PSからも正式に敗退
現地2023年9月17日、エンゼルスは、タイガースとの3ゲームシリーズのファイナルを戦い、序盤2、3回の計5失点が響き、3-5で敗れました。中盤にランダール・グリチャックのHRなどで追い上げたのですが、最後は馬力が出ずという感じです。
ハーゲットが復調するも遅かった!
この日、エンゼルスはオープナーでサイドワインダーでリリーバーのジミー・ハーゲットが先発。1イニング、2奪三振と好投。相手打者のスイングの軌道から外れるあのスライダーが復活しました。2022シーズンの後半に素晴らしい活躍を見せたハーゲットですが、今季はボールが高く、打者の格好の餌食となってしまっていましたが、ようやく本来の姿が戻ってきました。これが7月から機能してくれればよかったのですが、いかんせん遅かったですね。
これでシーズン成績が68勝82敗となったエンゼルスは、ワイルドカード3位からも14.5ゲーム差となり、正式にプレーオフからの敗退が決まりました。もう確率的には大分前から敗退していたのですが、数学的な確率がようやく0になったというところです。
大谷選手、最後のLAAジャージ姿か?
この日、ダグアウトには大谷選手が顔を出しました。ザック・ネトーに打撃の助言を送る姿もありました。
Shohei Ohtani coaching up the Angels is awesome pic.twitter.com/uTSwonsd1n
— Jomboy Media (@JomboyMedia) September 17, 2023
右肘の治療についてはまだ明確なスケジュールは出ていませんが、エンゼルスはスケジュールとして現地19日からロードで、レイズとの3連戦とツインズとの3連戦が組まれています。
その後、エンゼルスはホームでレンジャーズとアスレチックスとの6試合をこなしてシーズンエンドとなるのですが、大谷選手はおそらく上記の遠征中に肘の治療のプロセスに入ると思われます。正式な情報ではありませんが、もう治療方針が決まったのかもしれません。もしそうなら、この日がエンゼルスでの最後のジャージ姿になった可能性が大です。
エンゼルス、8年連続勝率.500未満が確定
タイガースにもスウィープされたエンゼルスは5連敗となり、シーズン成績は68勝82敗に。残り12試合に全勝したとしても、80勝82敗となり、この日の敗戦で勝率.500未満が確定しました。
エンゼルスは地区優勝を果たしてポストシーズンに進んだのが、2014年のこと。この時はALDSでロイヤルズにスウィープされて敗退。
そして勝率.500を超えたのはその翌年の2015年の.525が最後。2016年から勝率.500未満が続いており、これで8シーズン連続が確定しました。
8シーズン連続はMLBワースト
エンゼルスの8シーズン連続勝率.500未満は直近のMLB30クラブの中ではワーストとなります。
勝率.500未満を継続しているのは?
現30クラブの中で勝率.500未満が続いているのが、エンゼルス、タイガース、ロイヤルズ、ロッキーズ、パイレーツの5クラブ。エンゼルスの8年連続が最長。
- 8年連続:LAA: 2016-2023
- 2015: .525 ( 3位)
- 7年連続: DET: 2017-2023
- 2016 : .518 (2位)
- 7年連続: KC: 2017-2023
- 2016: .500 (3位)
- 5年連続:COL: 2019-2023
- 2018 : .558 (2位)
- 5年連続: PIT: 2019-2023
- 2018: .509 (4位)
ロイヤルズは2015年のWSチャンプ後に解体となり、オーナーも交代。これから新スタジアムの建設にも着手するので、もうしばらく選手にお金が使えない状況です。ボビー・ウィットをはじめプロスペクト達がどれだけ台頭するか?にかかっています。
タイガースはデビュー済みのプロスペクトが今ひとつ機能しきれていないのですが、彼らがそろそろ機能し始める時期ではあるので楽しみはあります。
パイレーツ、ロッキーズも長く低迷していると思ったのですが、ともに2018年に.500を超えていました。パイレーツは来季は楽しみでしょう。ロッキーズはちょっと未来が見えにくく、苦しい状況です。
直近2シーズンで断ち切ったクラブ
ここ数年かなり厳しい状態だった以下のクラブですが、今季を含めた直近のシーズンで.500未満のシーズンを断ち切っています。
- 6年連続: TEX: 2017-2022 / 2023年に.500以上確定
- 5年連続:BAL: 2017-2021 / すでに2022シーズンに.500以上を達成
- 3年連続:AZ: 2020-2022 / 2023年に.500以上確定
- 1年だけ: CIN: 2022 / 2023年に.500以上確定
明らかに運営がおかしいエンゼルス
エンゼルスの状態がいかにおかしいか?というのが上記の.500未満継続のクラブからもおわかりいただけると思います。異常です。
エンゼルスは大谷選手、マイク・トラウト、アンソニー・レンドンがいてこの勝率。明らかにBaseball Operationの部門の運営がおかしいです。
確かに、呪われたように主力の怪我が相次ぎました。これは大谷選手獲得を画策する某クラブがエンゼルスの魅力を削ぐため、本当に呪いでもかけているのではないか?と思うくらいに(冗談ですが)、怪我が相次ぎました。
ローガン・オホッピー、ジオ・アーシェラの序盤の離脱は痛かったですし、レンドンは怪我を繰り返しましたし、トラウトまで有鉤骨骨折で離脱。
ブランドン・ドゥルーリー、ハンター・レンフロー、ジオ・アーシェラの補強は良かったと思ったのですが、残ったのはドゥルーリーだけでした。
タイラー・アンダーソン、カルロス・エステベスと投手の補強も良かったのですが、ホセ・キハーダの離脱は痛かったと思います。ベン・ジョイスもすぐに離脱しました。
リード・デトマーズとパトリック・サンドバルは今季も伸びなかったですね。
それに守りでのミスも目立ち、粗さが目立つ野球でした。補強以前に出来ることが山程あります。
同じLAでも一丸となってかかってくるドジャースとはまったく出来が違います。
大谷選手は出て行きそう
今オフ、FAとなる大谷選手は肘の治療がどうなるかがわかってから次の契約の話しが見えてくると思います。
エンゼルスに残るメリットは、勝手知った組織であること。
肘の治療から回復する過程でこれは精神的にかなり負担から開放されると思います。移籍初年度の成績は思った以上に重要で、その圧の有無はかなり違ってくると思われます。
ただし、上述の通り、残ったとしてもエンゼルスには浮上のきっかけが見当たりません。特効薬はオーナーとGMが変わり、野球の質が変わることですが、オーナー交代の話しは昨オフに一度立ち消えしましたし、今オフはもう無いです。現オーナーも大谷選手の話しが消えたら売りに出すというスタンスかと思います。
そしてGMが替わる気配もないです。ミネイジアンで投手の質が下がっているのは明らかで、本当ならGMの上の球団社長なりが決済をもって処分するところですが、契約は2024年まであるので、任期まで全うすることでしょう。ミネイジアンはブレーブスでアシスタントGMまでしていた人物ですが、セイバーおたくが過ぎて現場に迷惑をかけているようです。
よって今オフにエンゼルスの組織が劇的に変わることはないので、外部から見ると「出る」という選択肢しかないように思います。
もっとも、当事者の大谷選手は判断を下す情報も多いでしょうから、正しい決断を下すことでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
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