ブレーブスとエンゼルスでトレードが成立
ワールドシリーズの余韻がまだ冷めやらぬ中、大物選手のトレード成立でストーブ・リーグが早くも開幕しました。
現地2024年10月31日、ブレーブスとエンゼルス間で1:1のトレードが成立。ブレーブスのホルヘ・ソレアーがエンゼルスに移籍することになりました。
トレード概要
トレードが決まった以下の2名の年齢は現地2024年10月31日時点の満年齢です。
エンゼルスGet
- ホルヘ・ソレアー(Jorge Soler/32)DH or OF/右投げ右打ち
ブレーブスGet
- グリフィン・カニング(Griffin Canning/28)RHP
ホルヘ・ソレアーの契約
このトレードで真っ先に気になったのはホルヘ・ソレアーの契約をどちらがもつのか?という点。
2024年に向けたFA市場で注目選手の1人であったホルヘ・ソレアーは現地2024年2月13日にサンフランシスコ・ジャイアンツと3年のマルチイヤー・ディールを決めました。その内容は以下の通り。
- 3年/$42M (2024-26)
- サイニング・ボーナス:$9M
- $7M(2024), $13M(2025) , $13M(2026)
ソレアーはこれで新契約2度目のトレード
ホルヘ・ソレアーは2024年のトレード・デッドラインでブレーブスに移籍。
この背景は所属先のジャイアンツが4月半ばから浮上のきっかけがなく、勝率5割を切る周辺で7月までホバリングし続け、ライバルのドジャースからは遠のく一方となったため、実質的な白旗を上げ、トレードデッドラインで売りに出たというのが一点。
そしてブレーブスもロナルド・アクーニャ・Jr.のシーズン・エンディングの怪我を筆頭に、オジー・アルビーズまで長期離脱を余儀なくされ、バットが足りなくなったがゆえに、ワールドシリーズチャンプになった2021年同様にソレアのバットに救いを求めたというものです。
この時、ブレーブスはジャイアンツからホルヘ・ソレアーの2024年の$7Mのサラリーの残額と2025年以降の計$26Mのサラリーを引き継ぎました。
今回のトレードではエンゼルスがソレアーの2025年からの計$26Mを全額引き継いだ模様です。よってブレーブスはソレアーには実質的に$3M程度の支払いで打撃力をカバーしてもらったという具合です。
今回のトレードの背景
ブレーブスの背景
ではブレーブスがどうしてホルヘ・ソレアーを出すことになったかというと、1つはマーセル・オズーナの存在。ホルヘ・ソレアーはOFも守りますが、打撃が中心の選手でどちらかというと外野の守備には目をつむらないといけないレベルの選手。本業は?と聞かれればDHとなるでしょう。
ブレーブスのDHロールはもう間違いなくマーセル・オズーナで、2024シーズンも途中までは大谷選手とHRタイトルを競っていたほど。長打だけでなく、コンタクトも優れています。
それに上述の守備の面では2025年はロナルド・アクーニャ・Jr.も復帰予定ですし、ソレアのチーム内でのポジションはかなり危うい立場になるのが必至で、このオフはトレード要員としてカウントされるくらいでした。
また、ブレーブスは、2023年、2024年と贅沢税の基準額を2年連続で超過。ロスターにフィトしないソレアーの$13Mを2025年に計上するのは賢明ではないです。
エンゼルスの背景
そんなソレアーもDHならかなりの需要があるのは確かで、2024年は貧打に苦しんだエンゼルスが手を挙げたというところでしょう。2024年、エンゼルスでDHを務めた選手は18人!!その合計成績は.222/.299/.328。打撃専門でこの数字です。よってソレアーのバットに期待するところが大きいです。
ただし、エンゼルスはとにかく契約が下手。過去の成績にとらわれ、戦力を見誤りがちです。ディールにGOサインを出しているのはおそらく財布を握っている立場の人。ホルヘ・ソレアーはマーリンズ時代の2023年は36HRを放ち、素晴らしかったです。32才となった2024年は落ちました。2025シーズンは開幕時で33才。果たして期待通りの成績を出すかどうか?これは注目ですね。
Season | BA | OBP | SLG | OPS | HR | RBI |
---|---|---|---|---|---|---|
2023 | .250 | .341 | .512 | .853 | 36 | 75 |
2024 | .241 | .338 | .442 | .780 | 21 | 64 |
グリフィン・カニングはATLで羽ばたくか?
日本でもお馴染みとなっているグリフィン・カニング。きれいなフォームで投げる投手です。
UCLA出身で2017年のエンゼルスの2巡目指名の右腕。良い投手には違いないのですが、今ひとつ締まった数字を残せなかったのが、これまでのカニング。直近では2023年に127.0イニングを投げてERA 4.32、SO%は25.9、BB%は6.7。2024年は171.2イニングを投げ、ERA 5.19、SO%は17.6、BB%は8.9。
SO%、BB%ともに2年連続でリーグ平均よりいい数字は出しているのですが、2024年は双方ともにダウン。その要因の一つはベロシティーの低下。2023年は94.7mph、2024年93.4mph。ベロシティーが低下したことによりコマンドも粗くなってしまったのでは?とも言えます。
シンカー、スライダー、カーブ、チェンジアップとオーソドックスな変化球を操るのですが、やはりスライダー投手という印象。これといったウィニングショットがないのも痛いところです。ヤンキースで大きな信頼を得たルーク・ウィーバーがチェンジアップに磨きをかけたように、何か際立った変化球をつくってもらいたいところです。
ブレーブスにはトミージョン手術から復帰するスペンサー・ストライダー、サイ・ヤング賞のクリス・セール、レイナルド・ロペスがいますが、マックス・フリード、チャーリー・モートンはFA。スペンサー・シュウェレンバック、AJ・スミス=ショーバー、イアン・アンダーソン、ブライス・エルダー、ハーストン・ウォルドレップらとローテーションの枠を争うことになりそうです。
なお、グリフィン・カニングは2024年を終えてMLSが5.000を超えたため、本人の同意なしにマイナーにオプションすることはできません。このマイナー・オプションなしをブレーブスがどう捉えるか?です。2024年のサラリーは1年/$2.6M (2024)でした。2025年のサラリーはそのマイナー・オプションなしと絡めていくらくらいにするのか?も見ものです。
ブレーブスという強いクラブに入ることでグリフィン・カニングが変わるのか?注目したいところですね。お読みいただき、ありがとうございました。
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