SEAとSFGで大きなトレード
現地2024年1月5日、マリナーズとジャイアンツ間でトレードが成立。マリナーズはなんとサイ・ヤング賞左腕のロビー・レイをジャイアンツに出しました。
トレード概要
まずはトレードの概要です。年齢は2024シーズンの開幕時の満年齢です。
ジャイアンツGet
- ロビー・レイ(Robbie Ray32)LHP : 2021 AL サイ・ヤング賞
【YOUTUBE】Robbie Ray Talks Upcoming Season
マリナーズGet
- ミッチ・ハニガー(Mitch Haniger/32)RF/右投げ右打ち
- アンソニー・デスクラファニー(Anthony DeSclafani/33) RHP
- キャッシュ・コンシダレーション(おそらく$6M)
それぞれの契約
(SEA)ミッチ・ハニガー
ミッチ・ハニガーは2022年12月にジャイアンツと以下の内容でサイン。
- 3 年/$43.5M (2023-25)
- サラリー:$5M (23)、$17M (24)、$15.5M(25)
- 2024シーズン終了後にオプトアウト可
- トレード時にはトレード・アサインメント・ボーナス:$1M
ハニガーのサラリーは2024シーズンに一気に$17Mに上がることから、キャッシュ・コンシダレーションの$6Mはここに充てられるようです。
(SEA)アンソニー・デスクラファニー
ジャイアンツとアンソニー・デスクラファニーは2021年11月に以下の内容で延長契約。
- 3 年/$36M (2022-24)
- サラリー:$12M/年 x 3
$12M/年のサラリーということでマリナーズにとってはまあまあのインパクトとなりましたが、ローテーションが増えました。
(SFG)ロビー・レイ
ロビー・レイはブルージェイズ在籍時の2021シーズンに13勝7敗、ERA 2.84でサイ・ヤング賞を受賞。そしてその2021シーズン終了後にFAとなり、2021年11月30日にマリナーズと以下の契約でサインしていました。
- 5年/$115M (2022-26)
- サラリー:$21M (22-23)、$23M(24)、$25M(25-26)
- 2024シーズン終了後にオプトアウト可
- 2023シーズン終了のトレード時にはトレード・アサインメント・ボーナス:$1M/トレード
5年契約でオプションはないものの、2024シーズン終了後にオプトアウトあり。肝心のサラリーは2024年は$23M。マリナーズが引き継ぐことになりましたが、キャッシュ・コンシダレーションの$6Mで実支払い額を減額しているような状況。
2023年に肘の手術をしたロビー・レイ
現時点で32歳のロビーレイは、2021年にブルージェイズでAL サイ・ヤング賞を受賞。マリナーズと上記の内容でサインしました。シアトルでの1年目の2022シーズンはまずまずの好調で、32試合に先発して189.0 IPで12勝12敗でERA 3.71。SOは248を数え、243のゲリット・コールを抜いてALトップ!SO%は27.4%、さらにBB%はわずか8%。
しかし、2023年にはガーディアンズとの開幕戦で3.1イニングを投げて被安打4、失点5(ER3)、BB 5と大荒れ。ゲーム後、IL入りとなったロビー・レイは屈筋腱の修復と尺側側副靭帯(UCL)の再建のためのトミー・ジョン手術が必要となり、5月に実施。結局、2023シーズンはこの1試合のみの登板に終わりました。
この手術は再建ゆえに時間がかかるタイプのトミー・ジョン手術かもしれません。もしそうであれば、2024シーズン終盤に戻ってこれるかどうか。18ヶ月を要する過程だと2024年のほとんどを失うことになります。現時点でも最速でASGブレイク明けとの見立て。
マリナーズのディポートが決断したことですから、そういう今季はほとんど棒に振るような復帰スケジュールと思って間違いなさそうです。
SFGのローテーション
ジャイアンツの2024年のローテーションは現地2024年1月5日時点で以下のメンバーになりそうです。
- ローガン・ウェブ
- ロス・ストリップリング
- アレックス・コブ:股関節の手術でリハビリ中
- カイル・ハリソン
- キートン・ウィン
ローガン・ウェブはエースととして君臨するも、アレックス・コブは股関節の手術で開幕が間に合うかどうか微妙。となると、34才のロス・ストリップリングがまずはNO.2を担いそうですが、2023年は勝ち星を上げられませんでした(2022年のトロント時は10勝4敗)が、きちんとこなしてくれるでしょうか?なお、2023年にローテーションを担ったアレックス・ウッドとショーン・マナエアはFAです。
背景
放送料が不確定なマリナーズ
マリナーズは主要な収入源のひとつである地元テレビ放送を取り巻く不確実性に対応中。きっちりと収入が入ってくるかどうかわからない状況が財務に影響を与えており、ゆえに今オフはジェリー・ディポートPOBOがお金のかからない方法でチームを編成中。大胆トレード連発の背景はそれがあります。
なお、マリナーズのオーナーグループは、地域スポーツネットワークであるルート・スポーツ・ノースウエストの全権を握ることになりそう。マリナーズの会長兼マネージング・パートナーのジョン・スタントン氏は、マリナーズ・ファンはこれまで通りケーブル・プロバイダーを通じて試合を見ることができる、と明言しております。ただ、現時点で、どのメディアがマリナーズの試合をプロデュースすることになるのか、そしてその運営費は誰が負担するのかの主要な問題はオーナーグループにとっては未解決の状況です。
ゆえにペイロールに不安を抱えるマリナーズは、シーズンのほとんどを棒に振りそうなロビー・レイに予算のかなりの部分をつぎ込んでいた状況を改善するため、このトレードが行われたと見ていいでしょう。
シーズン後半に復帰する可能性のあるロビー・レイを手放し、ハニガー加入による打線のアップグレードと、より即戦力となるデスクラファニーを獲得することで起用できる戦力を充実させたというところでしょう。
一方、ジャイアンツにとっては、怪我で出場機会少なかった2人の選手を放出し、シーズン後半の追い込みに備え、エリート左腕のロビー・レイを受け入れたということになりそうです。
デスクラファニーはスイングマンとして
ディポトは、デスクラファニはローテーションでもブルペンでも投げることができると明言。先発はすでにルイス・カスティーヨ、ジョージ・カービー、ローガン・ギルバートの3人に加え。ブライス・ミラー、ブライアン・ウー、エマーソン・ハンコックを見込んでおり、豊富。
となるとデスクラファニーはブルペンがメインでローテーションの穴を埋めるというスイングマン的な役割になりそうです。シーズンが進むにつれて、ケガ人が出ればローテーションを守ることにもなるかもしれません。
ハニガーは復調するか
そしてマリナーズが獲得したミッチ・ハニガーは2023年は61試合のみの出場で、AVG .209に終わりましたから、彼の復調がマリナーズの打線に厚みをもたらしそうです。フリオ・ロドリゲスのCFだけは堅いですが、LFとRFのコーナー・スポットは未定。ジャレッド・ケルニックが抜けましたから、テイラー・トランメル、ドミニク・カンツォーネなどとの争いになります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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