動き出したトレードデッドライン
現地2024年7月25日、ウェーバー公示無しにトレードで選手を獲得できる期限、いわゆるトレード・デッドラインを翌週火曜日に控える中(7月30日)、ついにマーケットが動き出しました。
オールスター前にポストシーズンが見えてきた前年のナ・リーグ覇者のアリゾナ・ダイヤモンドバックス(以下Dバックス)がマイアミ・マーリンズの主要ブルペンであるA.J.パック(A.J. Puk)を獲得に至りました。
トレード概要
ではトレードの中身を見てみます。
DバックスGet
- A.J.パック(A.J. Puk/29)LHP
マイアミ・マーリンズGet
- デイビソン・デロスサントス(Deyvison De Los Santos/21)3B or 1B/右投げ右打ち
- アンドリュー・ピンター(Andrew Pintar/23)CF or 2B, SS/右投げ右打ち
計3名が動くトレードとなり、マイアミが獲得した2人はプロスペクトの野手です。
DバックスはA.J.パックのロスターを空けるため、左腕リリーバーのジョー・ジャケスをDFAとしました。ジョー・ジャケスは今季の初登板に失敗。1.1 IPで2失点を喫し、ERAは13.50。
Dバックス、強エンジン左腕のパックを獲得
いよいよポストシーズンが見えてきたDバックスはGMのマイク・ヘイゼンがトレード・デッドラインではバイヤーとして動くことになり、獲得するのは野手あるいはブルペンと言っていましたが、その通りの補強となりました。
もはや左の強打者を揃えるドジャースを想定しての補強であることは間違いないところです。
2023年はトレード・デッドラインでマリナーズからクローザーのポール・シーウォルドを獲得。見事にはまりました。今年もゲーム後半を任せられる豪腕サウスポーを獲得です。
A.J.パックはクローザーにつなぐ7回、あるいは8回のセットアップとして起用することになりそうです。Dバックスは今季もライアン・トンプソン、ケビン・ギンケルが素晴らしく機能。ゲーム終盤の難しい局面での登板が多い中、ライアン・トンプソンは40試合でERAは1.63。ケビン・ギンケルは44試合でERAは2.64です。この2人は本当に素晴らしいですね。ライアン・トンプソンは右サイドワインダー、ケビン・ギンケルは右オーバーハンドです。そこにA.J.パックが入るのですから、もうゲーム終盤はかなり盤石。ポール・シーウォルドの登板過多気味になった場合は彼らのいずれかがゲームを締めることも出来ます。
2024年のA.J.パック
今季のA,J.パックはリードしている展開があまりないため、特別多く投げている訳ではありません。32試合で44.0 IP。成績は4勝8敗、ERA 4.30。ERAは高く見え、事実、SO%、BB%は前年比で悪化。SO%は32.2%から23.6%へ、BB%は5.4%から12.0%へ。ただ、もっと強いチームで投げて数字はもっと良くなっていると思います。
武器は強い4シーム
A.J.パックの最大の武器はやはり強い4シーム。エンジンが違うというくらいに強烈な左腕です。ショート・イニングとは言え、今季の4シームのアベレージは94mph。アベレージでこれですから、MAXはかなり速いですね。彼の場合、チェンジアップのアベレージ・ベロシティーであっても90.3mphと90mph超え。それに加え、シンカー、スプリット、スライダーもあり、非常に多彩です。ゲーム後半に出てくると狙い球を絞らないとなかなか対応が難しい投手です。
彼のプロフィールの紹介は下記の記事をご参照ください。彼も2年連続でトレード・デッドラインで動いたということになります。1995年4月25日生まれの29才で、大谷選手の1つ下です。フルネームは”Andrew Jacob Puk”。2016年のアスレチックス1巡目指名の投手で、トミー・ジョン手術を2度実施しています。
(マイアミ) デイビソン・デロスサントス
マイアミが獲得した1人目、デイビソン・デロスサントス(発音はこれで良さそうです)は2003年6月21日生まれの21才。ドミニカ共和国出身です。
2024年はダブルAで開幕を迎え、すでにトリプルAへ昇格済み。長打力が魅力で、今季はダブルAとトリプルAの数字を併せて.325/ .376/ .635/ 1.011、28 HRをマーク。
2024年のフューチャーズ・ゲームにも出場。もうすぐにでもデビューしそうな若手の大砲です。
(マイアミ)アンドリュー・ピンター
アンドリュー・ピンターは2001年3月23日生まれの23才。2022年ドラフトのDバックスの5巡目指名。かつてはU12のUSA代表にも入っていたようです。
現在はダブルAに所属。今季の大半はクラスA+で、出場試合は40試合で成績は304/.403/.516。
マイアミは今季早々からトレード・デッドラインでの「売り」を宣言。パックを売って、野手のプロスペクトを獲得しました。これが将来につながればよいですね。
お読みいただき。ありがとうございました。
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