マリナーズが選択したバットはアロウザリーナ
現地2024年7月25日、マリナーズが動きました。打撃が不振過ぎて優秀な投手陣の力をもぎ取る形となっていましたが、その問題解決に選んだのはランディー・アロウザリナのバットでした。
トレード概要
トレードの概要を見てみます。レイズはまたプロスペクトを増やしましたね。
マリナーズGet
- ランディー・アロウザリナ(Randy Arozarena/29)LF/右投げ右打ち
レイズGet
- エイダン・スミス(Aidan Smith/20)OF/右投げ右打ち
- ブロディ・ホプキンス(Brody Hopkins/22)RHP or OF/右投げ右打ち (後述します)
- PTBNL(Player To Be Named Later)
マリナーズからレイズには計3名が動くこととなり、そのうち1名は後日指名の選手です。
このトレードのマリナーズの背景はこちらに記載させていただいています。マリナーズはすでにタイ・フランスをDFAにして40manロスターから外しているので、アロウザリナはそのスポットに入る見込みです。
これでOFのバットの優秀なバットは手に入れたのですが、問題は1Bですね。現地2024年7月25日は23才のプロスペクトのタイラー・ロックリア(Tyler Locklear)を起用しましたが、ルーキーでまだ苦戦中。打率は1割台。現時点のPA(打席数)は40。メジャーの投手に慣れるのに1つの目安として50PAを経験すると何らかの変化が起きる傾向はありますが、これはボビー・ウィットやフリオ・ロドリゲスら、超優秀なルーキーの例でもあります。果たしてジェリー・ディポートはロックリアの成長まで末かどうか。
アロウザリナで打線のつながりの改善を狙う
ランディー・アロウザリナの名前はもう十分に広まっていますね。
2024年のランディー・アロウザリナ
今季のアロウザリナは実はそれほど目立った活躍をしていません。OPS+も105で「悪くはない」というレベル。100試合に出場し、350-74、.211/.318/.394。打率が低いのです。HRはさすがに15本を放っており、存在感を見せていますが、もともとは30本も打つスタイルの選手というよりは、足も含めた総合力で魅せるタイプ。RBIは37で盗塁は16。であればもう少し打率は上がって欲しいのです。
やや後ろ向きなことを書きますと、2021年から100試合以上に出場し続け、打率は2021年の.274をピークに、.263、.254、そして今季の.211とだんだん下がってきているのです。また今季はスコアリング・ポジションでの打率が.177というのも気になるところです。
ただ、ALウエストは球場が広めのクラブが多いので、野手の間を抜いて長打というアロウザリナのスタイルには合うと思います。
ランディー・アロウザリナのキャリア
ランディー・アロウザリナは1995年2月28日生まれの29才。キューバ出身で2016年8月にカージナルスとサイン。メジャー・デビューは早く、2019年に19試合に出場。打率は.300をマークしました。
デビュー後の2020年1月にレイズとカージナルスの間でトレードが成立。カージナルスがマシュー・リベラトーレらを獲得したトレードで他の選手やドラフト・ピック権とともにレイズに移籍。
レイズ移籍後、2020年はレギュラー・シーズンが60試合に短縮されたこともあり、23試合のみに出場。.281/.382/ .641をマークしました。そしてアロウザリナの名を高めたのが2020年のポストシーズン。ワイルドカード・シリーズでは.500/.556/ 1.000でOPSは1.556。ALDSでは.421/.476/.895、HR3本を記録し、OPSは1.371。そしてALCSでは.321/.367/.786、OPS 1.152でHR 4本をマークし、ALCS MVPに輝きました。
そしてドジャースとのワールドシリーズでも.364/.462/.773と活躍。OPSは 1.234、HRは3本でポストシーズン史上最多の10HRをマーク。
目覚ましい活躍を見せました。ただ、その年のオフ、メキシカン・リーグ時代に出来た子供の親権を巡って少しトラブルがありました。
そしてルーキー・ステータスをキープして2021シーズンに突入し、2021年は.274/.356/ .459、20 HR、20 SB、69 RBIをマークし、ROYを受賞。
2022年は20HR、30SB、.263/.327/.445をマーク。この年は二塁打が41。
2023年は特に前半はレイズの快進撃を支える一人となり、シーズン通算では.254/.364/.425、23 HR、22 SB、83 RBIをマーク。3シーズン連続で20 HR、20 SB以上をマーク。今季も継続中です。
(YOUTUBE)Randy Arozarena’s best moments with the Tampa Bay Rays! (10 HR in 2020 postseason & MUCH MORE!)
レイズがGetしたプロスペクト
エイダン・スミスは2023年のマリナーズ4巡目指名で20才の右投げ右打ちのOF。今季はクラスAに所属し、284/.402/.470、9 HRをマーク。
ブロディ・ホプキンスは2023年のマリナーズ6巡目指名。22才のOF兼ピッチャー。2024シーズンはクラスAに所属し、OFとしては出場せず、もっぱら投手として登板。18先発で83.2 イニングを投げ、4勝3敗、ERA 2.90。今季の経験を足がかりに投手に専念していくのかもしれません。
打撃は見ていないのですが、これは投手としてはかなり良さそうですね。レイズはまた育て上げるんでしょうね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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