レイズの攻撃を6回表の3失点で凌ぎ切る!
今季、泥沼の状態が続いていたオークランド・アスレチックス。2018年から2020年まで3年連続でポストシーズンに進出していた力を持ちながら、サラリーを抑えるべくFA選手、調停資格の選手をどんどん放出して行ったのですから、仕方ありません。
今季は7Mドルの選手が2人だけ
もともと少資本で回し、独自の叡智で勝利を勝ち取っていた訳ですが、2020年のコロナ・パンデミックでゲート収入が大きく落ち込んだことが編成にも打撃を与えました。
それまでは例えば、2019年などはホーマー・ベイリーにAAVで$17.5M、クリス・デービスに$16.5Mなど$10Mを超える単価のサラリーを払う選手がいて、そういった選手たちがコアとして働き(ホーマー・ベイリーはちょこっとだけですが)、他クラブと凌ぎを削っていたのです。しかし、パンデミック以降は柱として機能する選手までも放出。これで試合になるのか?という編成になってしまいました。今季の最高サラリーはアレドミス・ディアスの$7.25M、トレバー・メイの$7Mで$10Mを超える選手はおりません。
ラモン・ルレアーノ、トニー・ケンプ、ジェイス・ピーターソンなど名前の通った選手がいるものの、ゲームの中心はあくまで経験値の低いルーキーやMLS3年未満の選手ばかり。素材の良い選手も多いのですが、不公平な戦いで厳しい結果を強いられ続け、6月5日にはシーズン50敗目を喫しました。
ようやくスピード野球が出来る状態に
今季のアスレチックスはCFのエステウリ・ルイーズを中心とした走力のある野球を行う予定でした。ところが、4月に入って投手陣が崩壊。
コマンドなどのレベルではなく、ストライクを取ることも容易ならざる状態に。
アスレチックスの月別BB数
それがBB数ということで、数字にも顕著に出ており、ここまでのBB数の遷移はご覧の通り。MLBワーストです。
Month | G | IP | PA | BB | BB% | W/L |
---|---|---|---|---|---|---|
MAR | 1 | 9.0 | 35 | 4 | 11.4 | 1-0 |
APR | 28 | 245.0 | 1176 | 141 | 11.99 | 5-23 |
MAY | 29 | 255.0 | 1035 | 120 | 11.59 | 6-23 |
JUN | 10 | 87.0 | 387 | 48 | 12.4 | 6-4 |
TTL | 68 | 596.0 | 2727 | 313 | 11.5 | 18-50 |
6月は良くなってはいると思いきや、BB%はむしろ高めに上がっています。
直近7試合の数字が激変
しかし、直近7試合で見ると失点数は17でこれはMLB3位タイの少なさ。BB数 23はMLBワースト3位タイのままですが、BB数はこれまでワーストを独走していた状態だったので、大きな進展を見せていると言ってもいいでしょう。
被安打36はMLBトップ5に入る少なさで、被本塁打4もMLBトップ5に入る少なさです。
ようやく投手陣も機能し初め、失点を抑えることで攻撃力もアップ。直近7試合のチーム打率は.256でMLB 15位。RUNの28はMLB7位タイ。チームOBP .366はMLB5位タイです。
足を使った野球が出来るようになってきました。
(レイズ戦前)5連勝を達成
6月6日のパイレーツとの3ゲームシリーズのGame2では、ジェームス・カプリーリアンが6回、5BBながら被安打4、失点2で好投。7勝をマークしていたミッチ・ケラーとの投げ合いに勝利し、11-2で完勝。7日のGame3にも9-5で勝利し、2連勝でシリーズ勝ち越しに成功。
さらに、9日から始まったブルワーズとの3ゲームシリーズは、5-2、2-1、8-6のスコアでスイープ。
5連勝を達成していたのでした。
MLB NO.1パワーのレイズに勝利
そして迎えた現地2023年6月12日からのレイズとの4ゲームシリーズのGame1は良い戦いぶりを見せたのでした。
レイズはこのゲーム前までは48勝20敗でMLB NO.1の勝率。
投手陣ではシェーン・マクラナハンが10勝、ザック・エフリンが8勝をマーク。
打撃陣ではヤンディー・ディアス、ランディー・アロウザリナ、ホセ・シリなどHR10本以上の選手が6名。ハロルド・ラミレス、ヤンディー・ディアスは打率.300超え、アイザック・パレデス、ランディー・アロウザリナが RBI 40超えなどパワーが炸裂しております。
そんなレイズを相手にどのような展開になるのか、いささかアスレチックスに心細さはあったのですが、堂々とした戦いぶりでした。
2人の投手でレイズを抑える
驚きだったのは、先発のジェームス・カプリーリアンとケン・ウォルディチャックという4月、5月に厳しい結果に直面した2人だけのリレーで勝ったことです。
カプリーリアンは6.0イニングを投げ、被安打5、失点3、BB 3、SO 4、HR 1。ウォルディチャックは、3.0イニングを被安打2、スコアレス、BB 0、SO 5、HR 0。
5回に4得点
そして打撃陣はザック・エフリンに4回まで抑えられていたものの、5回に2連続四球をきっかけにチャンスを作り、満塁でシェー・ランゲリアスが走者一掃のタイムリーダブルを放ち3点を先制。
さらに2アウトからRBIマシーンとなっているライアン・ノダがタイムリーを放ち4得点目。ここぞという時に一気に大量点を奪ったのでした。
4点を奪った直後の5回表に、カプリーリアンがホセ・シリに3ランHRを打たれ1点差に詰め寄られますが、上述の通り、2番手のケン・ウォルディチャックが3イニングをスコアレスに抑えてゲームセット。
アスレチックスがレイズを相手に4-3で1点差で競り勝ったのでした。
カプリーリアンが遅いボールを有効に使う
目立っていたのはレイズ打線がカプリーリアンの70mph台のスライダーにかなり泳がされて打たされていたことです。4シームは90mph前半ですし、釣瓶打ちにされるのかも思ったのですが、遅いボールを度胸良くうまく使いましたね。
またアスレチックス守備陣は3回表のピンチにアイザック・パレデスをダブルプレーに仕留めるなど守備の良さも光りました。
アスレチックスはこれで6連勝。ようやくシーズン20勝目が見えてきたところですが、開幕から2ヶ月を経過してようやく歯車が回り始めてきたというところです。
まだまだ先発が崩れる要素もはらんではいるものの、先発がゲームメイクすれば良いゲームをしますので、明日以降も注目したいです。
【YOUTUBE】Rays vs. A’s Game Highlights (6/12/23) | MLB Highlights
お読みいただき、ありがとうございました。
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