デビュー2戦目で初HR
シンシナティ・レッズからとっておきのプロスペクトがデビューするという噂が立ったのは今月初めのこと。「ほう、どれどれ」という感じで待っていたのですが、いざそのプレーを見ると、もう予想をはるかに超えたスケールでひっくり返りそうになりました。
またまたすごいのが出て来ましたね!
そのエリー・デラクルーズ(Elly De La Cruz)は、2023年6月6日のドジャース戦でメジャー・デビュー。ロケット弾のような強烈な2塁打を放ち、ファンを驚かせました。さらに、デビュー2戦目となった現地2023年6月7日には、とんでもない飛距離のメジャー初HRを放ちました。
デビュー戦の模様
まずは2023年6月6日のデビュー戦ですが、いきなりの4番デビュー。SSもこなすエリー・デラクルーズですが、ポジションは3Bでの出場となりました。
ドジャースの先発はトニー・ゴンソリン。1回表にドジャースが3点を奪って急激に動き出したこのゲームは、1回裏のレッズの攻撃も、1番ジェイク・フレイリー、2番マット・マクレーンの連続ヒットで始まり、ジョナサン・インディア凡退の後、チャンスでエリー・デラクルーズの第1打席。しかし、トニー・ゴンソリンが立ち上がりにコントロールに苦戦した関係で、メジャー初打席は四球に終わりました。
なお、レッズはこの後、四球とタイラー・スティーブンソンの2点タイムリーで3−3の同点に追いつきました。
3回裏、エリー・デラクルーズに第2打席が回ってきます。デラクルーズは2球で追い込まれるも、3球目の92.6mphの高めの4シームを鋭くさばき、これがロケット二塁打となり、メジャー初ヒットを放ちました。
第3打席はまたしても四球、第4打席は2Bゴロ、第5打席は三振でこの日は二塁打1本と四球による2出塁というデビュー戦でした。
なお、この試合はドジャースが4回表にフレディー・フリーマンのグランドスラムなどで5点を奪い、8-3とリードするも、レッズは中盤に攻撃の手を緩めず、9回表を終えて6-8と2点差にまで追い上げます。
9回裏、レッズはカレブ・ファーガソンの乱調で、1アウト満塁のチャンスを作り、カート・カサーリが押し出し四球を選び、7-8の1点差ゲームに。さらにジェイク・フレイリーの死球で押し出しで同点。ドジャースはシェルビー・ミラーにスイッチするも、最後はマット・マクレーンがサヨナラタイムリーを放ち、9-8で勝ちました!
2戦目についにメジャー初HR
そしてメジャー2戦目となった2023年6月7日のゲームでは、やはり初回から激しく動き、ドジャースは1回表にムーキーのリードオフHRなどで2点を先制。
しかし、直後の1回裏、レッズはドジャース先発のノア・シンダーガードに対して2番のマット・マクレーンがシングルで出塁。2アウトとなり、4番のエリー・デラクルーズに打席が回ります。デラクルーズは2球目のインハイの91.9mphの4シームをこれまたロケット砲のような当たりで、RFにHRを放ち、2-2の同点に追いついたのでした。デビュー2戦目で打線のコアのような存在感。
【YOUTUBE】ABSOLUTELY DESTROYED! Elly De La Cruz’s first career home run almost left the ballpark!
このHRはなんと458フィート(139.598m)というとんでもない飛距離をマークしたのでした。
レッズ史上(スタットキャスト以降)6番めの距離
この458フィートのHRは、2021年9月27日にジョーイ・ボットが466フィートの飛距離のHRを放って以来、最長距離に。またスタットキャストによる計測以降(=2015年以降)、レッズ選手が放ったHRで6番目の飛距離となります。
EXIT VELOは114.mph。これもスタットキャスト開始以降、レッズ史上2番目のハードな当たりとなりました。1番目は アリスティデス・アキーノで2018年8月8日に118.3mphの打球を放っています。
走力も半端ない!
3回表を終えて、ドジャースはウィル・スミスのHRなどで6-2と試合に優位に進めますが、4回裏、レッズが怒涛の攻撃を見せます。
その中でエリー・デラクルーズは、今度はノア・シンダーガードのカーブに対応。77.2mphのブレーキの効いたオフスピードボールに難なく対応し、これがCFへのトリプルに。
パワーだけでなく、スピード力があるところも披露。3Bまで10.83秒というこれまた素晴らしいスピードを見せます。ここまですごいとは。
ちなみにこのスピードはDバックスのコービン・キャロルの10.97秒をわずかにしのぐ数字となっています。これも驚きです。
なお、デラクルーズはこの後、2三振を喫し、メジャー2戦目は、4-2、2RBIという成績です。
ゲームの方は4回を終えて6-6のタイスコアーでしたが、9回裏にレッズがウィル・ベンソンのHRでサヨナラ勝ち。8-6のスコアでした。
エリー・デラクルーズとは
エリー・デラクルーズは、2002年1月11日生まれで、現時点でまだ21才!体格は6フィート5インチで196cm。打席はスイッチヒッティングです!
ドミニカ共和国の出身で2018年7月2日にアマチュアFAとしてレッズとサイン。16才の時です。プロデビューは2019年で17才の時。ドミニカ・サマー・リーグでのデビューでした。
2021年にクラスA+に昇格。2022年にはシーズン途中でダブルAに昇格。
今季はトリプルAで開幕を迎え、今日に至るというところですが、彼は4月下旬にハムストリングを負傷。少し足踏みはしたものの、復帰後のトリプルAでは打ちまくりました。
38試合で186打席を経験し、158-47で打率.298、OBP .398、SLG .633でOPSは1.031。HR12、二塁打 11、三塁打 3、36 RBIをマーク。昇格が楽しみな存在となっていたのです。
まだ左投手との対戦に
デビュー2戦で鮮烈な印象を残したエリー・デラクルーズは、今のところ強烈な印象しか残していませんが、実は苦手なところもまだあります。それは左投手との対戦で、マイナーでも左投手は苦手にしていたようです。
レッズはエリー・デラクルーズを昇格させたことにより、2試合連続でサヨナラ勝ちでドジャースに連勝。このままスイープでもしたらなかなかの波乱です。と同時にエリー・デラクルーズの存在がレッズにいい影響を与えているのは間違いないところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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