2023年は新ルックのロジャース・センターに
トロント・ブルージェイズは、フランチャイズのロジャース・センターの外野部分を大幅リノベーション中です。改修で特にインパクトのあるところは、主にOFスタンドの後ろの売店関連の施設で、より開放的にゲームを楽しめる仕様に変更となります。
The @BlueJays unveiled a first look at their $300M renovation to the Rogers Centre ⚾ pic.twitter.com/dMmhZMmR5M
— Sports Business Journal (@SBJ) January 17, 2023
ウォールとスタンド間の空洞がなくなる
ロジャース・センターのゲームのVTRを見ている時によく思っていたのが、OFのウォールとスタンドとの間の空洞がなんとかならないか?ということでした。右中間、左中間にはブルペンが入っているのですが、ブルペンが途切れたポール際、そしてCF方向の空洞(に見える部分)がどうも気になるポイントがありました。もっとも、これは個人の主観かもしれません。
重ねて個人的な主観を並べさせてもらうなら、ウォールからはなだらかに観客席がつながっていて欲しい・・・と思うのです。下記の埋め込みは2022シーズンのロジャース・センターのHRを集めているもの。
Field outs that will likely be hits, and doubles that will likely be home runs with the new Rogers Centre dimensions allowed by current Blue Jays pitchers on the 2022 team at home last season pic.twitter.com/wt4iuGKDCT
— EJNave (@twitchejnave) January 21, 2023
今回のリノベーションではフィールド・レベルではその空洞(に見えていたもの)が無くなり、ウォールとスタンドが直つながりの仕様になっています。これは嬉しいです。何か野球場感が増したように思います。
ブルペンのお披露目度もアップ
そして嬉しいことに、ブルペンがよく見えるところに設置されることになりました。2022年まではフィールドと同じレベルだったものが、1段高いところに設置され、ファンはものすごく近いところでMLBの投手の投球を見ることが出来ます。
もっとも、選手側にすればスタンドと近くなればなるほど、不快なヤジもダイレクトに耳に飛んでくるでしょうし、やりにくさはアップするかもしれないのですが、ファン目線から言うと、嬉しい仕様になります。現地の方がブルペンでの投球動画をアップする機会も増えるかもしれませんね。このブルペンは相当見やすいはずです。
ちなみにホームのブルージェイズは3塁側です。
【YOUTUBE】Introducing: Our NEW outfield neighbourhoods at Rogers Centre!
ウォールの距離も大幅に変更
フィールド・レベルではウォールも移動させることがあきらかとなりました。距離の変更点をまとめるとこのような具合です。1feetは、30.48cm (0.348m)。
Home to Where | 旧(〜2022) | 新(2023〜) | 変化 |
CF | 400 feet (121.92m) | 397 feet (121.006m) | -3feet (-0.914m) |
左中間 | 375 (114.3m) | 366 (111.557m) | -9 (-2.7432m) |
右中間 | 375 (114.3m) | 357 (108.814m) | -18 (-5.486m) |
LF | 328 (99.974m) | 328 (99.974m) | 0 |
LF-Wall height (ブルペン前) | 10 (3.048m) | 15 (4.572m) | +5 feet (+1.524m) |
RF | 328 (99.974m) | 328 (99.974m) | 0 |
RF-Wall height (ブルペン前) | 10 (3.048m) | 15 (4.572m) | +5 feet (+1.524m) |
両翼の距離は変わらず、CF、左中間、右中間の距離が短くなりました。
距離の変わらない両翼ですが、ウォールの高さが変更となり、相殺する仕様にはなっています。
キアマイアーの見せ所は増えそう
今オフ、ケビン・キアマイアーを獲得したブルージェイズ。彼はウォール際のリーピング・キャッチが見せ所の1つでもあります。
Kevin Kiermaier makes a leaping catch in #ALCS Game 3, call by Rays Radio #RaysUp pic.twitter.com/mlwVzTj44q
— Bucs Rays Bolts (@BucsRaysBoltsYT) October 14, 2020
ウォールの高さは、LFポールからブルペンのCF寄りの端までが高く、そこからCFにかけて一旦低くなって斜めのラインが走り、真っ直ぐになるようです。よって場所によってウォールの高さは違ってくるのですが、CFバックスクリーン当たりでボコンと凹みます。
これならケビン・キアマイアーのリーピングも十分に楽しめそうです。
かなり前に出てきた右中間
このウォールの変更でもっとも変化があったのが右中間の距離。18feet、5.486mも短くなっています。ブルペンの位置はホームのLF側はポールに近いのですが、ビジター側は右中間に位置しています。ここがやや前にせり出しているので、その最短距離が-5.486mということかと。
Statcastによると、ロジャース・センターのここ数年のパーク・ファクターはほぼ真ん中の17位で99。ちなみにコロラドは112、シンシナティは111、ボストンは 109。
かなり中立的なスタジアムでしたが、今回の変更で左打者のHRが結構増え、パークファクターも上がると思われます。
ブルージェイズは今オフに、ケビン・キアマイアーだけでなく、ブランドン・ベルト、ドールトン・バーショなど力のある左打者を獲得。これはかなり優位に働くかもしれませんね。
ただ、左打者は他クラブにもいい選手が結構いますから、果たしてどこまでメリットになるのかは定かではありません。
ALイーストに影響を与えそうなロジャース・センターの仕様変更でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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