ベリンジャーのトレードがついに決まる
現地2024年12月17日、ヤンキースとカブスの間で大きなトレードが成立。このオフ、トレードの噂が高かったカブスのコディー・ベリンジャーがヤンキースに移籍することとなりました。
このトレードでカブスはかなりのコストダウンに成功しております。
またカブスはアストロズから同じ左打席のOFであるカイル・タッカーを獲得していることから、ベリンジャーの移籍はほぼ秒読みではありました。
トレード概要
トレードは1:1。
ヤンキースGet
- コディー・ベリンジャー(Cody Bellinger/29)CF or 1B/ B:L T:L
- キャッシュ・コンシダレーション ($5M/ 2025-2026)
カブスGet
- コディー・ポティート(Cody Poteet/30)RHP
動くのはともにコディーさんですね。
キャッシュ・コンシダレーションの意味
動くのは2人ですが、カブスからヤンキースには$5M/年 x 2年のキャッシュ・コンシダレーションがついており、一見、カブスが損をしているように見えますが、実態は逆でカブスはこのトレードで大きなコストダウンを実現しております。
コディー・ベリンジャーの契約
カブスとコディー・ベリンジャーの契約はこのようになっていました。こちらは2024年2月25日に決まったディールです。もうカクタス・リーグが本格化しようかというタイミングで、ディール成立が遅かったのは、2023シーズン終了後のホット・ストーブ・リーグの特徴でした。エージェントはボラス・コーポレーション。今オフ、ボラス氏が積極的にディールを早期にまとめようとしているのはこの辺りの教訓から。
- 3 年/$80M (2024-26)
- $27.5M(2024)
- 2025 $27.5M プレーヤー・オプション ($2.5M バイアウト)
- ベリンジャーは2024年11月2日にプレーヤー・オプションを行使済み
- 2026: $25M プレーヤー・オプション ($5M バイアウト)
すでに今オフにプレーヤー・オプションを行使していたコディー・ベリンジャーは2025年は$27.5M のサラリーが決まっていました。2026年もプレーヤー・オプションが設定されており、ベリンジャーの意思でオプション行使の判断を下すことになっています。
トレードの場合、受け入れる側が契約をのむことなりますから、2025年以降の支払いはヤンキースが行います。ただ、今回のキャッシュ・コンシダレーションではカブス側が2025年と2026年のサラリーのうち、それぞれ$5M/年を負担することとなり、カブスは2025年の$27.5Mの支払いが$5Mで収まったということに。2026年も同様です。
2年間で$52.5Mだった支払いが$10Mにとどまりました。
一方のヤンキースはカブスの$5M/年の負担により、若干減額となった程度です。フアン・ソト争奪戦に参加していたヤンキースですから、この辺りは金銭感覚としては安いものというところでしょうか??
親子でピンストライプ
コディー・ベリンジャーはアリゾナ州の高校を出ているのですが、実はお父さんもメジャー・リーガーでしかもヤンキースのプレーヤーでした。
父はクレイ・ベリンジャー(Clay Bellinger)で、現在56歳(現地2024年12月17日時点)。右投げ右打ちのOF兼1Bで1999年から2002年までMLBに在籍し、このうち1999年から2001年までの3シーズンをヤンキースで過ごし、計181試合に出場。デレク・ジーターの全盛期で1999年と2000年にワールドシリーズを制しています。ただ、お父さんはあまり打っていなかったのですが、1999年はALCSまでロスター入りし、WSではロスター外。2000年はワールドシリーズまでロスターに入っております。
これで親子でのピンストライプということになりました。
選手紹介
(NYY)コディー・ベリンジャー
コディー・ベリンジャーは1995年7月13日生まれの29歳。ドラフトは2013年のドジャースの4巡目指名。
2017年に21歳でデビューを果たしたコディー・ベリンジャーは132試合に出場し、128安打を放ち、.267/.352/ .581、OPS .933、HR 39、RBI 97、二塁打 26、三塁打 4と圧倒的な成績を残し、オールスター出場、ROYを実現。さらにMVP投票でも9位に入りました。
2018年は162試合にフル出場し、145安打を放ち、.260/.343/.470、OPS .814、HR 25、RBI 76をマーク。2018年のNLCSのMVPに輝いています。
さらに凄かったのが2019年。156試合に出場し、170安打を放ち、.305/.406/ .629をマーク。OPS は1.035で、HR 47、RBI 115、しかも盗塁も15個も決め、オールスター出場、NL MVP受賞、ゴールドグラブ賞受賞、シルバースラッガー賞受賞とベリンジャーのためのシーズンという活躍を見せたのでした。
脱臼→脚、肋骨と怪我に見舞われる
そんなベリンジャーは2020シーズンは開幕遅延で調整が難しかったのか、打率を.239まで落としました(レギュラーシーズンでは.239/.333/.455、OPS .789、HR 12、RBI 30をマーク)。
そして、このシーズン、ドジャースはWSを制覇した訳ですが、NLCS Game7において、キケ・ヘルナンデスとのHRセレブレーションで右肩を脱臼してしまいます。
この年、ワールドシリーズ制覇を経験したのですが、このシーズンから徐々に成績を落とすことに。
2021年は脱臼した右肩は完治。開幕ロスターにも名を連ねたものの、脚、さらに肋骨を故障し、95試合の出場にとどまり、打率はなんと.165と急降下。
2022シーズンは144試合に出場するも、かつての輝きはなく、打率は.210。2019年に.400を超えていたOBPもわずか.265。
ノンテンダーへ
かつてMVPを獲った選手が、2022年オフにはノンテンダーに。これはかなり衝撃的でした。サラリーが1年/$17M (2022)でしたから、削減対象となってしまいましたね。
2023年に復活
ノンテンダー後、カブスと1年/$17.5M (2023)+ 2024 ミューチュアル・オプションでサインしたベリンジャーは130試合に出場し、153安打を放ち、.307/.356/.525、OPS .881、HR 26、RBI 97と復活。
オフにミューチュアル・オプションを拒否し、FA市場に出たものの、なかなか決まらず、上述のカブスとの3年契約にサイン。
2024年は130試合に出場し、.266/ .325/ .426、OPS .751、HR18、RBI 78とまずまずの成績を残していたのでした。
NYYではソトの枠
ヤンキースはソトが抜けたことから、OFのバットとRFが空いておりました。またアレックス・ベルドゥーゴもFAで抜けておりますので、OFが欲しかったというのがありました。
【CHC】コディー・ポティート
ポテトを英語読みしたら、こう読むというコディー・ポティートは30歳の右腕。ドラフトは2015年のマーリンズの4巡目指名。
デビューは2021年で26歳の時です。7試合に先発し、2勝3敗、ERA 4.99。2022年8月にトミー・ジョン手術を行っており、オフにマイアミからリリース。ロイヤルズとマイナー契約を結ぶも2023年は登板がなく、オフにリリース。
2024年1月にヤンキースとサイン。2024年は大半をトリプルAで過ごし、10試合で3勝0敗、ERA 4.12。メジャーでは5試合(4先発)で24.1 IPで3勝0敗、ERA 2.22と良い傾向を見せておりました。
手術前の4シームのアベレージベロシティーは94.9mphでしたが、2023年は93.3mphに低下。本格復帰となる2025年は手術前のベロシティーが戻ってくるかと思います。カブスの先発に食い込めれば良いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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