ロイヤルズがTDL前に動く
実はオールスターゲーム前の動きなのですが、ロイヤルズが興味深い動きをしましたので、書いておきます。
現地2024年7月14日のこととなりますが、カンザスシティ・ロイヤルズがブルペンを補強。ナショナルズから速球派リリーバーのハンター・ハービー(Hunter Harvey)を獲得するに至りました。これにより、ロイヤルズはロスター・スポットに空きを作るため、ニック・アンダーソンをDFAとしました。かつてのレイズのクルーザーです。
トレード概要
今回のトレードの概要です。
ロイヤルズGet
- ハンター・ハービー(Hunter Harvey/29)RHP
ナショナルズGet
- ケイデン・ウォレス(Cayden Wallace/22)3B or OF/右投げ右打ち
- 2024ドラフト コンプ・バランス・Aのピック権(全体39巡目)
ナショナルズは8月の誕生日でまもなく23才になるケイデン・ウォレスを獲得。彼は2022年のKCの2巡目指名の内野手です。それに加え、今ドラフトの全体39位のピック権も獲得。トレードはドラフト前に成立し、その後の指名でカリフォルニア大学のキャッチャー、ケイレブ・ロマヴィタ(Caleb Lomavita)を指名しています。
優秀な先発ローテーションのKC
52勝45敗でオールスターを迎えたロイヤルズは、ア・リーグ中地区3位で前半戦を終えました。やや息切れ気味に折り返し地点に駆け込んだという状況でもあります。4月、5月はともに17勝11敗をマークして大きく勝ち越したものの、6月は12勝15敗と負け越し。
先発ローテーションは超優秀
2023年オフ、ロイヤルズは積極的に補強に動き、その最たる成功例がセス・ルーゴ。11勝4敗でオールスターにも選出されました。マイケル・ワカも6勝6敗とローテーションの力となっています。
さらに生え抜きのブレイディー・シンガーもローテーションの一人として機能し、コール・レーガンに至っては数字こそ6勝6敗なものの、ERAが3.16。彼は成績以上に打ちにくいレフティーとして機能しています。ローテーションの勝利数が29勝と先発に勝ちがついているケースが多いのもこの好成績を反映したものと言えるでしょう。
ブルペンが落ちる
先発のシーズンERAが3.57でMLB4位のロイヤルズですが、ブルペンの成績はガクンと落ち、ERA 4.21でMLB21位。コール・レーガンズ、ブレイディー・シンガー、マイケル・ワカの勝率が.500近辺にとどまっているのもこれと関係しています。
補強したクリス・ストラットンとジョン・シュライバーは登板数では貢献しているものの、ERAは4点台と今ひとつクオリティーが上がっていないのが痛いところです。同じく補強したウィル・スミスはERAが4.85でリリーバーとしてはかなり厳しい数字。
ベロシティー分をハンター・ハービーでカバー
ロイヤルズのブルペンはジョン・シュライバーもクリス・ストラットンもそれなりのベロシティーは持っており、ともにSO9は7.0以上をマークしているので、奪三振率もまあまあ高いのですが、彼らはいかんせん四球率が高いという欠点も。ゲーム後半を危うくさせている要因です。
クローザーのジェームス・マッカーサーは彼ら2人とボールの質はそれほど変わりませんが、BB9が1.6とコントロールが良く、それゆえにクローザーを任されているという状態。
ブルペン全体で見ると、ベロシティー不足だとは思います。力でねじ伏せるという感じのブルペンではないと思います。
今回獲得したハンター・ハービーは若い頃からベロシティーには高い評価があり、29才となった今季でも4シームはアベレージで97.8mphをマーク。
今季のハンター・ハービーは43試合でERAは4.20。SO9は10.0でBB9は2.4。今季はそれほど品質は高くはないのですが、2022年は38試合でERA 2.52、2023年は57試合でERA 2.82をマーク。実績もあります。
今季は過去2年の疲れが出ているか?とも思うのですが、彼のベロシティーはとにかく魅力。しかもBBも少ないとなれば、彼1人が入るだけでも状況は変わると思います。
ロイヤルズの後半にも注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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