ロッカー、上々の出来で期待に応える!
現地2024年9月12日、テキサス・レンジャーズの期待の右腕、クマール・ロッカー(Kumar Rocker)がシアトルでのマリナーズ戦でメジャーデビューを果たしました!
What a debut for Kumar Rocker! 👏 pic.twitter.com/R3Ztz0RF0t
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) September 13, 2024
興味津々で投球内容を見たところ、もうルーキーとは思えないほどのマウンドさばきで、ボールの質も一級品!メッツと破談するなど違う意味で有名になったロッカーですが、彼を2022年に全体3位で指名したレンジャーズの慧眼に敬意を表するばかり・・・そんなふうに思えた素晴らしいデビュー戦でした。
デビューまでの経緯(まとめ)
デビューまでの経緯は下記のリンク記事に詳細を記述しています。
簡単にまとめると、名門ヴァンダービルト大学のエースとして活躍。特に2019年は無双状態。2020年はコロナ・パンデミックの影響でNCAAもシーズンは1ヶ月ほどで幕を閉じることになったため、他の選手同様にロッカーも殆ど数字を残さず。2021年は球速低下が見られ、ドラフト直前に評価を下げ、代わりに同僚のジャック・ライターに注目が集まりました。
2021年のアマチュア・ドラフトではニューヨーク・メッツから全体10位で指名受けたものの、メッツがメディカルチェックで懸念を表明して内定していた契約金を引き下げようとしたため、交渉は決裂。ロッカーはその後、独立リーグで次のドラフトを待ちました。
翌2022年のアマチュア・ドラフトでテキサス・レンジャーズが全体3位の高順位で指名。しかし、翌2023年5月に結局はトミー・ジョン手術を余儀なくされました。
術後約14ヶ月後の2024年7月初旬からロー・マイナーでのリハビリ登板を開始。1ヶ月も経たないうちに(7月末)、飛び級で一気にダブルAまで昇格。ここで圧倒的な数字を残し、8月後半には最後の仕上げのトリプルAに昇格。やはりここでも支配的な投球を見せ、ついに現地2024年9月12日、メジャー・デビューとなったのでした。
4イニング、7K!
初回のピンチを切り抜ける!
1回裏のマウンドに立ったロッカーはメジャー・デビューの初球の4シームをビクター・ロブレスにCF前に運ばれてしまいます。ピッチャーにとってデビュー戦の初球は一生ものなので見逃せば良いものの、ロブレスは簡単に打ちましたね。
つづく2番のフリオ・ロドリゲスはアウトコースへのブレイキング・ボールをRFへ弾き返し、ノーアウトでランナー1、3塁のピンチを迎えます。この後、フリオ・ロドリゲスが2塁に盗塁してノーアウトで2、3塁となります。フリオが打ったのはスライダーとなっていましたが、軌道はカーブのように思えました。
そしてここからがロッカーの力が垣間見れたところで、3番のカル・ラレーはフルカウントからの97.1mphの4シームで見逃し三振。つづくランディー・アロウザリナにはシンカーとスライダーのミックスで空振り三振。最後はルーク・レイリーをRFライナーに抑え、デビュー戦とは思えないほどの落ち着きぶりで初回のピンチを無失点で切り抜けました。
2回裏は三者凡退で2奪三振。
3回裏は先頭のジョシュ・ロハスを四球で歩かせると、ビクター・ロブレスには送りバントを決められ、スコアリング・ポジションにランナーを進められるも、フリオ・ロドリゲスはRFライナー。つづくカル・ラレーには四球を出してしまいましたが、ランディー・アロウザリナを2打席連続三振に仕留め、このイニングも無失点。
唯一、失投となったのは4回裏のマウンドで、1アウトからジャスティン・ターナーに甘い4シームをCFへ弾き返されるHRを打たれて1失点。その後は後続を抑え、クマール・ロッカーは4回、74球、被安打3、失点1、自責点1、BB 2、SO 7、HR 1という結果でした。
ちなみにこの一発の前の2球は、どちらかはストライク・コールされても良いほどのコースでした。もしそうならターナーは三振していたところでもありました。
7 K debut day for @KumarRocker. 🤘 pic.twitter.com/HrXnhC7g0V
— Texas Rangers (@Rangers) September 13, 2024
4回降板は予定通り
この日、ロッカーは4回でマウンドを降りたわけですが、これは予定通り。試合前、ブルース・ボーチー監督はクマール・ロッカーを5イニングかあるいは75球程度を目処に降板させることを決めていました。結果、4回終了時点で74球に到達。ロッカーはマイナーで圧倒的な投球を見せていたとは言え、まだ術後すぐのシーズン。しかもレンジャーズはコンテンダーではないので、無理をさせる必要はないですから、妥当な判断だと思われます。
武器は独特のスライダー!
この日のクマール・ロッカーの4シームの球速は平均で96.8mph、MAX 97.6mph。シンカーも含めてファストボール系はかなり強いボールでスピンも効いている球質。
そして何より武器と言えるのはスライダー。独特のボールで、どう表現していいか何度もゲーム動画を見てしまいました。
タイミングとしてはチェンジアップのようにボールが来ず、85mphほどの球速。ビデオゲームのような横幅広く移動するスウィーパーの軌道ではなく、ストンと落ちる軌道。本当に何と表現したらいいのかわからないのですが、ストンと縦に落ちる軌道は高速スライダーのような軌道でありながら、スピートは高速ではない。カーブのように一旦上に上がるような動きではないものの、スピードはちょっと速めのカーブくらい。本当に独特です。
Kumar Rocker's 13 Swings and Misses on his Slider last night. 😯 pic.twitter.com/Eptk8ZoWYv
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 13, 2024
しかも、ロッカーは曲がり方やスピードを使い分けている形跡もあります。
マリナーズの打者はこのスライダーに大苦戦。ワイプアウトと言っていいくらい消えるような軌道に手こずりました(その辺りが高速スライダーっぽいと感じる)。
クマール・ロッカーはこの日、スライダーを33球を投げてマリナーズは21スイング。そのうち13スイングが空振りです。
このスライダーは何回か対戦しないとちょっと打てないような気がします。
レンジャーズが逆転勝利
ゲームは5回裏にヘルソン・ガラビトがレンジャーズの2番手としてマウンドに上がりましたが、乱調。アンドリュー・チェイフィンにスイッチしたものの、チェイフィンも乱調で、2人でヒット、フォアボール、ワイルド・ピッチを重ね3失点を喫し、スコアは4-1でマリナーズがリード。
しかし、レンジャーズは7回表にナサニエル・ロウの一発で2-4に。8回表にはマーカス・セミエンの一発などで3得点を上げ、5-4と逆転に成功。
レンジャーズがこのまま逃げ切り、4ゲームシリーズの初戦を取りました。
シーガー抜きのレンジャーズ
レンジャーズはコーリー・シーガーがスポーツ・ヘルニアの手術で今季はもうシーズン・エンディング。今季はあと15試合ですが、シーガー抜きで戦うことになりました。
むしろ、来季に向けて動き出している見た方が良さそうですね。
そして、現地2024年9月13日のGm2ではレンジャーズはいよいよジェイコブ・デグロムがシーズン・デビューを果たします!!これも来季に向けての準備ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント