打撃のいい捕手とマイナー・ディール
現地2023年1月16日、ボストン・レッドソックスは、パドレスからノンテンダーFAとなっていたホルヘ・アルファーロ(Jorge Alfaro)とマイナー契約で合意した模様です。
下記の埋め込みは2023年1月、ドミニカ・ウィンター・リーグでのHRのシーン。
メジャー契約でM
マイナー契約で合意した両者ですが、もしも、MLBのロスター(40 manロスター)に入れば、ベース・サラリーは$2Mにアップすることも設定されています。
そして6月1日あるいは7月1日の時点でまだマイナーの場合は、オプトアウトしてFAのステータスに戻るという条件設定もあります。これは後述します。
メジャー7シーズン
【YOUTUBE】Jorge Alfaro hits MONSTER homer to walk-off against his former team!
ホルヘ・アルファーロは、1993年6月11日生まれの29歳。シーズン途中で30才となります。コロンビア出身で、2010年1月にアマチュアFAとしてレンジャーズとサイン。17才の時です。
プロ入り後、AAで力をつけていた2015年7月、レンジャーズがコール・ハメルズとジェイク・ディークマンを獲得したトレードでジャレッド・アイコフらとともにフィリーズに移籍しました。
メジャー・デビューは2016年。デビューから3年目となった2018年には、108試合に出場し、打率.262、OBP .324、SLG .407、HR 10、RBI 37をマーク。
2019年2月、フィリーズがJ.T. リアルミュートを獲得したトレードで、マーリンズに移籍。この時、一緒にマイアミに動いたのが、シクスト・サンチェスです。
マーリンズはホルヘ・アルファーロがJT・リアルミュートに代わる捕手として即戦力となることを期待。実際、2019シーズンには130試合に起用。アルファーロは期待に応えるべく、打率.262、OBP .312、SLG .425、HR 18、RBI 57と捕手としては素晴らしい数字を残します。
問題は三振率
ところが、アルファーロには問題がありました。上述のように2018年と2019年は100試合以上に出場して、捕手としては非常に素晴らしい数字を残したにも関わらず、あまりにも三振が多かったのです。
2018年は344 ABで138、2019年は431 ABで154。2018年の三振率は36.6%、2019年は33.1%。リーグ平均が22.3%ですから、いかに三振が多いかがわかります。アウトになる時にNO CHANCEの三振に終わるケースが多いというのは相手からすると怖さも半減します。
2020シーズンは60試合中31試合に出場し、打率.226、HR 3。2021シーズンは92試合の出場で、打率.244、HR 4。この2シーズンの三振率は、36.0%、31.8%とやはり30%を超える高いものでした。三振が多いと成績が安定しなくなってきます。
2022年、パドレスがトレードでホルヘ・アルファーロを獲得。アルファーロは、開幕ロスターに名を連ね、82試合に出場するも、打率.246、OBP .285、SLG .383と、その特徴である打撃力も落ちてきました。パドレスの正捕手はもはやオースティン・ノラであることは明白となりました。オースティン・ノラは打撃でも打率.251、OBP .321、SLG .329 を残しています(2022)。
素晴らしい肩、しかしパスボールが多い
守備の方ですが、キャリアを通じたCS%は28%で、これはリーグ平均の26%を上回る数字。とりわけ、2021年の数字が凄まじく、なんと43%。
ところが、パスボールは2018年から2022年までいずれもリーグワースト2位以内。
素晴らしいスローイング・アームを持つものの、低めに変化球を投げる投手にしてみれば、信頼を得ないという結果に。
リード面はどうかというと、彼がマスクをかぶったゲームのERAは2019年が5.36、2020年は5.80。2021年は4.05、2022年は4.12。
一方、オースティン・ノラの2022年のERAは3.38。こればかりはすべて捕手のせいではありませんが、誰を起用すれば良いかを考えた時にノラになるのは至極当然な成り行きだったと思います。
マイナー・オプションなし
レッドソックスは2023シーズン、リース・マグワイアを軸に守備を構成します。捕手のNO.2はコナー・ウォン。ホルヘ・アルファーロは現時点でNO.3のバックアップ・ロール。
ホルヘ・アルファーロのMLSは、2023年1月時点で5.083と5年超え。ということはマイナーに落とす場合、オプショナル・アサインメントとしてその選手の同意なしにマイナーへ送ることが出来ません。
マイナー契約なので、もちろんマイナーからのスタートなのですが、避けるべきはスプリング・トレーニングですでに40manにあげておいて開幕時に40manから外すというパターン。
アルファーロ本人もそれはないとわかっており、マイナーでの開幕になることを想定しているので、上述のような2度のオプトアウトの想定が入っています。
つまり、レッドソックスはアルファーロをメジャーでキープするかどうかを決断する必要があるということです。
スプリング・トレーニングの出来、あるいはリース・マグワイア、コナー・ウォンに怪我がないかどうかを見つつ、総合的に判断することになります。
活躍した時の打撃だけを見れば、その筋の良さというか、一流選手が放つオーラが出ており、非常に魅力的、タイプ的にはクリスチャン・バスケスに近い捕手かと思います。さらに粗さはそれを上回る・・・そんな感じです。
ただ、彼はマイナー時代、あのパッジことイバン・ロドリゲスが絶賛した捕手でもあります。フェンウェイパークで本領を発揮してもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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