ドジャース、注目ローテーション右腕も獲得
現地2024年7月30日、トレード・デッドラインで注目されていたタイガースのローテーション右腕、ジャック・フラハーティのディールが成立。ロサンゼルス・ドジャースということになりました。
まずはトレードの中身を見てみます。
トレード概要
このディールで動くのは計3名。
ドジャースGet
- ジャック・フラハーティ(Jack Flaherty/28)RHP
タイガースGet
- セイロン・リランゾ ※(Thayron Liranzo/21) C、1B/右投げスイッチ
- トレイ・スウィーニー(Trey Sweeney/24) SS/右投げ左打ち
※セイロン・リランゾの表記は、今後変わるかもしれません。
ジャック・フラハーティ、TDLを前に先発を取りやめ
実はジャック・フラハーティは、現地7月29日(月)に予定されていたガーディアンズ戦の先発を急遽取りやめました。
トレード・デッドラインがすぐそこなのに、何か怪我でもしたのか?というのが第1印象。
これに対し、ジョン・ヘイマンさんは、「トレード・デッドラインに向けての取りやめである」とし、ディールがまとまりかけていることを匂わせました。実際、もしトレードが成立すれば、先発が出来なくなります。もう期限前日のことでしたので。いつディールが決まってもおかしくない状況ゆえ、確かにそれもあるのかと思いました。
1つ明らかなのは、タイガースはフラハーティをトレードに出す意思が明確であったことです。
どの道、タイガースでの最後の登板は無くなる方向に急遽舵を取られたので現場は大混乱。結果、29日の代役となったボー・ブリスキーは大乱調で1イニング持たずに降板し、タイガースは4-8で敗れました。
ヤンキースはディールを白紙に
上述のジョン・ヘイマンさんの「決まりかけ」の見解はさすがにソースがあったようで、ヤンキースがディール間近というのを掴んでいたのではないか?と思います。
そしてここに来てケン・ローゼンタールさんの独自取材で、ヤンキースがフラハーティを一旦はまとめたことを明かしました。トレードの際にはメディカル・チェックというのがありますが、実際に選手の体をチェックする場合と、書類によるチェックがあると思うのですが、どうやらヤンキースはジャック・フラハーティのメディカル・レコードを見て、一旦決まったディールを白紙に戻した模様です。
ドジャースがディールを決めたのはこの後です。
果たしてフラハーティの腕はどうなのでしょうか?
フラハーティのこれまで
彼の腕のコンディションを見ていくついでにキャリアを振り返ってみたいと思います。
ジャック・フラハーティは10月で30才になります。ドラフトは2014年のカージナルスの1巡目指名。2017年に21才でデビュー。このシーズンはお試しのような出場でしたが、2018年には28先発で151.0イニングを投げ、8勝9敗、ERA3.34をマーク。ROYの投票で5位に入りました。
翌2019年、ジャック・フラハーティはローテーションとしてフル稼働。33先発で196.1イニングを投げ、11勝8敗、ERA 2.75をマーク。奪三振は231を数え、WHIPは0.968。オフにはサイ・ヤング賞投票で4位に入る活躍。翌2020年の短縮シーズンは9先発で4勝3敗、ERA 4.91。
2021年は開幕2戦目から8連勝
凄かったのが2021年でした。 シーズン・デビューの2021年4月1日のレッズ戦では5回途中で6失点と荒れたものの、開幕2戦目の4月7日のマイアミ戦から5月19日のパイレーツ戦まで8戦に登板して8連勝をマーク。これはは1965年にボブ・ギブソンがシーズン最初の9先発で8勝を挙げたのに並ぶ素晴らしいフランチャイズ・レコード・タイに。10戦目は荒れてしまい、連勝は8でストップしました。
2021年、絶好調のまま離脱
しかし、2018年からの登板がたたったのか、ジャック・フラハーティーは左腹斜筋を傷めて2021年6月1日付けて60 Days ILに。2021年8月13日に復帰したものの、2021年8月25日には右肩を傷めてまたしてもILに。結局、このシーズンは11勝6敗、ERA 3.22に終わりました。
2022年はやはり右肩痛で36.0イニングでの登板で終わり、2023年に復活。2023年の前半は20先発でERA 4.43とまずますの数字をマーク。カージナルスはトレード・デッドラインで「売り」に回ったことから、オリオールズにトレード。オリオールズでは34.2イニングでERA 6.75と荒れました。
2023年12月にFAとしてタイガースとサイン。
2024年は18先発で106.2イニングを投げ、7勝5敗、ERA 2.95をマーク。素晴らしい成績を残し、このトレード・デッドラインを迎えました。
ヤンキースが現在の状態で判断したのか、過去の右肩痛の履歴で判断したのかわかりませんが、いずれにせよ、フラハーティの懸念事項は右肩ということになります。
なお、ジャック・フラハーティの今季の契約は1年/$14M (2024)です。
直近では大きな怪我はなく、ヤンキースの杞憂に終われば・・・というところです。
タイガースが獲得した2人
セイロン・リランゾは21才の捕手のプロスペクト。打席はスイッチ・ヒッティングです。今季はクラスA+で220/.344/.356、7 HR。2024年のフューチャーズ・ゲームに出場しています。
トレイ・スウィーニーは右投げ左打ちの24才のSS。2021年のヤンキースの1巡目指名。2023年11月にビクター・ゴンザレスとのトレードでドジャースに移籍。2024年はトリプルAで.255/.334/.427をマーク。デビューを待つばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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