ロイヤルズが連敗を10でストップ
こんな負け方があるでしょうか?
現地2023年6月17日、エンゼルスはロイヤルズ戦で、7回表を終えて8-2と最大で6点のリードを作って終盤に突入。
しかし、7回、8回でリリーバーが打ち込まれてリードをご破産にされ、さらなる大量点のピンチを迎えるも、ここはミッキー・モニアックの好守備で阻止。
最終回の攻撃では相手クローザーのアロルディス・チャップマンからチームリーダーのマイク・トラウトがタイムリーを放ち、勝ち越しに成功。いわばベスト・エフォートを見せていたにもかかわらず、終わってみればサヨナラ負け。
エンゼルスはなぜ負けた?
エンゼルスがなぜ負けたのか?と7回からのロイヤルズの攻撃を2度見たのですが、明快な理由がよくわかりませんでした。敗因をルーキー・リリーバーの2人に押し付けるのは簡単ですが、彼らも先頭打者をアウトに取るなど、それなりにポイントは抑えていたのです。にも関わらず、1アウト以降が散々でした。どうしてそうなったのか?の理由がよくつかめなかったです。
一方のロイヤルズはこのゲーム前まで(現地16日終了時点)、10連敗とどん底で、11連敗もすぐそこに見えていたのですが、終盤に執念を見せて見事に負けゲームをひっくり返しました。ロイヤルズ視点から見れば、痛快な勝利ということにはなります。
グリフィン・カニングがまた好投
先発はエンゼルスがグリフィン・カニング、ロイヤルズがマイク・メイヤーズの両右腕で始まったこのゲームは、立ち上がりはともにランナーを1人ずつ出すも無失点で切り抜けるスタートとなりました。
ドゥルーリーが先制HR
先制したのはエンゼルスで、2回表、先頭のブランドン・ドゥルーリーがインハイの甘いシンカーをLFへ運び、これがソロHRをとなって1点を先制。さらにテイラー・ウォードにも一発が飛び出し、エンゼルスが幸先よく2点をリードします。
メレンデスが同点2ランHR
4回裏、ロイヤルズは先頭のサルバドール・ペレスがハンギングとなったスライダーを見逃さずにシングルヒットで出塁。つづくMJ・メレンデス(MJ Melendez )がフルカウント後の甘いチェンジアップをCFに運び、これが2ランHRとなって2-2の同点に。
エンゼルスは直後の5回表に、マイケル・ステファニックとルイス・レンヒーフォも連続シングルでチャンスメイク。つづくアンドリュー・ベラスケスはセイフティー・バントを試みてセーフとなり、ノーアウト満塁のチャンスを作ります。
ここでモニアックは2Bゴロを放つも、その間にステパニックが還って1点を勝ち越し。さらに大谷選手の内野安打の間にももう1点を追加し、4-2とリードを拡げます。
エンゼルスは6回表にも、3点を追加。ブランドン・ドゥルーリーがこの日2本目となる2ランHRを放っています。
大谷選手が23号=MLB通算150号
さらに7回表には大谷選手がCFへ豪快なソロHRを放ち、8点目。大谷選手はこのHRで今季23号とし、MLB通算150号としました。記念すべき一発でしたね。
これで8−2とし、エンゼルスは6点のリードを作ったのでした。グリフィン・カニングは6回で降板。被安打3、失点2、BB 3、SO 5、HR 1と好投しました。
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ルーキー左腕が力を発揮できず
リードが6点に開いたこともあり、エンゼルスは7回裏にルーキー左腕のコルトン・イングラム(Kolton Ingram)を起用。この日がメジャー・デビューです。
イングラムは、26才で2019年のタイガースの37巡目指名でプロ入り。2020年の開幕前にタイガースをリリースされ、2021年3月にエンゼルスとマイナー契約。今季はダブルAで23試合に登板し、27.1イニングで、ERA 2.63をマーク。被安打は17でBBは19でした。
そのコルトン・イングラムは先頭のマイケル・ガルシアをCFフライに斬って取り、上々の滑り出しを見せます。スライダーが非常に良い印象でした。つづくニッキー・ロペスには甘い4シームをCF前に弾き返され、メジャー初ヒットを許します。そして、ここからピッチングが崩れます。
ランナーを背負ってからがだめだった
コルトン・イングラムがまずかったところはランナーを背負ってからの投球でした。ストライクとボールがはっきりし、サマド・テイラーに四球。エンゼルス野手陣はここでマウンドに駆けつけ、一服置いたのは良かったと思います。
しかし、初登板のルーキーはそれでも改善せず、ドリュー・ウォーターズにRFオーバーのタイムリーを浴びて1失点。さらに、ニック・プラットに四球を出したところで降板となりました。
ジェイコブ・ウェブは準備不足
ここでエンゼルスはジェイコブ・ウェブをマウンドに送りますが、やはり準備不足は明らかで、満塁からボビー・ウィットに2点タイムリーダブルを打たれて2失点を追加。ウェブは打たれたボールだけが甘く入りました。ロイヤルズは7回裏に3得点を上げ、8-5と詰め寄ります。
ERA 0.00のホセ・ソリアーノが乱調
エンゼルスは8回裏のマウンドにホセ・ソリアーノを投入。
ホセ・ソリアーノはこのゲーム前まで6試合に登板し、6.0イニングで被安打がたったの1で、スコアレス投球を継続中。ゆえにERAは0.00という好成績をマークしていました。この起用は間違っていなかったと思います。これで流れを戻そうとい意図はよくわかりました。
ところが、このホセ・ソリアーノが誤算。先頭打者をRFフライに打ち取ったまでは良かったのですが、ここから四球、四球、死球で満塁のピンチを招き、ニック・プラットにタイムリーを打たれたところで降板。
エンゼルスはこの日のブルペン・エースの役割であるクリス・デベンスキーを投入しますが、いかんせんロイヤルズの流れを止めることが出来ず、さらに2失点を献上し、ついに8-8の同点に。
ただ、勝ち越される危機もあったのですが、それをミッキー・モニアックが好守備で阻止しました。
トラウトが勝ち越しタイムリー
9回表、エンゼルスはマイク・トラウトがアロルディス・チャップマンから意地のタイムリーを放ち、9-8と勝ち越しに成功。これで逃げ切る予定でした。
ロイヤルズがサヨナラ勝利
ところが、9回裏のマウンドにも上がったクリス・デベンスキーは先頭打者にアンラッキーなLF前シングルを浴び、同点のランナーを出してしまいます。
ロイヤルズは代走にダイロン・ブランコを起用。ブランコは2盗に成功。その際、送球が外野に転がる間に3塁まで進塁します。このプレーはまずかったです。3Bに進塁させたくないシーンでした。
ここでマイケル・ガルシアがタイムリーを放ってロイヤルズが9-9の同点に。
さらにそのマイケル・ガルシアも2塁への盗塁に成功。スコアリング・ポジションにランナーを置いて、ロイヤルズのルーキー、サマド・テイラーに回り、テイラーはCFオーバーのタイムリーを放ち、ガルシアが生還し、ロイヤルズが10-9のスコアでサヨナラ勝利をおさめたというゲームでした。
LAAがまずかった点
コルトン・イングラムの起用は次々に投手を繰り出すメジャーリーグではべストなデビュー・タイミングなどを選んでいられません。良い投球を見せれば良い采配となりますし、これは結果論でしかありません。ただ、ランナーを背負ってからが別人になってしまいました。
エンゼルスのよくあるパターンで緊急対応用のピッチャーを作っていないことも今回の惨事を招きました。スケジュールが厳しいMLBではそのようなバックアップ体制を作ることは投手への負担になることから、なかなか万全には出来ないのですが、いかんせんウェブはちょっとかわいそうな場面での登板となりました。一層、7回のイニング先頭からウェブの方がやりやすかったかもしれません。
9回のマット・タイスの送球ですが、ダイロン・ブランコを3塁に進ませたのはまずかったと思います。1点差リードの場面でしたので、2盗まででなんとか阻止してほしかったところではあります。
さらにマット・タイスはサヨナラのランナーとなったマイケル・ガルシアにも2盗を許しましたが、この盗塁はほぼ無警戒だったように思います。送球が明らかに遅れました。
ホセ・ソリアーノはこれまで抜群に良かっただけにこの日の投球は残念というしかありません。
エンゼルス、今日は何かに憑かれたような嘘のような敗戦となりました。
もう切り替えて次のゲームに臨むしかありませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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