J・ホリデーはPre-2024 NO.1 プロスペクト
現地2024年3月22日、2023年にALイーストを制したボルチモア・オリオールズが開幕ロスターを発表。Pre-2024のトップ・プロスペクト・ランクでNO.1に輝き、このスプリング・トレーニングもにおいても打率.311、OBP .354、SLG .600、OPS .954、HR 2、RBI 6と強力な数字をマークしていたジャクソン・ホリデーをトリプルAにアサインしました。
ホリデーのMLSにも影響
ジャクソン・ホリデーは今スプリング・トレーニングではNRI(Non Roster Invitee)としてMLBキャンプに参加。NRIはステータスとしてはメジャー契約の40man ロスターに入っていないことを意味します。
今回の降格は元のステータスに戻したまでと言う事もできますが、上記の通り、開幕ロスターに入ってもおかしくない成績を残していただけに意外な結末となりました。ここで言う開幕ロスターはゲームに出られるアクティブ・ロスターを指しています。
新CBAのインセンティブがあっても決断
MLSとは
まず、MLSについてですが、メジャーリーグのレギュラーシーズンの試合数は162試合というのはご承知の通りです。これが187日(2018年以前は通常183日)の間に開催されます。この期間にアクティブロースターまたは負傷者リスト(IL)で過ごした日ごとに1日がカウントされ、このカウントが172日になれば1年とみなされます。
MLSが重要なのは、調停、FA資格のステータスを決定する数字になるからです。
2022シーズンの開幕前にもめた現行のCBA(労使協定)では、トッププロスペクトをロースターに加えるインセンティブを与え、サービスタイムの精度を悪用してFAを遅らせる、いわゆるMLS操作を阻止する措置が盛り込まれています。
- ROY投票で上位2位以内に入れば、たとえ早期に招集されなくても、1年間のサービスタイムを得ることが可能。
- さらに、プロスペクトをロースターに長く登録し、従来の1年分のサービスタイムを獲得したクラブは、その選手がROY1位を受賞したり、MVPやサイ・ヤング賞の投票で3位以内に入ったりした場合、ドラフト指名権を追加で獲得することも可能に。
- ちなみにこれらの措置を受けるためには、MLBパイプラインや、ESPN、ベースボール・アメリカのプロスペクト・リストのトップ100のうち、少なくとも2つに入っていなければなりません。
このような制度があるので、オリオールズがジャクソン・ホリデーを開幕ロスターに入れることは、ほぼ間違いないと見られていました。よって今回の決断は意外なものとなったわけです。
ただ、ジャクソン・ホリデイはMLSの日数的には、最初の2、3週間で招集されれば、まだ1年の大台に乗せることができます。また、上述のように途中参戦でもROY投票で上位2位以内ならMLS1年を獲得することもできます。
もしも2024年をMLS1年にすることができれば、FA資格取得は2029年終了後。MLS1年に満たなければ2030年終了後がFA資格取得となります。
オリオールズの内野
ただ、オリオールズの内情もわかります。内野はご覧の布陣です。
- 1B: ライアン・マウントキャッスル
- 2B: ジョーダン・ウェストバーグ(3Bも)
- 3B: ラモン・ウリアス (2Bも)
- SS: ガナー・ヘンダーソン
もちろん、バックアップが必要ですが、もうメンバーが揃っており、怪我でもしない限り、ジャクソン・ホリデーと雖も、ベンチで待機することになります。さらにOFとDHとの絡みもありますから、「さあどうぞ」とSSを差し出す訳にも行きません。
何より、ベンチで待機することで、現状の好調さをキープできなくなる可能性を首脳陣は危惧したかもしれません。実戦にまさる練習はないわけですから。
INFのアクティブ・ロスター
なお、オリオールズの現地2024年3月22日時点の内野のアクティブ・ロスターはご覧の面々。これは40manの内野のロスターと同じです。
- ガナー・ヘンダーソン:右投げ左打ち
- ホルヘ・マテオ:右投げ右打ち
- ニック・メイトン:右投げ右打ち
- ライアン・マウントキャッスル:右投げ右打ち
- タイラー・ネヴィン:右投げ右打ち(前LAAネヴィン監督の息子)
- ライアン・オハーン: 左投げ左打ち
- ラモン・ウリアス:右投げ右打ち
- ジョーダン・ウェストバーグ:右投げ右打ち
OFではキャースタッド、ストワーズも外れる
また、オリオールズはOFのプロスペクトでもあるヘストン・キャースタッドとカイル・ストワーズの開幕マイナーを決定。両選手は40manロスターに入っており、アクティブ・ロスターから漏れた状態です。ストワーズはもうプロスペクトではないかもしれませんが・・・。
両選手のグレープフルーツ・リーグでの成績はご覧の通りでした。
2024 GF league | G | AB | Hits | BA | OBP | SLG | HR | RBI |
H・キャースタッド | 18 | 49 | 13 | .265 | .294 | .286 | 0 | 3 |
K・ストワーズ | 19 | 43 | 11 | .256 | .267 | .744 | 7 | 14 |
彼らも開幕ロスターに入らなかったのは意外でした。特にカイル・ストワーズは7HRも放っていましたから。
オリオールズのOFのアクティブ・ロスター
なお、オリオールズの現地2024年3月22日時点のOFのアクティブ・ロスターはご覧の通り。
- コルトン・カウザー:右投げ左打ち
- オースティン・ヘイズ:右投げ右打ち
- ライアン・マッケナ:右投げ右打ち
- セドリック・マリンズ:左投げ左打ち
- アンソニー・サンタンデア:右投げスイッチ
こちらもINF同様に強烈な布陣です。悩ましいところですね。
なお、DHですが、1Bのライアン・マウントキャッスルとライアン・オハーンが先発投手の左右の違いでどちらかが1BかDHで出場するというパターンと、場合によってはOFから、あるいはCのアドレー・ラッチマンの守備休養日に枠が使われそうです。
やはり今季もALイーストで首位争い
オリオールズは、少なくとも開幕当初は才能ある選手たちがトリプルAということなりましたが、1年を通して怪我人が出るのは明白ですから、上に上げる戦力が非常に充実しており、もはや編成としては理想的。今季もALイーストで首位争いをしそうです。今季はレッドソックスも強そうですけどね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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