剛球左腕とポテンシャルのある左打者とのトレード
現地2023年2月11日のこととなりますが、アスレチックスとマーリンズ間でトレードが成立。アスレチックスからは左腕のA.J.パックが、マーリンズからはOFのJJ・ブルデイが動くこととなりました。ともに1巡目指名でこの世界に入った者同士ということで非常に興味深いディールでもあります。
また、ともにあと一皮向ければというところでもあります。
トレード概要
さて、今回はなかなか力の拮抗した選手同士の、トレードらしいトレードとなりましたが、現時点ではどちらかというと、マイアミの方がお得。しかし、アスレチックスもブルデイが化ける可能性に期待している・・・というポジショニングになりなるかと思います。
マーリンズGet
- A.J. パック(A.J. Puk /27 ※) LHP : 2016年OAK1巡目(全体6位)指名
※誕生日が1995年4月25日ゆえ、2023年は実質的には28才のシーズンになります。
アスレチックスGet
- JJ・ブルデイ(JJ Bleday/25) OF/左投げ左打ち: 2019年MIA1巡目(全体4位)指名
A.J.パックとは
A.J.パックのフルネームは、”Andrew Jacob Puk”。上述のように2016年のOAK1巡目指名です。
2013年の高校卒業時にもドラフトで指名されており、この時はタイガースから35巡目指名。アイオワ州の出身ですが、大学はフロリダ大学に進学。
2度の手術
A.J. パックの剛球を語る前に必要なのは2度の手術の経験。
まず1度目は2018年4月で、この時は左肘を傷め、トミー・ジョン手術を行っています。2018年春、オークランドは先発投手が手薄になっていました。というのもジャレル・コットンがトミージョン手術で離脱したからです。
そこで白羽の矢が立ったのがA.J.パック。この年、パックはアスレチックスのプロスペクト・ランク1位に名を連ね、スプリング・トレーニングで4試合、10.2イニングを投げ、ERA 3.38と健闘。ローテーションに入りかけたのですが、無理がたたって肘を故障。UCLの断裂が見つかり、トミージョン手術を実施することになったのでした。
デビューはその翌年の2019年8月21日。2019年は10試合、11.1イニングを投げ、2勝0敗、ERA3.18、13 SO、5 BB。トミージョン手術空けにも関わらず、剛球を投げ込んでおりました。
翌2020シーズン、今度は左肩を傷めて9月後半にシーズンエンディングの手術に。関節唇及びローテーター・カフ(腱板)に多少の剥離が見られ、肩の滑液包炎が進行していたため、丁寧なクリーニング手術を行っています。よって、この手術は修復ではなく、クリーニング。
2021年は4月上旬からマウンドに上がりましたが、今度は左の上腕三頭筋を傷めて離脱。復帰は8月半ばとなり、2021年は12試合、13.1イニングしか投げていません。0勝3敗で、ERAは6.08。
パックにとって初のフルシーズンとなったのが2022年。ブルペンの1人として、66.1イニングを投げ、ERA 3.12をマーク。非常に良かったです。SO %は27.1 %、BB%は8.2 %。特に左打者には強く、打率.153に抑えています。
ランディー・ジョンソンのスタイルに!
A.J. パックの身長は6フィート7インチで、201cmもあります。2022年の4シームのアベレージは96.7mph。
デビュー後は、腕の位置が高かったのですが、度重なる故障もあったためか、腕を下げました。そうしたところ、ランディー・ジョンソンとそっくりのフォームに。
もともとランディー・ジョンソンに憧れていたパックは、ランディーになり切って投げたのかもしれませんね。
非常に楽しみな投手です。
ヘスス・ルザルドとまた一緒
アスレチックスからマーリンズへというと、ヘスス・ルザルドがそうです。ともに左腕ゆえ、彼らが揃うとマーリンズは俄然投手陣に厚みが出ます。
マーリンズのローテーションは、サンディー・アルカンタラ、ジョニー・クエト、ヘスス・ルザルド、エドワード・カブレラ、トレバー・ロジャース、ブラクストン・ギャレットとすでに厚みがあります。
パックがここに割って入るのか、あるいはやはりブルペンに適性があるのか?これはスプリング・トレーニングで決まると思われます。おそらくブルペンで使いたいでしょうね。
JJ・ブルデイとは
J.J.ブルデイのフルネームは、”Jeffrey Joseph Bleday”。彼も高卒時にドラフトで指名されており、パドレスから39巡目でピックされましたが、ヴァンダービルト大学に進学。2019年に1巡目指名されたのでした。
まだMLBでは結果が出ず
2022年、トリプルAで開幕を迎えたJJ・ブルデイは打率.229、OBP .365、SLG .470、20HRをマーク。
大いに期待され、2022年7月23日にデビューを果たしたものの、MLBでは、238 PA、204 AB で打率..167、OBP .277、SLG .309、5 HRという成績に。
アスレチックスのOFには、ラモン ・ルレアーノ、クリスチャン・パーチェイ、エステウリー・ルイーズらがおり、なかなか厳しいです。
ここの割って入れるかどうかは、打撃次第。早くメジャーの変化球に慣れてもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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