大きな3チームトレード
現地2024年7月29日、ドジャース、カージナルスそしてホワイトソックス間で大きな3チーム・トレードが成立。このトレード・デッドラインで注目されていたホワイトソックスからトミー・エドマンとマイケル・コペック、そしてエリック・フェディーが動きました。
トレード概要
この3チーム・トレードの概要です。
ドジャースGet
from ホワイトソックス
- マイケル・コペック(Michael Kopech/28)RHP
from カージナルス
- トミー・エドマン(Tommy Edman/29)2B、SS、OF/右投げスイッチ
- オリバー・ゴンザレス(Oliver Gonzalez/17) RHP
カージナルスGet
from ホワイトソックス
- エリック・フェディー(Erick Fedde/31) RHP
- トミー・ファム(Tommy Pham/36)LF/右投げ右打ち
from ドジャース
- PTBNL(Player To Be Named Later:後日指名)
from ホワイトソックス
- キャッシュ
ホワイトソックスGet
from ドジャース
- ミゲル・バルガス(Miguel Vargas/24) 2B、 OF/右投げ右打ち
- アレクサンダー・アルバータス(Alexander Albertus/19) SS、3B、2B/右投げ右打ち
- ジャレル・ペレス(Jeral Perez/19) SS、3B、2B/右投げ右打ち
- PTBNL or キャッシュ
ドジャースのディール
ドジャースの投手の怪我人の状況はご承知の通りです。下記のリンクの記事内からはクレイトン・カーショウ、タイラー・グラスノーが復帰し、若干のアップデートはありますが、大筋はそれほど変わりません。
野手はムーキー・ベッツ(死球による骨折)、マックス・マンシーだけでなく、ミゲル・ロハスの前腕部痛なども発生し、慌ててSSを補強している状況。
ドジャースは、ラインナップの複数の弱点をカバーするために必要なユーティリティーの獲得と、MLSの関係でクラブが支配下における環境のハードスロー・リーバーを獲得しました。
トミー・エドマンはこれから復帰予定
トミー・エドマンはドジャースにとってクリス・テイラー、キケ・ヘルナンデスに次ぐ3人目のスーパー・ユーティリティーとなります。しかも彼はスイッチ・ヒッティングゆえ大谷選手やフレディー・フリーマンら左打席のハード・ヒッターの多いドジャースにさらなる選択肢をもたらしそうです。
トミー・エドマンは2020年以降、シーズンの殆どのゲームに出場。2021年は2Bとしてゴールドグラブ賞も受賞し、守備は2Bの他、SS、3B、そしてOFもこなします。2021年のAB(At Bat) 641はこの年のナ・リーグのトップ。
2022、2023の2シーズンを併せて.264/.316/.393をマーク。非常に生産的でしかも安定感があります。SBも2シーズン計で62個。ドジャースはマンシーの穴を埋めきれていない3B、あるいはOFでの起用を見込めます。
そのトミー・エドマンですが、今季はまだ出場なし。スプリング・トレーニングで右手首を捻挫し、60 Days ILに入っていました。そのリハビリも終わり、そろそろ復帰することを見込んでの獲得ということになります。
トミー・エドマンは2024年1月時点でMLSが4.114。2023年の活躍からカージナルスは2024年1月に2年/$16.5M (2024-25)+アウォード・ボーナスで延長契約済み。来季の契約終了でFA資格取得となります。
マイケル・コペックも獲得
ホワイトソックスが沈んだことにより、トレード・デッドラインのターゲットとなったマイケル・コペックは2014年のレッドソックスの1巡目指名。100mph右腕をウェンウェイで見たいと思っていたのですが、レッドソックスがクリス・セールを獲得したトレードでホワイトソックスへ移籍。
衝撃デビューとなりましたが、2018年9月にUCLの損傷が発覚し、トミー・ジョン手術へ。
2020年に復帰予定でしたが、短縮シーズンの2020年はオプトアウトしました。
トミー・ジョン手術から復帰して以降のコペックは見た目は惚れ惚れする投球なのですが、数字があまりついてきておりません。せっかくの素晴らしいボールも、伸び悩んでいるという状態。
まだ二桁を超えたことがなく、2024年はブルペンに回っています。今季は43試合、43.2イニングで2勝8敗、ERA 4.74。ここ2年はチーム状態の影響も反映された数字ではありますが、なかなか本来の力を発揮出来ていない状況が続いています。チーム状態がホワイトソックスとは段違いなドジャースに入り、当分はゲーム終盤の登板になりそうです。ドジャースはエバン・フィリップスがリードを吹き飛ばす試合が続いており、コペックの豪速球でゲーム終盤を締めたい考えです。
カージナルスから獲得したオリバー・ゴンザレスはまだこれからのプロスペクト。ドジャースはこのディールでさえもしっかりとプロスペクトを獲得。彼が化けるかどうかはまだわかりませんが、こうやってプロスペクトを補充していくのも大事なことですね。
カージナルスのディール
カージナルスは、シーズン当初はブルワーズと競るポジションでいながら、今ひとつ決め手に欠け、現時点ではポール・スキーンズとオニール・クルーズが際立った活躍を見せているパイレーツに追い上げをくらい、ナ・リーグ中地区の2位争いをしている状況。
現地2024年7月29日時点はワイルドカード3枠目から2.0ゲーム差。 ただ、ワイルドカード・トップのブレーブスが怪我人続出で勢いを無くしているため、まだまだポストシーズンへのチャンスはあります。
そんなカージナルスは、ホワイトソックスからローテーションの柱とポイントゲッターを獲得。
エリック・フェディーはCWSで7勝4敗!
厳しい状況のホワイトソックスにいながら、7勝4敗、ERA 3.11という際立った成績を残しているエリック・フェディーは今トレードドッドラインで上位に名前が上がる投手でした。
2023年にKBOで投げた右腕は制球力を増してMLBに復帰。BB9は2022年の4.1から2.5に縮小。素晴らしい投球を見せています。
カージナルスではマイルズ・マイコラス、ソニー・グレイ、カイル・ギブソンに次ぐローテーションの柱として機能しそうです。
トミー・ファムは今季も健在
2023年のトレード・デッドラインでメッツからDバックスに移籍したトミー・ファムはDバックスのワールドシリーズ進出に大きく貢献。
評価すべき働きぶりでしたが、オフの市場では年齢の高いOFということでなかなかディールが決まらず、開幕後の4月16日にホワイトソックスとサインしました。加入後、このトミー・ファムのおかげでホワイトソックスは一旦は上昇機運に乗りました。しかし、チームの状態は申告で2年連続でバッティング・ヘルプとしてコンテンダーのクラブに入ることに。
今季は70試合で.266/.330/.380をマーク。やはり安定しています。
この成績ゆえ、OFの打撃補強で必ずどこかが獲得に手を挙げると思われましたが、カージナルスが獲得しました。
カージナルスはブレンダン・ドノバン(LF)、マイケル・シア二(CF)、ラーズ・ヌートバー(RF)、アレク・バールソン(DH)らOFとDHが左打者に偏っており、その意味で左投手に対する成績が、.255/.377/.471のトミー・ファムはプラトゥーン起用(左右使い分け)で起用されることが予想されます。
ホワイトソックスのディール
今トレード・デッドラインのターゲットの選手を多く抱えるホワイトソックスは、ドジャースのミゲル・バルガスを獲得。24才で今季のMLSは0.142(2024/1月時点)で、まだまだコントロール下における期間が長いのが魅力。今季は30試合の出場で.239/.313/.423、HR 3。
アレクサンダー・アルバータスは19才でSSができる右打席の内野手。今季はルーキー・リーグとクラスAを併せて.298/.420/.409。
ジャレル・ペレスも19才でSSができる右打席の内野手。2024年のフューチャーズ・ゲームに出場しています。
大きなトレードとなりました。レッドソックスにはぜひマイケル・コペックの復帰を!と思っていましたが、ドジャースに。彼が本来の力を発揮してくれることを願いたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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