G・コール離脱のヤンキースは獲得ならず
現地2024年3月13日、今オフのトレード・ターゲットでずっと名前が上がっていたホワイトソックスのディラン・シーズの行き先がようやく決定。
ゲリット・コールがエルボー・イシューを抱え、緊急事態となったヤンキースが何が何でも獲得に乗り出すと見られていたものの、獲得したのはパドレスでした。ホワイトソックスにとってはパドレスとのディールの方が魅力があったということですね。
トレード概要
パドレスのPOBO(President of the Baseball Operations)のA.J.プレラーが提示した条件は確かに魅力的なものでした。ご覧の選手が動くことに。
パドレスGet
- ディラン・シーズ(Dylan Cease/28) RHP
ホワイトソックスGet
- ドリュー・ソープ(Drew Thorp/23) RHP
- ハイロ・イリアルテ(Jairo Iriarte/22) RHP
- サミュエル・ザバラ(Samuel Zavala/19) OF/左投げ左打ち
- スティーブン・ウィルソン(Steven Wilson/29) RHP
ディラン・シーズ1人に対して、トップ・プロスペクト右腕が2人に、将来性のあるOF、そしてメジャー・リーガー1人という内容。ホワイトソックスもここぞとばかりに強気に出たと思われ、A.J. プレラーも大いに応えたというのがよくわかるディールとなっております。
大きな需要のあったディラン・シーズ
2019年頃から至宝が揃い出したホワイトソックスでしたが、そのプロスペクト達に怪我が発生するなど新陳代謝がうまく行かず、結局、ポストシーズンに進出したのは2020年と2021年のみ。2022年には勝率.500、2023年は101敗を喫し、今オフはリビルドに入りました。
当然のことながら、エースのディラン・シーズは今オフはトレード・ターゲットとして早々から名前が上がり、色々な噂が出ては立ち消えとなり、結局、このままホワイトソックスで開幕を迎えることになる様相を呈していました。ヤンキースはすでに獲得に乗り出したものの、ディールが立ち消えとなった1つでしたが、ここに来てゲリット・コールにエルボー・イシューが発覚したことから、再度猛プッシュをかけていたところに、パドレスが華麗にかっさらったという結果となりました。
パドレスが獲得に動いた背景
A.J.プレラーがディラン・シーズをアグレッシブに獲得に行った背景には、柱となるローテーションの人数があまりにも足りなかったという背景があります。パドレスは今オフにサラリー削減を実施。フアン・ソトも出しましたし、何よりセス・ルーゴ、マイケル・ワカ、ブレイク・スネルというローテーションの柱を次々と放出。これだけ出せば、そうなりますね。クローザーのジョシュ・ヘイダーもいなくなりました。
安定しているのは、現地20日、21日(日本時間21日、22日)に行われる海外オープニングでのドジャース戦の先発が決まっているダルビッシュ投手(Gm1)とジョー・マスグローブ(Gm2)の2人と、ソトとのトレードで獲得したマイケル・キングの3人くらい。この3名以外は計算が立たないという未知の力。良いように振れるかもしれませんが、逆もあり。よって大きなメリットを計算できるディラン・シーズをかなりの切迫感で獲得に乗り出したのでした。シーズは上述の通り、FAまであと2年の猶予があるのもポイントでした。
【SDP】ディラン・シーズとは
ディラン・シーズは1995年12月25日生まれの28才。MLSは4.089で調停2年目というステータスでした。
ディラン・シーズのプロ入りは、2014年のアマチュア・ドラフトで、カブスから6巡目指名を受けてのものでした。高校卒での指名です。マイナー時代の2017年のトレード・デッドラインでカブスがホセ・キンタナを獲得したトレードでエロイ・ヒメネスらとともにホワイトソックスへ移籍。
メジャー・デビューはその2年後の2019年でディラン・シーズが23才のシーズンです。この年は14スタートで73.0 イニングを投げ、4勝7敗、ERA 5.79。翌2020年(短縮シーズン)は、12スタートで58.1イニングを投げ、5勝4敗、ERA 4.01。この2年はBB9が4.7と高かったのが今ひとつ結果が伴わなかった要因でもありました。
大きく飛躍したのは2021年で、32スタートで165.2イニングを投げ、13勝7敗、ERA 3.91をマーク。BB9は3.7に下がり、SO9は12.3と素晴らしい数字をマークしました。
翌2022年も32スタートをこなし、184.0イニングで14勝8敗、ERA 2.20。BB9は3.8でSO9は11.1。このオフにはサイ・ヤング賞投票で2位になり、ディラン・シーズの名声が確固たるものになったシーズンでもありました。
2023年はホワイトソックスの悪いチーム状態もあり、33スタート、177.0イニングをこなすも、7勝9敗、ERA 4.58に終わっていました。
【CWS】ドリュー・ソープとは
ホワイトソックスが獲得したドリュー・ソープは23才の右腕で、2022年のヤンキースの2巡目指名。彼はフアン・ソトとのトレードで獲得した右腕です。下記記事にも書きましたが、ヤンキースがよく彼を手放したなというくらいの右腕。
【CWS】ハイロ・イリアルテとは
ハイロ・イリアルテは22才の右腕でベネズエラ出身。2023年にはダブルAまで昇格し、まもなくメジャーへ上がるというステータスの右腕で、ダブルAでは29.1 IPで51奪三振という恐ろしい数字を叩きだし、SO9はなんと15.9。ホワイトソックスはウハウハです。このディールの決め手になったのは彼ではないか?と思えるほどの逸材。完成するかどうかはホワイトソックスの育成次第というところでしょうか。
【CWS】サミュエル・ザバラとは
サミュエル・ザバラは19才(シーズン途中で20才に)。ベネズエラ出身で2023年はクラスAとクラスA+で計115試合に出場し、プロとしての体力も強化中。クラスAでは14HR、71RBI、20SBを決めたのもの、クラスA+ではAVG .078とちょっと心配な数字も残しました。
【CWS】スティーブン・ウィルソンとは
スティーブン・ウィルソンは、1994年8月24日生まれの29才。2018年のパドレスの8巡目指名の右腕。メジャー・デビューは2022年で27才の時です。2022年、2023年の2年間で102試合に登板。106.0 IPで5勝4敗、ERA 3.48。リリーバーとして即戦力です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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