Dバックス、3Bスポットにスアレスを獲得!
現地2023年11月22日、 Dバックスとマリナーズの間でトレードが成立。ユーヘイニオ・スアレスが動くこととなりました。なかなかのビッグ・ディールですね。Dバックスのマイク・ヘイゼン(Hazen)GM、積極的です。
The Arizona Diamondbacks have reportedly acquired Eugenio Suárez from the Seattle Mariners in exchange for Seby Zavala and Carlos Vargas. pic.twitter.com/1fmnLzI5OQ
— MLB Network (@MLBNetwork) November 22, 2023
トレード概要
このトレードで動くのは計3名。
DバックスGet
- ユーヘイニオ・スアレス( Eugenio Suarez /32)3B/右投げ右打ち
ユーへイニオ・スアレスは、これまでエウへニオ・スアレス、ユーへニオ・スアレス、ユージニオ・スアレスなどと書いてきましたが、どうもユーへイニオというのが正しいようですので、今後はこれに統一したいと思います。
マリナーズGet
- セビー・ズバラ( Seby Zavala/30)C/右投げ右打ち
- カルロス・バルガス(Carlos Vargas /24)RHP
セビー・ズバラの表記はザバラというケースが多いと思いますが、どうやらズバラの音の方が近いようなのでそう記載しました。
背景
After trading for 3B Eugenio Suárez, here is how the Dbacks are looking heading into 2024 🐍 pic.twitter.com/uqveb5r6WQ
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) November 22, 2023
Dバックスは3Bスポットの補強
このトレードはDバックスの3B、エバン・ロンゴリアの契約が切れてFAとなったというのが1点。Dバックスはポストシーズンでもロンゴリアでない場合の3Bは、エマニュエル・リベラを起用。ただ、エマニュエル・リベラは2023年は4HR。長打のある3Bではないのがやや物足りない点でもあります。
また、エバン・ロンゴリアはレイズ時代の打撃は鳴りを潜めたものの、その守備力はかなりの一級品。Dバックスが勝ち進んだのもロンゴリアの優れた3Bの守備力があったからというシーンが何度もありました。リベラはロンゴリアに期待する程度の守備力はありました。
さらに、2024年はポストシーズンでも意図的にロスターに入れていたジョーダン・ローラーがブレイクしそうな年でもあります。ヘラルド・ペルドモのSSをジョーダン・ローラーが脅かす打撃を見せるのかというのもポイントで 、場合によってはユーヘイニオ・スアレスをDHに置いて、ローラー、ペルドモで三遊間を組む可能性も。いずれにせよ、スアレスの加入で打撃力がアップするのは間違いなさそうです。
マリナーズはコスト削減か
逆にマリナーズは、捕手のカル・ラレーが素晴らしい活躍を見せ、捕手は安泰。バックストップが欲しいというのが1点と、リリーバーはいつでも欲しいということでカルロス・バルガスを獲得。また、スアレスは長打は期待出来るものの、2023年はAVGが.232と確実性が落ちました。なんとか.250は欲しいところです。それにコスト的にもユーヘイニオ・スアレスの$11M(2024)はちょっと重いと判断したことも伺えます。
ユーヘイニオ・スアレスの契約
そのユーヘイニオ・スアレスの現在の契約ですが、これはレッズ時代の2018年3月に契約延長した以下の内容となっています。
- 7 年/$66M (2018-24) + 2025クラブオプション
- $2.25M(2018)、$7M(2019)、$9.25M(2020)、$10.5M(2021)、$11Mx3(2022-2024) + 2025 $15M クラブオプション($2Mバイアウト)
2024年中はマリナーズのコントロール下にあったのですが、このトレードでマリナーズは2024年の$11Mと2025年のバイアウトの$2Mの計$13Mの支払いからは開放されました。トレードでは残り年数をどう割り振るかという話し合いも行われますが、今回の場合はDバックスがそのまま契約を引き継ぐということになったようです。
マリナーズのPOBO(President of Baseball Operations)のジェリー・ディポト(Jerry Dipoto )としては$13Mの支払いもなくなり、欲しいスポットの選手を獲得出来たということでかなり喜んでいるかもしれませんね。マリナーズが空いた3Bスポットをどう埋めるのかについては今後の動きに注目というところです。FAよりトレードで獲得しそうです。またビッグネームを出すかもしれませんね。
(AZ)ユーヘイニオ・スアレスとは
タイガースでデビュー
ユーヘイニオ・スアレスは1991年7月18日生まれで、現地2023年11月22日時点では32才。ベネズエラ出身で2008年10月にアマチュアFAとしてタイガースとサイン。デビューはやはりタイガース時代で2014年。22才のときです。
デビュー・イヤーを85試合出場、AVG.242、HR4をマークしたユーヘイニオ・スアレスでしたが、2014年12月にタイガースが先発右腕の補強でアルフレッド・サイムン(Alfredo Simón)を獲得したトレードで他のマイナー選手1人とともにレッズに移籍。
レッズ時代の2019年には49HR
レッズでの2015年は97試合に出場。主にSSを守り、あのバックフリップでお馴染みのブランドン・フィリップスと二遊間を組みました。
本格稼働は2016年から。ここからエブリデーSS、あるいは3Bとしてほぼ毎試合に出場。2018年には143試合で、149安打を放ち、.283/.366/.526、HR 34、RBI 104をマーク。レッズのスラッガーとして名を馳せることになります。
そして2019年。27才と経験も肉体もピークとなったユーヘイニオ・スアレスは、49HRを放ちMLB指折りの一躍スラッガーとして名を轟かせることに。このシーズンの156安打はキャリアハイ。49HRを放ちながら、AVG.271と打率もパワーヒッターとして理想的な数字を出しました。ただ、この年はピート・アロンゾ(NYM)がHR 53を放ちましたので、HRタイトルは取れませんでした。RBIは2年連続100超えとなる103。
短縮シーズンとなった2020年はAVG .202と苦戦。さらに、2021年は打率.198、OBP .286、SLG .428、HR 23,RBI 79に留まりました。レッズは2020シーズンが無観客だったこともあり、ゲート収入が途絶えたことで先述のスアレスとの延長契約が重くのしかかってきて、そこで成立したのがマリナーズへのトレードです。ジェシー・ウィンカーとともにマリナーズへ移籍しました。
マリナーズには別のディールでルイス・カスティーヨも入りましたから、さながらレッズ魂が注入された形になったのも興味深いところです。
マリナーズ時代
2022年からのマリナーズでの成績は今ひとつピリッとせずというところでしょうか?確かに2022年は怖さがありました。HR 31でRBI 87。ただAVGは.236と粗い成績が目立ち始めました。
そして2023年、ユーヘイニオ・スアレスの成績は、162試合にフルで出場するも、打率.232、OBP .323、SLG .391、HR 22、RBI 96。RBIはさすがで、スコアリング・ポジション(RISP)の打率は.278と上がったのですが、いかんせん三振の数が急増。2023年は214。これはカイル・シュワーバーの215に次いでMLBで2位、ALで1位です。SO%は30.8%(リーグ平均は22%)。
この不確実性がジェリー・ディポトの目についたというところでしょう。
Dバックスはスモール・ベースボールをするクラブですので、これが改善されることを祈ります。
(SEA)セビー・ズバラとは
マリナーズが獲得した捕手のセビー・ズバラは、1993年8月28日生まれの30才。もともとはホワイソックスの2015年の12巡目。デビューはホワイソックス時代の2019年で25才のとき。このときはほぼ守備機会という出場でした。
2020年はマイナーでシーズン自体がキャンセルに。2021年に37試合、2022年に61試合に出場。いずれもヤズマニ・グランダールのバックストップとしての出場です。
2023年は66試合に出場。しかし9月4日にDFAとなり、ウェーバーにかかったところ、Dバックスがクレームオフ。Dバックスでは7試合に出場。ポストシーズンのDバックスのメイン捕手はガブリエル・モレーノでバックストップはホセ・へレイラでしたから、PSのロスターには入りませんでした。
MLB4シーズンのキャリアは、打率.210、OBP .275、SLG .347、HR 14、RBI54。守備のCS%は17%(リーグ平均は23%)。
(SEA)カルロス・バルガスとは
マリナーズが獲得したリリーバー右腕のカルロス・バルガスは、1999年10月13日生まれの24才。ドミニカ共和国出身。2016年にアマチュアFAとしてクリーブランド・インディアンスと契約。2022年、ガーディアンズとDバックス間で成立したマイナー選手同士のトレードでDバックスへ移籍。
2023年3月30日の開幕日にメジャー・デビュー。今季は4月11日までの5登板に終わり、4.2 IPでERA 5.79。SO9は13.9と輝くものがあるものの、BB9が7.7、HR9が3.9とコントロールが甘くなったところを痛打されるというパターンを経験。イニング数が少ないだけに平均ベロシティーも高いのですが、4シームで99.4mph、シンカーで98.8mphを記録。コマンドより先にまずはコントロールをなんとかするという課題を持つ投手です。伸びしろだけはたっぷり!!
お読みいただき、ありがとうございました。
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