エンゼルス、ネイト戦に粘りを発揮して勝利
現地2023年6月15日、大谷選手が敵地グローブライフ・フィールドにて今季14度目の先発マウンドに上がりました。相手レンジャーズの先発は今季すでに9勝を上げて二桁勝利に王手をかけているネイサン・イオバルディー。今季はベロシティーも戻り、非常にうまい投球を繰り広げております。
そんなネイト戦にエンゼルスは粘り強く対応。大谷登板日に負けさせる訳にはいかないというのもヒシヒシと伝わる戦いぶりでした。そして大谷選手自らもHRを放ち、投打に亘ってチームに貢献しています。
AL HRリーダーがMLB NO.1打率のチームに挑む
このゲームのあり得ないところは、21HRでア・リーグのHRリーダーとなっている選手がマウンドに上がって、しかもチーム打率がMLB NO.1の打線を相手に100mphから70mph台までのベロシティーを操り、さらに高低左右で打者を揺さぶろうとしているというシチュエーション。それを日本人選手があたかも日常のようにやっているということ。こんな貴重なシーンをリアルタイムで見させてもらって、大谷選手には感謝しかありません。
大谷選手、5登板ぶりに勝利
4月にトントンと4勝を上げ、この期間は全く打たれる気配がなかった大谷選手ですが、5月に入って捕手の故障などもあり、変化球を制限して投げるなど、かなりしんどい投球を強いられる時期もありました。そのうち、登板ごとに3失点、4失点と続き、味方の援護も追いつかないなどなかなか勝てない日が続きました。5月は5先発を果たすも、1勝1敗で月間ERAは4.06。
ネトーが10 Day ILに
そんな中、エンゼルスはルーキーSSで目覚ましい活躍を見せるザック・ネトーが14日に左腹斜筋を傷め、15日付けで10 Day ILに入りました。
この日のSSには、アンドリュー・ベラスケスが入り、今季初のメジャーへのコールアップで埋めています。
(TEX)ジョナ・ハイムが5番
相手レンジャーズは、直近7試合で打率.393と大いに当たっているコーリー・シーガーが2番、そして大谷選手と非常に相性の良い捕手のジョナ・ハイムが5番に入っています。
4シーム多め
そんなレンジャーズ打線を相手に大谷選手は4月に威力を発揮したスウィーバーが5月に入り、割合も多くなったものの、打たれる時はそれを狙われるというシーンが増えてきたことからどのような配球になるのか興味深かったのですが、この日は4シームが多めで、スライダー系はカットが中心という投球でした。
4シームは強いボールが多かったので調子は良さそうでした。ただ、レンジャーズ打線が相手ゆえ、やはりなかなか苦心していたという印象でもあります。
2回表にエンゼルスが1点を先制した後、3回裏、大谷選手は1Bジャレッド・ウォルシュの好守備などで2アウトを奪うも、そこからナサニエル・ロウとアドリス・ガルシアに連続ダブルを打たれて1−1の同点に。ナサニエル・ロウには意表をついて70mph台のカーブを投じたのですが、これをうまく弾き返されました。アドリス・ガルシアに打たれたのは4シームで甘めに入りました。
さらに、鬼門ジョナ・ハイムにもタイムリーを打たれ1-2と勝ち越しを許してしまいます。カット・ボールがインローの良いコースに食い込んだのですが、これはさすがのジョナ・ハイムというところです。なお、この日、ジョナ・ハイムに打たれたのはこの1本のみ。
エンゼルスは4回に2-2の同点に追いつき、その直後のレンジャーズの攻撃は3人で退けました。ここはポイントを抑えた投球でしたね。
大谷選手は4回以降は、ナサニエル・ロウにシングルを1本許したのみ。この日は6回を投げきり、99球で被安打6、失点2、BB 1、SO 3、HR 0。強いレンジャーズを2点に抑えました!
ネイト、10勝目ならず
一方のレンジャーズ先発のネイサン・イオバルディは、初回に満塁のピンチを背負うも、ジオ・ウルシェラをダブルプレーに打ち取り、無失点。
2回表、チャド・ウォーラックに対し、スプリットで三振を奪いに行ったものの、これが落ちずに好球となり、ウォーラックにソロHRを浴びて1失点。
4回表には1アウトからジャレッド・ウォルシュにダブル、ミッキー・モニアックにタイムリー・シングルを許し、2失点目。その後、ウォーラックをダブルプレーに取ったのはさすが好調ネイトというところでした。
ネイトも中盤はしっかりと締め、さすがこの時期に9勝を上げているという投球を見せましたが、7回表、先頭のミッキー・モニアックに初球のインローの94mphの4シームをCFへソロHRを許し、エンゼルスに勝ち越しを許してしまいます(LAA 3-2 TEX)。
これで大谷選手に勝利投手の権利が発生しました。
デベンスキー、ソリアーノ、ウェブがGJ
エンゼルスは大谷選手降板後は、2番手にクリス・デベンスキーを投入。いまやセットアップの柱のような存在で良い投球を見せています。この日はBB2を出したものの、7回裏を無失点に。
8回裏には、プロスペクトのホセ・ソリアーノを投入。1イニング2SOのパーフェクト投球を披露。ホセ・ソリアーノはこの日を含めてデビュー6試合ですが、まだ失点無しのERA 0.00。
エンゼルスは9回表を迎えて5-2と3点をリード。当然、カルロス・エステベスを投入したのですが、そのカルロス・エステベスはこの日はなかなか投球が暴れており、ロビー・グロスマン、トラビス・ジャンコウスキー、さらにジョシュ・ヤングに3者連続四球。
エンゼルスはまたかという大ピンチを迎えたのですが、これを火消ししたのが、ジェイコブ・ウェブでした。ウェブも適度な荒れ球で、押出し四球を与えるのかと思いきや、エジキエル・デュランを1Bポップフライに打ち取り1アウト。ここで犠牲フライを許さなかったのが大きかったですね。
怖い怖いコーリー・シーガーには、危ないボールもあったものの、最後はインコースの難しいボールを打たせてSSライナーに。この日当たっていたナサニエル・ロウにはさすがに慎重になり、四球を与え1点を献上しましたが、アドリス・ガルシアには甘いボールは無く、三振に打ち取り、リードを守りきました。
ウェブは意図的かどうかは定かではありませんが、ボールをうまく散らせましたね。お見事!
カルロス・エステベスはちょっと登板過多の傾向がありますので、こういうこともあるでしょうね。
大谷選手22号
降板後もDHで残った大谷選手は3-2と1点リードした状況の8回表、テイラー・ウォードを1塁に置いて、左腕のブロック・バークから初球のアウトハイのスライダーを左中間スタンドに豪快に放り込む2ランHRを放ち、リードを3点差に広げました。これで自身の勝ちもぐっと近づけました。
【YOUTUBE】Shohei Ohtani CRUSHES one the other way for his 22nd homer! (Now tied for MLB lead!)
これで大谷選手のHR数は22本となり、MLB トップのメッツのピート・アロンゾに並びました!アロンゾは現在ILで離脱中。
首位レンジャーズを相手になかなか厳しい戦いを強いられましたが、大谷選手の投打に亘る活躍に加え、エンゼルスが一丸となって勝利をものにしたそんなゲームにもなりました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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