レッドソックスがブルージェイズに連勝
最初の1ヶ月を終え、ブルージェイズは現地2023年4月30日時点で18勝10敗で、ア・リーグ東地区3位。一方のレッドソックスは、チームERAが下から数えた方が早いくらいに投手陣の調子が上がらずに苦戦。それでも破壊力抜群の打線の力で15勝14敗で、ヤンキースと同率最下位ながら、貯金1をキープしました。
5月に入り、1日からいよいよ同地区ライバルの対決が始まりました。
Game1はベルドゥーゴがサヨナラHR!
まず、現地2023年5月1日に行われたGame1では、レッドソックスがコーリー・クルーバー、ブルージェイズがホセ・ベリオスが先発。両先発ともに中盤まで3失点以内に抑えてなんとかゲームメイクに成功。2-3とブルージェイズが1点をリードして迎えた6回裏、レッドソックスはジャレン・デュランのソロHRと、エマニュエル・バルデスの2ランHRで3点を奪い、5-3と逆転に成功。
ところが、8回表にSSのキケ・ヘルナンデスがスーパー・プレーを1つ見せながらも、ランナーがいる状況で2つのスローイング・エラーを犯してしまい、5-5の同点に。
まずい展開となったレッドソックスでしたが、9回裏、ブルージェイズのクローザーのジョーダン・ロマーノからアレックス・ベルドゥーゴがRFのブルペンに入るサヨナラHRを放ち、6-5と逆転し先勝しました。
キケ・ヘルナンデスのスローイング・エラーは豪快すぎて笑えてしまいました。その前の好守備も含めてスーパー・アスリートであることは間違いないです(笑)。
1日のGame1の詳細です。
Gm2で”菊池VS吉田”が実現
そして迎えた現地2023年5月2日のGame2では、ブルージェイズが菊池雄星投手が先発。レッドソックスはタナー・ハウクです。
菊池投手は4勝0敗(4月)
菊池雄星投手は、4月は5戦に登板して、4勝0敗。2戦目のエンゼルス戦で、大谷選手にHRを打たれるなど、6失点したゲームがありましたが、それ以外は1失点投球が3試合、スコアレス投球が1試合と非常に好調で、ブルージェイズが4月に大きく勝ち越したのも菊池雄星投手の貢献が非常に大でした。ERAは3.00。
そんな菊池投手が登板するとあって、このゲーム前まで4月20日から5月1日まで11試合連続安打をキープしている吉田正尚選手が迎え撃つという非常に興味深い対戦もありました。
吉田選手がHR!
さて、ゲームの方ですが、菊池、ハウク両投手ともに1回はともにランナーを背負う投球を見せるも無失点の立ち上がり。
先に失点したのは菊池投手でした。2回裏、2アウトからクリスチャン・アローヨが91.5mphのチェンジアップをライナーでグリーン・モンスターを超える当たりを放ち、先制のソロHR。コースは問題なかったと思いますので、これはアローヨがよく打ったのではないかと思います。アローヨは今季これが第1号。
このイニングにはこの日6番DHに入った吉田選手と1度目の対戦がありましたが、菊池投手が2Bゴロに抑えて1度目の対決は菊池投手が勝利。
菊池投手は3回裏にも失点。先頭のアレックス・ベルドゥーゴに2打席連続の二塁打を打たれた後、ロブ・レフスナイダーに三遊間を破られるLF前タイムリーを打たれ2失点目。95.7mphの4シームが甘いところに入りました。
4回裏には吉田選手との2度めの対決。ボール先行で3−1カウントの直後の5球目、95.3mphの4シームが真ん中ややインコース気味に入りました。これを吉田選手が綺麗に対応。RFブルペンに入るソロHRとなりました。吉田選手が驚くほど、簡単に放り込んだように見えました。厳しいボールの後の甘いボールだったので余計に対応しやすかったのかもしれません。
菊池投手は5回途中で降板。4.1イニングで被安打9、失点5、BB 0、SO 2、HR 2という成績でした。吉田選手との対決は2打席のみでした。
なお、吉田選手はこのゲームで連続安打試合数を12に伸ばしています。
ハウク、5回に集中打を浴びて6失点
ここまで3-0でレッドソックスがリードして迎えた5回表、タナー・ハウクが集中打を浴びてしまいます。
1アウトからダニー・ジャンセンとケビン・キアマイアーに連続安打を許して1、3塁のピンチを迎え、さらにキアマイアーの盗塁で2、3塁とされてしまいます。
その後、ハウクはジョージ・スプリンガーを三振に仕留めて2アウトとし、ここまでは良かったのですが、この後に炎上しました。
その要因はやはりボー・ビシェット。ハウクは強打者である彼の「圧」に負けてしまいましたね。四球を出して2アウト満塁に。
そこからはヴラディーミル・ゲレロ・Jr.に2点タイムリー、パスボールの1失点、さらにドールトン・バーショーの3ランHRで6失点。ブルージェイズに一気に形成を逆転されてしまいます。
主役はコナー・ウォン!
ただ、レッドソックスも6点を奪われた直後の5回裏にレフスナイダーと吉田戦選手がタイムリーを放って2得点を上げ5-6の1点差に。
同点、逆転HR!
そして6回裏、先頭のコナー・ウォンが2番手ザック・ポップのインコースのシンカーを綺麗にさばいて、LFへソロHRを放ち6−6の同点に。
さらにウォンは8回裏、エリック・スワンソンからこの日2本目となるソロHRをLFに放ち、7−6と逆転。
これが決勝点となり、レッドソックスが危うい展開をひっくり返し、7-6のスコアで勝利。このカード2連勝で前のカードからの連勝を4としました。
ブルペンも踏ん張る
レッドソックスは5回に6失点したタナー・ハウクが6イニングまで投げ、7回からはジョン・シュライバーが登板して無失点。8回表はリチャード・ブライアーが3者凡退に抑え、6-7-8の3イニングを無失点に抑えたことが大きかったと思います。
9回表はジョシュ・ウィンコウスキーが抑え、ケンリー・ジャンセン、クリス・マーティンを休ませることが出来ました。
コナー・ウォン、打撃も向上
さて、コナー・ウォンはこのゲームで、第1打席で菊池投手から2塁打を放ち、4回裏の第2打席では、CFへのシングル。6回裏の第3打席はLFへの同点ソロHRで、8回裏の第4打席では逆転となるロHR。このゲームは4打数4安打、2RBI、2RUNと大活躍。とくに2本のHRは上述のように価値有る2発となりました。
コナー・ウォンはその強烈なキャノンからここまでCS(Caught Stealen 盗塁阻止)がなんと6度!CS%は43%で、リーグ平均の21%を大きく上回っております。
この爆肩によりディフェンシブなイメージが強かったのですが、この日の活躍のように今季は打撃力も向上中。現地2023年5月2日時点で、捕手でありながら、打率.290、OBP .353、SLG .516、OPS .869と非常に良い数字を上げています。
ライバルのリース・マグワイヤーは好打者で、ここまで打率は.327。彼の存在がウォンの打撃に良い刺激を与えているようです。立場的にはシーズン開始直後はリースが守り、ウォンが奪う構図でしたが、強肩と打撃でいまやリースを脅かしつつあります。
コナー・ウォンはもともとはドジャースの選手で、レッドソックスがムーキーを出したトレードで獲得した選手です。
細いせいで体が小さく見えますが、身長は185cmもあります。良い選手になってくれて嬉しい限りです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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