キケ、噂通りにドジャースに復帰へ
現地2023年7月25日、ドジャースとレッドソックス間でトレードが成立。噂がありましたが、レッドソックスのスーパー・ユーティリティーのキケ・ヘルナンデスがドジャースへ移籍となりました。
キケ・ヘルナンデスはキャリアの大半をドジャースで過ごした選手ですから、今回は復帰ということになります。
トレード概要
このトレードで動くのは3選手。
ドジャースGet
- キケ・ヘルナンデス※₁(Kiké Hernández/31※₂)/ ユーティリティ/ 右投げ右打ち
- ※₁ 念のためキケは愛称で、本名はEnrique J. Hernández
- ※₂ 1991/8/21が誕生日なので、まもなく32才になります。
レッドソックスGet
- ニック・ロバートソン(Nick Robertson/25)RHP : 2019年7巡目指名
- ジャスティン・ヘイゲンマン ※(Justin Hagenman/ 26)RHP: 2018年23巡目指名
- ※表記はハーゲンマンかもわかりませんが、一旦はヘイゲンマンと記載いたしました。
背景
LADのサウスポー対策
まずこちらのトレード成立の需要と供給の背景ですが、ドジャースがサウスポー対策で右打者が欲しかったというのが一番の動機と言っていいと思います。
まず、ドジャースの左腕に対するチーム打率はMLB29位の.227。ここが大きなポイントです。ゲームにはしっかりと対策をとってくるドジャースにまさかこんな盲点があったとは!というくらいに大きな穴です。ちなみに対左腕のチーム打率NO1はマイアミで.308。これはルイス・アラエズの数字が大きく反映していると言っていいかもわかりません。
特に、デービッド・ペラルタ、トレイス・トンプソン、ジェイソン・ヘイワードらOFの面々が特に左腕に苦戦しています。
Name | RHP | LHP |
---|---|---|
D・ペラルタ(LHB) | .281/ .318/ .430 | .263/ .300 / .263 |
T・トンプソン(RHB) | .172/ .294/ .483 | .143/ .321/ .286 |
J・ヘイワード(LHB) | .268/.363/ .508 | .000/ .133/ .000 |
他にOFとしてジェームズ・アウトマン(James Outman/LHB)もいて、彼は対左で、.292/.374/.375と優秀な数字を残していますが、右投手から11HRを打ってはいるものの、左投手からは1HRしか打っておらず、長打の点で物足りなさを感じさせます。
良い選手が多いドジャースは左腕、右腕で打者の使い分けが出来るほど層が厚いのでなんとかしのいできたという状況。ジェイソン・ヘイワードなどは改めて見ると、左投手との対戦はかなり悲惨です。
キケ・ヘルナンデスの対左のキャリアを通じた成績ですが、.259/.346/.465という数字を持っています。
キケの加入で一気にサウスポーに対する弱さが解消される訳ではありませんが、ヨニー・ヘルナンデスやジェイク・マリスニックも器用している現状から比較すると、光明になるかもしれません。
少なくともクラブハウスでの人気やファンからの支持は大きく期待出来るほど愛されるキャラでもあります。
BOSはストーリー復帰に向けた動き
トレバー・ストーリーがトミー・ジョン手術で離脱したレッドソックスは、”our short stop”ということで、キケに大いに助けられることが多かったのは間違いないところ。ただ、豪快なスローイング・エラーも度々起こし、最適なのはやはりCFという認識を持たせた面もあります。
供給側のレッドソックスにとっては、そのトレバー・ストーリーがすでにマイナーでのリハビリ調整のゲームに出場しており、復帰間近。
OFはLFに吉田選手、RFにアレックス・ベルドゥーゴと固定すべき選手がおり、今季大活躍のジャレン・デュラン、そして春先に驚異的な活躍を見せたアダム・デュバルと層は厚いです。デュバルはブレーブスが狙っているという噂も上がっていますね。
よって、キケにOFのチャンスがなく、直近では2Bを守ることが多くなっていました。その内野の方もWBCで活躍した台湾出身のユー・チャンが怪我から復帰してSSをこなしており、2Bにはまだ契約の面でコントール下に置けるクリスチャン・アローヨもいます。
そしてトレバー・ストーリーが復帰した暁には、守備の良いSS、2Bの選択肢が拡がっている状況。マイナーにもいい素材がたくさんおります。
よって、ドジャースで出場機会が増えるならというトレードでもあります。
BOSが獲得した2人
レッドソックスが獲得した2人の右腕について、簡単に記しておきます。
【BOS】ニック・ロバートソン
25才になったばかりの右腕は198cmの長身右腕。今季6月7日にメジャー・デビュー。ビッグ・リーグでは、9試合いずれもリリーフで登板し、10.1イニングを投げ、被安打17、RUN 10、ER 7と数字は荒れておりますが、SOは13で、BBは4。
今季、トリプルAでは28.1イニングを投げて、ERAは2.54。SO9は13.3でBB9は2.9。メカニック的にコントロールが荒れることが少なく、強いボールを投げるのが特徴。レッドソックスの40manにも入りました。
【BOS】ジャスティン・ヘイゲンマン
現時点で26才で、2023年10月7日の誕生日で27才になる右腕。未デビューで2022年にトリプルAに上がりました。
今季はトリプルAでずっと過ごしており、25試合中、5試合に先発し、2試合を締めています。55.0イニングで、被安打48、失点17、ER17、HR 10、BB 11、SOは60。SO9が9.8でBB9は1.8。
New Red Sox pitcher Justin Hagenman pic.twitter.com/O9KwQq6kBp
— BelloAces (@BelloAces) July 25, 2023
こちらも四球でゲームを壊すリスクの少ない良い投手だと思います。
それにしてもLAD&BOSはスワップが多いですね!
LADとBOSの贅沢税上のサラリー
今季、キケと1年/$10Mでサインしたレッドソックスは、今回のトレードで残りはドジャースに引き継いでもらうのですが、交渉の結果どうやら残り$3.65Mのうち、$2.5Mをカバーするようです。ドジャースとすれば$1.1Mほどで左腕対策を実施出来るということに。
今季の贅沢税の基準額は$233M。ともに資金が豊富なクラブ同士ですが、ドジャースは現時点で40manの予想サラリーは$250Mを超えます。
レッドソックスのそれは$233Mに対して$216.7Mというところ。キケの分はトレードまでの$6.3Mと追加の$2.5Mで約$8.8Mで$10Mの支払いから$1.2Mほど削減したという感じです。
キケの活躍を祈る!
2021シーズンはキケ・ヘルナンデスのおかげで非常に楽しめました。ドジャースに行っても活躍することを祈るばかりです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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