電光石火で補強したトロント
現地2023年8月2日、トレード・デッドラインから一夜明け、新しいクラブですでに出場している選手が多数います。
その中でもっとも慌ただしいトレード・デッドラインを過ごしたのは現ブルージェイズのポール・デヨング(Paul DeJong)ではないでしょうか。
カージナルスのTDL
このトレード・デッドラインは「売り」となったカージナルスは、ローテーションの柱、ジャック・フラハーティーをALイースト首位のオリオールズに、セットアップ・ロールの重要な役割を担ってきた剛腕のジョーダン・ヒックスをブルージェイズにトレードに出しました。
さらにローテーションの左腕のジョーダン・モンゴメリー、リリーバーのクリス・ストラットンをレンジャーズにトレード。
他に、カージナルスからブルージェイズへの動きは早い段階で左腕リリーバーのジェネシス・カブレラが動いております。そしてポール・デヨングも急遽、ブルージェイズ入りとなりました。
こうやってメンバーを並べると、カージナルスの「売り」はかなりのインパクトがありましたね。さすがに、ラーズ・ヌートバー、トミー・エドマンは出しませんでした。
ボー・ビシェットの怪我
そのポール・デヨングがブルージェイズに移籍したきっかけはボー・ビシェットの怪我。
ボー・ビシェットはトレードデッドライン前日の現地2023年7月31日のオリオールズ戦で、4点を追う3回裏、2アウトからカイル・ギブソンの2シームをうまくRF線に運び、1塁をオーバーラン。打球コースは2ベースを狙える場所でしたが、せり出したスタンドにより跳ね返ったボールは思いの外早くRFのアンソニー・サンタンデアに処理され、2塁へ送球されます。
二塁へ向かうつもりかったボー・ビシェットは、その返球を見てオーバーランを急遽ストップ。この時に膝に大きな負担がかかり、ボー・ビシェットは塁間に立ち止まり、タッチアウトとなりました。
ボー・ビシェット、短期での離脱に!
この全力疾走中に急遽ストップする動きはこれまで多数の野手の膝を壊してきました。今回、塁間で動けなくなったボー・ビシェットを見て、これはACLがやばいなと誰もが思ったと思います。
ただ、ゲームから離れたとは言え、自力でダグアウトに還ったところに少し光明はありました。
そして現地2023年8月2日にMRIを含む精密検査の結果が出ました。傷めた右膝に「炎症はあったものの、構造的なダメージはなし」。つまり、ACLに断裂や損傷などはなかったということに。診断名は「右膝蓋腱炎」で、いわゆる「ジャンパー膝」と呼ばれる症状。
これはメッツのクローザー、エドウィン・ディアスがWBCの 1次ラウンドでドミニカ共和国に勝利した時のセレブレーションで傷めたのと同じものです。
ブルージェイズとしては不幸中の幸いでほっとしたというところですが、現時点で復帰のタイムテーブルは出ておりません。長期に亘るものではないため、一旦は10 Day ILに入り、あとは自覚症状を見て、復帰を判断するということになりそうです。
ボー・ビシェットの今季の成績
対戦相手の投手陣から見て、ブルージェイズ打線で最も警戒すべき打者がボー・ビシェットでした。
25才のボー・ビシェットは、ここまで素晴らしいシーズンを送ってきました。
最初の106試合で、すでに144安打を放っています。.321/.352/.494(OPS+135)という数字をマーク。HRは17、二塁打は25、RBI は59。現時点でALのバッティング・チャンプ(首位打者)です。
シーズンが深くなってきて、HRの数は減りましたが、4月と5月の2ヶ月間は、11 HRをマークしていました。
ポール・デヨングでSSを補強
ビシェットの怪我がちょうどトレードデッドライン間際だったということでブルージェイズは即座に補強に動きました。ご覧のようなトレードとなっています。
ブルージェイズGet
- ポール・デヨング(Paul DeJong/30) SS/右投げ右打ち
カージナルスGet
- マット・スヴァンソン(Matt Svanson/24)RHP/ 2021年13巡目
マット・スヴァンソンは、今季はクラスAで開幕を迎え、現在はクラスA+に所属。今季は両レベルを併せて、26試合に登板。すべてリリーフです。4勝1敗、6セーブをマーク。ERAは1.67で、SO9は10.9、BB9は3.1、HR9は0という投手です。
今季のポール・デヨング
今季のポール・デヨングは81試合に出場し、.233/.297/.412(OPS+93)、13 HR。
ポール・デヨングは2017年のルーキー・イヤーに25HR。2019年には159試合に出場し、30 HR/78 RBIをマークしています。
ただ、直近では腰を傷めるなど過去3シーズンはいずれも不本意なシーズンな成績でした。今季は復活の様相を見せていたというところです。
早速TORデビュー
そのデヨングは早速、現地2023年8月2日のオリオールズ戦でブルージェイズ・デビューを飾りました。
8番SSでスタメンで出場し、オリオールズ先発のグレイソン・ロドリゲスからSSゴロダブルプレー、三振を喫し、藤浪投手には2アウト満塁のチャンスで3Bライナーに打ち取られ、この日は3-0でデビュー戦で勇姿は飾れませんでした。
なお、このゲームは菊池投手がオリオールズ打線を抑え、ブルージェイズが4-1で勝利。菊池投手が9勝目を上げています。
ブルージェイズのロスタームーブ
ブルージェイズは右腕のネイト・ピアソンをトリプルAにオプション。同じく右腕のトーマス・ハッチをコールアップしています。かつてのトッププロスペクトだったネイト・ピアソンは、今季はリリーフとして32試合に登板してERA 5.31。1日のゲームでは1イニングで4失点を喫していました。
今季60勝49敗のブルージェイズは、水曜日にア・リーグ東地区3位で首位とは6.5ゲーム差。ワイルドカード枠の3位に入っており、4位のレッドソックスを2.5ゲームリードしています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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