継続へ機運が変化しているNLのDH
2020年の主要アウォードであるROY、MOY、サイ・ヤング賞、MVPの記者による投票を前にちょっと気になる話題を記載しておきたいと思います。
現地2020年11月8日時点、なにやらユニバーサルDHに関して少し機運が変わってきました。
ご承知の通り、2020シーズンはCOVID-19のクラスターによりMLBは短縮シーズンとなりましたが、制度上の特例として実施した2点が、ナ・リーグのDH採用と16クラブによる拡大ポストシーズンの実施でした。
10月終わり「2021年はNLのDHは無し!」
そして2020シーズン終了後の現地10月23日、米国のヤフー・スポーツらを中心に2021年はユニバーサルDHはなくなり、元通り、ア・リーグのみの実施となるとのニュースが出ました(Report: The designated hitter will only be used in the American League in 2021)。
これはこれで筆者などはピッチャーの打席が楽しみなので歓迎していたのですが、その約2週間後の現地2020年11月8日、ジェフ・パッサン氏らのレポートによると、どうやらNLのDHの採用は再燃してきたようです。
オーナー側「DHは無しで拡大PSを希望」
やはり強い発言力を持つオーナーはなんと言っているかというと、「ナ・リーグのDHは無し、その代わり拡大ポストシーズンを」というスタンスが多いようです。
選手側「DHを求む」
せめてナ・リーグはピッチャーも打席にと思っている筆者にとってわりと衝撃的だったのが、ほとんどの投手は打席に入るのが好きではないとのことでした。
投手:投球以外の怪我のリスクを避けたい
その理由は投球以外での怪我を避けたいというのが一番多いようです。怪我と言えば、例えばマックス・シャーザーはバント練習で打球が顔面を直撃し、痛々しい姿でマウンドに立ったことがありました。
シャーザー自身は打撃が好きかどうかはわかりませんが、キャリア通算で78安打、HR 1本を放っています。
その他、ザック・グレインキ、マディソン・バンガーナーなどいいバッティングを見せてくれる投手が何人もおります。彼らが打撃が好きかどうかはともかく、投球以外でも素晴らしいところを見せようと思える投手は実は少数派なのかもしれません。
野手「もちろんナ・リーグもDHあり」を希望
野手はもちろんDHを歓迎です。出場機会も増えますし、メジャーのポジション・プレーヤーは打ってなんぼという世界ですから、打撃機会が増えればそれだけサラリーが上がる機会も増えるということですから、そうなります。
もしも選手会でアンケートをとってもナ・リーグのDH採用の継続というのは多数決なら容易に決まるかもしれませんね。
ナ・リーグのDH採用に関しては野手が喜んでいることからわかるように、オーナー側からすれば、それだけサラリーアップの要素が増えるということですから、反対という立場です。
その代わり、オーナー達が唱えているのが、拡大ポストシーズン。
オーナーは拡大ポストシーズンを望む
オーナーが望むのはむしろ拡大ポストシーズン。2020年のワイルドカードシリーズ、そしてそこへ至るレギュラーシーズンの終盤の詰めはそれなりに盛り上がりました。もし観客が入れば入場料収入もかなり見込めたでしょう。
ただ、両リーグともワイルドカード枠で進出し7位、8位はDSに進出することができなかったことから、拡大したとしても7クラブずつ計14が最多のパターンにはなるでしょう。
交渉次第
新しいCBA(労使協定)が結ばれるのは2021年終了後。それまでは2019シーズン以前と同じか?と言えば必ずしもそうではありません。MLB機構、選手会、オーナーが議論を俎上(そじょう)に載せれば変えることができます。
おそらくユニバーサルDHと拡大ポストシーズンは議論はされるとは思います。
2020年、ウィンターミーティングが開催されるのかはまだ不明ですが、年内には一度議論されるのはないか?と思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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