ガーディアンズが出したことに驚き!
現地2024年12月10日のこととなりますが、ブルージェイズとガーディアンズの間で大きなトレードが成立しましたね。成立した日に書ききれなかったので、備忘録として書いておきます。
ガーディアンズはゴールド・グラバーの2B、アンドレ・ヒメネス(Andrés Giménez)をブルージェイズにトレードに出しました。これには驚かされました。
このトレードは今ウィンター・ミーティングで成立した初のトレードでもありました。
トレード概要
まずはトレード全体のお話から。このトレードは2:2。人数は均衡ですが、ガーディアンズ側はどうなの?と思ってしまいます。
ブルージェイズGet
- アンドレ・ヒメネス(Andrés Giménez/26)SS/ B: L T: R
- ニック・サンドリン(Nick Sandlin/28)RHP
ガーディアンズGet
- スペンサー・ホロウィッツ(Spencer Horwitz/27) 1B or 2B/ B: L T: R
- ニック・ミッチェル(Nick Mitchell/21) OF/ B: L、T:R
背景はサラリー削減
ガーディアンズが高額選手をトレードに出すことはとは決して珍しいことではありませんが、2022年から2024年まで3年連続でAL 2Bのゴールド・グラブを受賞しているアンドレ・ヒメネスをまさか出すとは思いませんでした。
というのも、サラリーを削る傾向にあるガーディアンズではありますが、ホセ・ラミレスと7 年/$141M (2022-28)で契約しているように、主力だけは手放さないという方針を見せていたからです。アンドレ・ヒメネスはガーディアンズの中ではホセ・ラミレスに次ぐキープレーヤーというポジションでもあったのでまさか!でした。
それにはやはりアンドレ・ヒメネスのサラリーの高騰もあるように思います。
アンドレ・ヒメネスの契約
アンドレ・ヒメネスは2023年3月28日にガーディアンズと延長契約でサイン。
調停期間+FAの4年間という内容でした。
- 7年/$106.5M(2024-2029) + クラブオプション
- サイニング・ボーナス $4M
- $1M(2023)、$5M(2024)、$10M(2025)、$15M(2026)、$23M(2027)、$23M(2028)、$23M(2029)
- 2030 $23M クラブオプション ($2.5M バイアウト)
- 2030年のクラブオプションの行使時はMVP投票で5位以内でそれぞれの順位で$0.5Mずつアップし、最大で$1Mアップ
- アウォード・ボーナス:
- MVP: $0.25M( 2位:$0.15M、3位-4位:$0.075M)
- ASG、WS MVP: $0.1M
- GG、SS、LCS MVP:$0.05M
- トレード・ボーナス:$1M
上記のように2025年は$10Mにアップ、それ以降もかなり高額です。
2022年が良すぎた!
過去3年のアンドレ・ヒメネスの主要打撃成績は下記の通り。
Season | BA | OBP | SLG | OPS | RBI | HR | BB | SO | SB |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | .297 | .371 | .466 | .837 | 69 | 17 | 34 | 112 | 20 |
2023 | .251 | .314 | .399 | .712 | 62 | 15 | 32 | 112 | 30 |
2024 | 252 | .298 | .340 | .638 | 63 | 9 | 26 | 97 | 30 |
2022年、クラブのニックネームがガーディアンズに変わった初年、戦前の予想を大きく裏切ってALセントラルを制覇したガーディアンズですが、その牽引力の1つとなったのが、二遊間の打撃で当時SSのアーメッド・ロザリオとアンドレ・ヒメネスがともに3割近くの打率を誇ったのです。上記のアンドレ・ヒメネスの2022年の打撃成績は素晴らしいの一言です。OBPが.371ですから、いかに出塁したかですね。そして油断できなかったのがHR数。メジャーの場合は小技の効くリードオフ系の選手でも年間10-15HRほど欲しいところを17HRもマーク。それ未満だと一発はないと割り切られますので、攻め方が変わってきます。
その素晴らしかった成果をもとに上記の長期契約が成立しました。
改善はしている
2023、2024年の打率はともに.250台。これはおそらく本来のアンドレ・ヒメネスの数字と言っていいと思います。BBが多いともっと打率は上がるはずですが、そこはまだ伸び代というところでしょうか。そして三振の数が2024年は二桁となっていることから、改善はしいます。
3年連続でGG受賞で、2023年のALプラチナ・グラバーですから守備は超一流。ブルージェイズも2022年に近い打撃を期待してのトレードでしょう。
選手紹介
【TOR】アンドレ・ヒメネス
アンドレ・ヒメネスに関してはほぼ、上述の通りです。1998年9月4日生まれの26才。2025シーズン終盤に27才になります。ベネズエラ出身。
もともとは2015年7月にアマチュアFAとしてメッツとサイン。16才の時です。2016年にドミニカ・サマー・リーグでプロデビューし、2019年までマイナーで過ごし、最高はダブルA。
開幕が遅れた2020年にメジャー・デビュー。トリプルAを経ずに上がってきたことになります。2020年、21才でメジャー・デビューしたアンドレ・ヒメネスは60試合中、49試合に出場。打率.263、OBP .333、SLG .398、HR 3、RBI 12をマーク。
2021年1月、フランシスコ・リンドーアとカルロス・カラスコが動いたブロックバスター・トレードでSSのアーメッド・ロザリアとともにガーディアンズに移籍。2021年は苦戦し、68試合で打率.218、OBP .282、SLG .351、HR 5、RBI 16に終わりました。
そして2022年に大活躍したという流れです。
【TOR】ニック・サンドリン
ニック・サンドリンは1997年1月10日生まれで2025シーズンは28歳で開幕を迎えます。ドラフトは2018年のインディアンスの2巡目指名。
2021年にデビューし、以降ブルペンでの起用となり、先発経験もありますが、オープナーでの登板です。2022年に45試合登板でERA 2.25と素晴らしい数字を残し、2023年は61試合で5勝5敗、ERA 3.75、2024年は68試合に登板して8勝0敗、ERA 3.75をマーク。ここ3年はブルペンで非常に良い働きを見せており、ベンチにとってはありがたい投手と言っていいでしょう。
ショートアームからのサイドワインダーでボールに威力があります。サイド・ワインダーということで左打者との対戦が気になりますが、2024年は右打者の打率が.226、左打者は.217と左打者をかなり抑えています。
【CLE】スペンサー・ホロウィッツ
ガーディアンズがアンドレ・ヒメネスの代わりに獲得したのがスペンサー・ホロウィッツで1997年11月14日生まれの27歳。ドラフトは2019年のブルージェイズの24巡目指名。
ホロウィッツはマイナーで輝かしい実績を残しており。2022年から2024年までシーズンの一部をトリプルAで過ごし、トータルで208試合に出場し、.316/.433/.471、HR 16。
打撃力は素晴らしいものの守備力が落ちるため、出場機会は限られておりました。また、マイナーでも1Bを守る機会が多かったです。
2023年にデビューし、15試合で.256 .341 .385、HR 1、RBI 7をマーク。2024年は97試合に出場し、265/ .357/ .433、OPS .790、HR 12、RBI 40。
ブルージェイズは1Bと2Bで半々くらいに起用してきましたが、ガーディアンズはどうするのか?ちょっとみものです。ガーディアンズは1Bにはジョシュ・ネイラーがおりますし、2Bでは明らかにアンドレ・ヒメネスに劣ります。
そう考えるとガーディアンズにとっては疑問符の残るトレードではありますが、果たしてどうなるのか?
【CLE】ニック・ミッチェル
ガーディアンズが獲得したもう一人はプロスペクトのニック・ミッチェル。2024年のブルージェイズの4巡目指名のOF。右投げ左打ち。
ドラフト・イヤーの2024年はいきなりのクラスAでの抜擢で22試合に出場し、.289/.350/.467、HR 4、RBI 13。2022年、NCAA1年の時は30盗塁を記録していることから、スピードはかなり自信がありそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント