、4 RBI、3Runという成績。打率は.361に上がりました。
史上5番目の若さでのサイクル安打達成
現地2023年6月23日時点で21才163日のデラクルーズは、史上5番目の若さでサイクル安打を達成。なお、同一試合でサイクル安打と盗塁を達成したのは1901年以来最年少。また、レッズの選手としては初めて、キャリア最初の15試合で10HRと7SBをマークしています。全く、強烈な印象を与え続けています。
レッズは8回表、ルーカス・シムズがロナルド・アクーニャ・Jr、オースティン・ライリー、マット・オルソンと3発のソロHRを打たれて11−10と1点差まで詰め寄られますが、9回はアレクシス・ディアスが無失点で抑え、11-10という非常にワイルドなゲームで勝利を収めました。
今季MLBでは4度目
エリー・デラクルーズのサイクル安打ですが、今季MLBでは4度目の達成となっています。
歴代NO | 名前 | Name | Club | M-D-Y |
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343 | エリー・デラクルーズ | Elly De La Cruz | CIN | 06-23-2023 |
342 | JT・リアルミュート | J.T. Realmuto | PHI | 06-12-2023 |
341 | セドリック・マリンズ | Cedric Mullins | BAL | 05-12-2023 |
340 | ルイス・アラエズ | Luis Arraez | MIA | 04-11-2023 |
339 | ノーラン・アレナド | Nolan Arenado | STL | 07-01-2022 |
338 | オースティン・ヘイズ | Austin Hays | BAL | 06-22-2022 |
337 | ジャレッド・ウォルシュ | Jared Walsh | LAA | 06-11-2-22 |
336 | エドゥアルド・エスコバー | Eduardo Escober | NYM | 06-06-2022 |
335 | クリスチャン・イェリッチ | Christian Yelich | MIL | 05-11-2022 |
334 | エディー・ロザリオ | Eddie Rosario | ATL | 09-19-2021 |
333 | フレディー・フリーマン | Freddie Freeman | ATL | 08-18-2021 |
332 | ジェイク・クロネンワース | Jake Cronenworth | SDP | 07-16-2021 |
331 | トレイ・ターナー | Trea Turner | WSH | 06-30-2021 |
330 | キャバン・ビジオ | Cavan Biggio | TOR | 09-17-2019 |
329 | ジョナサン・ビヤー | Jonathan Villar | BAL | 08-05-2019 |
328 | トレイ・ターナー | Trea Turner | WSH | 07-23-2019 |
327 | ジェイク・バウアーズ | Jake Bauers | CLE | 06-14-2019 |
326 | 大谷翔平 | Shohei Ohtani | LAA | 06-13-2019 |
325 | ホルヘ・ポランコ | Jorge Polanco | MIN | 04-05-2019 |
324 | ブロック・ホルト | Brock Holt | BOS | 10-08-2018 |
323 | チャーリー・ブロックモン | Charlie Blackmon | COL | 09-30-2018 |
322 | クリスチャン・イェリッチ | Christian Yelich | MIL | 09-17-2018 |
321 | クリスチャン・イェリッチ | Christian Yelich | MIL | 08-29-2018 |
320 | ムーキー・ベッツ | Mookie Betts | BOS | 08-09-2018 |
319 | ホセ・アブレイユ | Jose Abreu | CWS | 09-09-2017 |
318 | エバン・ロンゴリア | Evan Longoria | TBR | 08-01-2017 |
317 | コディー・ベリンジャー | Cody Bellinger | LAD | 07-15-2017 |
316 | ノーラン・アレナド | Nolan Arenado | COL | 06-18-2017 |
315 | カルロス・ゴメス | Carlos Gomez | TEX | 04-29-2017 |
314 | トレイ・ターナー | Trea Turner | WSH | 04-25-2017 |
313 | ウィル・マイヤーズ | Wil Myers | SDP | 04-10-2017 |
312 | ジョン・ジェイソ | John Jaso | PIT | 09-28-2016 |
311 | ラージャイ・デービス | Rajai Davis | CLE | 07-02-2016 |
310 | フレディー・フリーマン | Freddie Freeman | ATL | 06-15-2016 |
309 | マット・ケンプ | Matt Kemp | SDP | 08-14-2015 |
308 | エイドリアン・ベルトレ | Adrian Beltre | TEX | 08-03-2015 |
307 | チェ・シンス | Shin-Soo Choo | TEX | 07-21-2015 |
306 | ブロック・ホルト | Brock Holt | BOS | 06-16-2015 |
305 | マイケル・カダイヤー | Michael Cuddyer | COL | 08-17-2014 |
304 | アレックス・リオス | Alex Rios | TEX | 09-23-2013 |
303 | ブランドン・バーンズ | Brandon Barnes | HOU | 07-19-2013 |
302 | マイク・トラウト | Mike Trout | LAA | 05-21-2013 |
301 | エイドリアン・ベルトレ | Adrian Beltre | TEX | 08-24-2012 |
300 | アーロン・ヒル | Aaron Hill | ARI | 06-29-2012 |
299 | アーロン・ヒル | Aaron Hill | ARI | 06-18-2012 |
298 | スコット・ヘアストン | Scott Hairston | NYM | 04-27-2012 |
297 | パブロ・サンドバル | Pablo Sandoval | SFG | 09-15-2011 |
296 | ジョージ・コターレス | George Kottaras | MIL | 09-03-2011 |
295 | カルロス・ゴンザレス | Carlos Gonzalez | COL | 07-31-2010 |
294 | ケリー・ジョンソン | Kelly Johnson | ARI | 07-23-2010 |
293 | ベンジー・モリーナ | Bengie Molina | TEX | 07-16-2010 |
292 | ジョディ・ゲラット | Jody Gerut | MIL | 05-08-2010 |
12連勝:1901年以降2番めの連勝記録
この12連勝はレッズにとって1957年以来の最長記録となっています。
レッズは非常に歴史のあるクラブで、1890年代からの連勝記録が残っています。フランチャイズ史上4位タイの連勝記録ではありますが、1901年以降では2番めの長さの連勝記録となり、戦後1945年以降では最長タイということになります。
- 14連勝: 1899年7月26日から8月12日
- 13連勝 :1890年6月5日から19日
- 13連勝 :1918年8月30日~1919年5月1日
- 12連勝: 2023年6月10日~21日
- 12連勝: 1957年4月30日~5月12日
- 12連勝: 1939年5月16日~27日
この連勝にアストロズとブレーブスが入っているというのが質の高さを物語っています。
Game2はデーゲームでレッズは13連勝を目指します。先発は右腕のグラハム・アシュクラフト(3勝5敗、ERA 6.78)。ブレーブスはルーキーのジャレッド・シャスター(4勝2敗、ERA 4.57)。
またレッズはこの日の勝利で41勝35敗とし、NL中地区をリードしており、11年前の2012年の地区優勝以来の首位となっております。
お読みいただき、ありがとうございました。
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