いみじくもSEAとBALで受給が一致
現地2024年7月23日、ローガン・ギルバートを擁してエンゼルスに1-5で敗れたマリナーズ。4月終盤以降、前半戦のほとんどの時期を首位に立ち、ALウエストを支配してきましたが、ここに来て強者アストロズに追撃をくらい、ついに勝率で並ばれてしまいました。
- HOU: 52-49 / .515
- SEA: 53-40 / .515
超優秀なスターター陣
マリナーズが前半戦を優位にすすめていたのは超優秀な投手陣のおかげ。現地2024年7月23日時点で、チームERA 3.43はMLB NO.1。スターターのERA 3.28は、フィリーズの3.20に次いで2位。ただ、リリーバーのERA 3.72はMLB 11位とほぼ真ん中のランクではあります。言えるのは、スターターがとにかく強力であること!
しかし、そのスターター陣の成績はご覧の通り。現時点で二桁はおらず、しかも皆、勝率が.500前後。
Starter | W | L | ERA | IP |
---|---|---|---|---|
ローガン・ギルバート | 6 | 6 | 2.72 | 139.0 |
ルイス・カスティーヨ | 8 | 10 | 3.55 | 124.1 |
ジョージ・カービー | 7 | 7 | 3.2 | 123.2 |
ブライス・ミラー | 7 | 7 | 3.41 | 116.0 |
ブライアン・ウー | 4 | 1 | 2.54 | 49.2 |
エマーソン・ハンコック | 3 | 4 | 4.76 | 45.1 |
なぜ?
とにかく打たない打撃陣
その理由は簡単でとにかく打撃陣が打っていないこと。チーム打率.216はMLBワースト!首位にいたチームですよ!当然、安打数724もMLBワースト。OPS .660はMLBワースト3。
長打はないのか?と言えばHRは112本を放ち、MLB12位タイと頑張ってはいるものの、2塁打が少なく133でMLBワーストです。
なお、BBは336でMLB7位とかなり取ってはいます。ただ、打率 = 安打(Hit )/打数( At Bat)でBBをこれだけ取ってAB(打数)の数を減らしてもこの打率というのはよほど打っていない証拠でもあります。マリナーズだけボールが飛ばないのか?というくらい低い成績です。
各ポジションでメインに起用されている選手たちの打撃成績です。
Pos. | Name | BA | OBP | SLG | HR | RBI |
---|---|---|---|---|---|---|
C | カル・ラレー | .209 | .299 | .418 | 20 | 62 |
1B | タイ・フランス | .223 | .312 | .35 | 8 | 31 |
2B | ホルヘ・ポランコ | .198 | .282 | .293 | 6 | 19 |
SS | J.P.クロフォード | .204 | .299 | .347 | 9 | 32 |
3B | ジョシュ・ロハス | .238 | .313 | .348 | 4 | 17 |
LF | ルーク・レイリー | .229 | .286 | .408 | 11 | 29 |
CF | フリオ・ロドリゲス | .263 | .315 | .372 | 11 | 37 |
RF | ミッチ・ハニガー | .206 | .284 | .331 | 8 | 34 |
DH | ミッチ・ガーバー | .168 | .285 | .343 | 12 | 37 |
さすがにフリオ・ロドリゲスはいい仕事をしているものの、殆どのBA(打率)が2割前半。カル・ラレーは捕手なので大きな期待をかけてはいけませんが、昨シーズンはBA .232、HR 30でフィニッシュ。それを考えると現時点で20HRを放っているので打率は前年割れなものの、こんなものかもしれません。ただ、三振が増えています。咲くシーズンは158個でしたが、今季はすでに118個。
ホルヘ・ポランコは外れましたね。ジェリー・ディポートPOBO(President of Baseball Operations)も頭の痛いところでもあります。1B、2B、OFの打撃が上がらないときついですね。ハニガーも何をしているんだという成績です。
マリナーズのロスターの動き
そんなマリナーズですが、現地2024年7月23日、ロスターを動かしました。1Bのタイ・フランスをDFAに、そしてフリオ・ロドリゲスとJ.P.クロフォードを10 Days ILに移しました。
フリオ・ロドリゲスは右足首の捻挫、J.P.クロフォードは22日のエンゼルス戦でタイラー・アンダーソンから死球を受け、右手を骨折。フリオ・ロドリゲスは復帰までそれほど時間はかからないと思いますが、J.P.クロフォードはちょっと時間がかかりそうです。
O’s、R・マウントキャッスルらのトレードも可
そんな中、ボルチモア・オリオールズは現地2024年7月23日、1Bのライアン・マウントキャッスルとCFのセドリック・マリンズのトレード・インタレストを受け付けるとの情報も。
マウントキャッスルと言えば、オリオールズの攻撃で非常に良い役割を果たしている選手。そんな良い選手を出すとは?と思うのですが、それには良いチーム事情が。
雨後の筍のようにプロスペクトが育つ
今、非常に良いサイクルの入っているオリオールズは、次から次へと雨後の筍のようにプロスペクト達が育っており、うれしい悲鳴というくらいにロスターがパンパン。
特にOFはレギュラー・クラスのアンソニー・サンタンデア、コルトン・カウザー、ヘストン・キャースタッドがおり、カイル・ストワーズとコナー・ノービーもおります。セドリック・マリンズは今季、.216/.258/.378と良い結果を残せていない中、他クラブへの放出も止むなしという状況。
そしてライアン・マウントキャッスルは今季、.267/ .307/ .438、10 HRと申し分ない成績。1Bにはもっとパワーを!という考え方もありますが、BA.267は十分過ぎるくらいの数字です。ではなぜ、彼がトレード候補にもなるのか?というと、上述したOFのプロスペクト達が1Bを守る機会を創出するため。加えて、これくらいのハードな打撃があれば、やはりトレードのカードとしては非常に有効。さらに、マウントキャッスルはまだ調停ステータスで今季のサラリーは1年/$4.1375M (2024)。お得でもあります。
O’sはローテーションが欲しい
そしてオリオールズはカイル・ブラデッシュがトミー・ジョン手術で来季もほとんどはリハビリに費やすことに。さらに、左腕のジョン・ミーンズも6月に2度目のUCLの手術を行い、先行きが非常に不透明。またタイラー・ウェルズも肘の手術で今季はシーズン・エンディングとなりました。
コービン・バーンズ、グレイソン・ロドリゲス、コール・アービン、アルバート・スアレス、ディーン・クレマーと現状でもかなりいいメンバーがローテーションを回していますが、NO.4、5はちょっと不安を抱えている状況。
リリーバーになりますが、ダニー・クーロムも今は離脱中。
そうなるとオリオールズから打者(ライアン・マウントキャッスル、セドリック・マリンズ)、マリナーズからは先発投手(いずれか)という図式はかなり信憑性のあるところ。オリオールズはオーナーも代わりましたから、多少は投資にも前向きかもしれません。
果たして、受給通りに動くかどうか。
ちょっと楽しみですね。
なお、オリオールズは2Bのホルヘ・マテオがSSのガナー・ヘンダーソンと交錯し、左肘を傷めてしまいました。数日で復帰するかどうかはこれからの判断ですが、ここはプロスペクトで賄うのか?それともトレードで補うのか?もトレード・デッドラインに向けてXファクターになるかもしれません。
どうなるでしょうか??
お読みいただき、ありがとうございました。
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