驚きのスタメンから始まる!
前日の記事でエンゼルスがトレードでメッツからエドゥアルド・エスコバーを獲得した記事を書きました。その背景などは下記の記事に書いておりますので、ご参照ください。
そのエドゥアルド・エスコバーが現地2023年6月24日のロッキーズ戦にスタメンで出場。エスコバーが加わったことで、オプションが増えたエンゼルスはなかなか思い切ったことをやってきました。それがスタートのメンバーにあらわれているのですが、その驚きのスタメンを確認するとご覧の通りです。
レンフローが1B !
上位1-2-3-4はもうほぼいつも通り。
- テイラー・ウォード(LF)
- 大谷翔平(DH)
- マイク・トラウト(CF)
- ブランドン・ドゥルーリー(2B)
- マット・タイス(C)
- ハンター・レンフロー(1B)
- エドゥアルド・エスコバー(3B)
- ミッキー・モニアック(RF)
- デービッド・フレッチャー(SS)
P:グリフィン・カニング
フレッチことデービッド・フレッチャーの昇格があったことから、彼をSSとして起用するのは十分に予想できたのですが、驚きは1B。なんとOFのハンター・レンフローを起用してきました。レンフローをまさか1Bで起用してくるとはゆめにも思いませんでした。
レンフローと言えばストロング・アームと好守備。OFとして非常に優秀な訳ですが、その守備力を殺してまで打撃を優先させたという布陣となりました。エドゥアルド・エスコバーの3Bは予想できたので、それなら1Bにブランドン・ドゥルーリー、2Bにはルイス・レンヒーフォの内野陣で行くと思われたのですが、蓋を開ければ2Bにブランドン・ドゥルーリー、1Bにレンフローでした。
モニアック優先が当たり
エンゼルスのOFはLFのウォード、CFのトラウトは動かせないところ。DHはHRリーダーの大谷選手ですからこれも動かせず。そうなるとRFを動かすしかないのですが、レンフローを使うと当たっているモニアックが使えなくなってしまう。
そこで、ミッキー・モニアックを使うには?と考えた時にひねり出されたのが、レンフローの守備力は一旦封印して打撃優先で行こうという決断だったと思います。
これが大当たりでしたね。ネヴィン監督の采配で初めて感心したところでもあります。
エスコバーとフレッチが機能
エンゼルスはこのゲーム、記録的な得点を叩き出した訳ですが、そのきっかけとなったのはエドゥアルド・エスコバーとデービッド・フレッチャーのフレッシュなコンビでした。
ロッキーズ先発はチェイス・アンダーソン。エンゼルスは2回表に先制。先頭のレンフローがシングルで出塁した後、つづくバッターは注目のエドゥアルド・エスコバー。エンゼルス・デビューでの初打席です。エスコバーは2球目の外のチェンジアップにうまく対応。RFにクリーンヒットを放ち、チャンスを拡げます。
モニアックが死球で歩き、ノーアウト満塁の大チャンスで打席にはフレッチ。フレッチは初球のインローの4シームを強く叩き、これが三遊間を破るタイムリーとなり、エンゼルスが2点を先制。
エスコバーとフレッチが機能したおかげでエンゼルスは先制点をゲット。これがとんでもない有機的なつながりを見せ始めます。
エンゼルス、3回に13得点
エンゼルスは3回にも攻勢をかけます。
Back to Back to Back HRを3球でやり遂げる
3回表、先頭のトラウトが2球目の4シームを捉えてCFにソロHR。さらに、つづくブランドン・ドゥルーリーは初球のカット・ボールをCFへHR、そしてマット・タイスは初球のカーブを捉え、RFへソロHR。エンゼルスは3者連続HRを3球で成し遂げたというすごいことをやってのけます。これで5-0と一方的な展開。
その後、エンゼルスはランナーを2人出すも、2アウトを奪われてしまうのですが、そこからがすごかったです。
2アウト1、2塁でテイラー・ウォードがLFへタイムリーを放ち1点を追加して6-0。大谷選手もRFへ強烈な当たりのタイムリーを放ち7-0。
ロッキーズはここで投手交代。マット・カラシティがマウンドに上がります。しかし、勢いを止められず、トラウトが四球で歩いて満塁のチャンスを作った後、ブランドン・ドゥルーリーが2点タイムリーを放ち、9-0。
その後はハンター・レンフローのタイムリー・ダブル、エドゥアルド・エスコバーのタイムリー、さらにミッキー・モニアックの2ランHRでこのイニング計13得点を上げ、15-0とゲームを決めます。
フレッチが初カブト
エンゼルスは4回表にも猛攻を続け、ブランドン・ドゥルーリー、マット・タイス、ハンター・レンフロー、ミッキー・モニアックにタイムリーが出てこのイニング5得点を上げて20-0のスコアに。
さらにはデービッド・フレッチャーに今季初のHRが飛び出し、これが3ランHRで23-0とします。フレッチは初カブトをかぶることになりました!
エンゼルスは6回と8回にもそれぞれ内野ゴロの間に1点ずつを追加。25得点を奪いました。
G・カニング、冷静に自分の投球を続ける
エンゼルスの先発はグリフィン・カニング。味方打線が大量得点を奪うとそれに釣られて同じような洗投球をしてしまいがちなのですが、カニングは終始自分の投球を心がけ、6回、被安打4、スコアレス、SO7と素晴らしい投球を披露。3回と4回は味方の攻撃が異様に長く、調整も難しかったのですが、素晴らしい投球を見せてくれました。
モニアック、サイクルを逃す
計28安打を放ったエンゼルスの中で最も当たっていたのはミッキー・モニアック。第1打席で死球をもらった後は、3回表の第2打席でシングル・ヒット、同じく3回表の第3打席でHR、4回表の第4打席で二塁打とゲーム前半でサイクルヒットに王手をかけます。
6回表の第5打席では右中間を破る3塁打コースの絶好の打球を放ちますが、1塁を回ったところで足がもつれ、スピードが出ず、二塁打止まりになってしまいました。これにはベンチも大いに笑っていましたね。
8回表、最後のチャンスが回ってきたモニアックはまたしても捉えてRFへラインドライブの当たりを放ち、これをノーラン・ジョーンズが取り切れずに2塁打。もし間を抜いていたら三塁打コースでした。
結局、サイクルヒット達成はならなかったものの、6打席で5打数5安打、4 RBI、5Runと大暴れでした。
エスコバー、フレッチがともに結果を出す
エスコバーは、4-2、1 RBIとデビュー戦で素晴らしい仕事を見せました。四球も取りましたし、やはり調子は上がったままでした。エスコバーは終盤にお役御免で交代。良い仕事をしてくれましたね。
この日、久々に上がってきたフレッチも大活躍。6−4、5 RBI、1 Run、1HRで結果を出しました。SSが機能するとエンゼルスは強いです。
ベラスケスがCFに
4回を終了して23-0とゲームを決めたエンゼルスは、マイク・トラウトを4回裏の守備でお役御免に。5回の打席では代打が送られました。アンドリュー・ベラスケスです。
そのアンドリュー・ベラスケスはなんと5回裏の守備からCFに入るというこれまた珍しいことをエンゼルスは行いました。
歴史的な大量得点
25-1のスコアで勝利したエンゼルス。安打数は28。
【YOUTUBE】25 RUNS! All runs from the Angels 25-1 win over the Rockies!
これまでのエンゼルスの最高得点は、1979年8月25日のブルージェイズ戦で24-2で勝利したときの24得点。1試合最高安打数は26安打で過去2度ありました。
今回はそれらを上回り、フランチャイズ・レコードとなっています。
3イニング目にマークした1イニング13得点は、過去2度達成。直近では1997年5月12日のホワイトソックス戦。もう1つは1978年9月のレンジャーズ戦。また、1イニング4HRもフランチャイズ・レコード・タイです。
また、今回は最初の4回までに23得点を奪いましたが、これは1922年8月25日にカブスがマークした25得点、1894年6月6日にパイレーツが上げた24得点に次ぐMLB史上3番目の記録。
さらに、2イニングにわたり21得点を上げたのは、1894年のパイレーツと並ぶMLB史上最多タイ記録ででもあります。
シングルでの得点が今後に良い影響!
エンゼルスのHR以外の得点をまとめてみると、ご覧の通り。25得点中、17得点がそうです。このうちシングルでの得点が6本で9得点。2塁打が3本で6得点、内野ゴロが2本で2得点。
- 2回表:フレッチャーが2点タイムリー・シングル(最初の2得点)
- 3回表:テイラー・ウォードのタイムリー・シングルで1点(1得点、6点目)
- 同:大谷選手がタイムリーシングルで1点(1得点、7点目)
- 同:ブランドン・ドゥルーリーが2点タイムリー・シングル(2得点、8-9点目)
- 同:ハンター・レンフローが3点タイムリー・ダブル(3得点:10-12点目)
- 同:エドゥアルド・エスコバーがシングルでタイムリー(1得点:13点目)
- 4回表:ブランドン・ドゥルーリーがLFへタイムリー・シングル(1得点、16点目)
- 同:マット・タイスがタイムリー・シングル(1得点、17点目)
- 同:ハンター・レンフローがタイムリー・ダブル(1得点、18点目)
- 同:ミッキー・モニアックが2点タイムリー・ダブル(2得点:19-20点目)
- 6回表:テイラー・ウォードの内野ゴロの間に1点(1得点、24点目)
- 8回表:テイラー・ウォードの3Bゴロの間に1点(1得点:25点目)
こつこつとシングルによるタイムリーが6本も出たというところが、今後に非常に良い影響を与えそうです。
打撃は水物でこれで安心という訳には行きませんが、だからこそシングルによるタイムリーが多数出たことに意義があります。良い要素であることは間違いありません。
あとはブルペンですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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