パンチのあるベテランOFを補強
現地2023年1月18日、ボストン・レッドソックスはアトランタ・ブレーブスからFAとなっていたOFのアダム・デュバル(Adam Duvall )と1年で合意しました。
アダム・デュバルは2021シーズンに 113 RBI をマークしてタイトルを獲得。また同年はRFとしてゴールド・グラブ賞も受賞しています。
契約内容
現時点はフィジカルチェックの結果待ちでまもなくオフィシャルになる見込みですが、契約内容はご覧の通り。
- 1年/$7M (2023)
- PA数に応じたパフォーマンス・ボーナス:最大$3M
パフォーマンス・ボーナスはPAに応じた設定となっており、それも含めると最大で$10Mのディールになる見込みです。
ポジションはCF?
報道ではCF起用となっていますが、アダム・デュバルがキャリアの中で最も多くこなしたOFのポジションはLF。これはレッズ時代の2016年と2017年にそれぞれ137試合、151試合をこなしたため。
直近では2022年はCFが44試合、LFが35試合、RFが11試合。2021年はマーリンズとブレーブスでの数を集計すると、CFが30試合、LFが51試合、RFが77試合。そしてRFでGG賞を受賞したと。
レッドソックスはOFのコーナー・スポットに吉田正尚選手、アレックス・ベルドゥーゴになると見込まれており、ベルドゥーゴがRF、吉田選手がLFの可能性が高いです。これはスプリング・トレーニングで色々試すと思われます。
そしてトレバー・ストーリーがトミー・ジョン手術で全休となった今、CF候補のキケ・ヘルナンデスが内野での起用になる見込み。これからまだFAのSSを獲得するかもしれませんが、スーパー・ユーティリティーは2Bになりそうな雰囲気です。
CFがぽっかり空いたので、今回デュバルを!となったのですが、これまでコーナー・スポットをこなすことが多かった34才が果たしてCFで再生するのか?というのが注目ポイントでもあります。
ジャレン・デュランとの併用ももちろん考えられますが、デュランの2022シーズンは打率.221、OBP .283、SLG .363とあまりにも貧弱だったため、どこまで挽回できるか?というところ。
低OBP & 高RBI
アダム・デュバルはとにかく打率とOBPが低いです。
キャリアを通じた打率は.230、OBPは.289です。OBPが.300を切っております。
そしてキャリアを通じたHR%は5.4%で、リーグ平均の3.0%を大きく上回るものの、BB%は6.7%でリーグ平均の8.3%より下。またSO%は28.5%でリーグ平均の21.9%を大きく上回っています。典型的な長距離砲という感じ。
では、彼はどこでRBIを稼いでいるかというと、当然のことながら、スコアリング・ポジションにランナーを置いた時に集中力を発揮。
キャリアを通じたスコアリング・ポジションのケースでは打率.250、OBP .310、SLG .512。これをもう少し細かく見て行くと、ノーアウト、ランナー2、3塁で.444/.429/.556、2アウト2、3塁であっても.379/.438/.828。2アウト3塁で.357/.413/.619。これがもっとも高い数字を残しているシチュエーションのベスト3。
なお、キャリアを通じてノーアウト、ランナー3塁のケースではなんと.000/.250/.000。力んでしまっているのが手に取るようにわかりますね。2アウト1、2塁、1アウト2塁、1アウト2、3塁のケースも悪いです。
OBPマシーンの吉田選手の後ろを
NPBで高い打率、高いOBPを誇った吉田選手がMLBでも上位打線で頑張れば、デュバルが後ろにいる打線は非常に興味深いです。これが良いように回ればいいなとは思います。
アダム・デュバルとは
アダム・デュバルは、1988年9月4日生まれの34才。ドラフトは2010年のジャイアンツの11巡目指名。
デビューは2014年でジャイアンツ時代のことです。2015年7月に、ジャイアンツがマイク・リークを獲得したトレードでレッズへ移籍。レッズには2015年から2018年の7月まで所属。
2018年7月に、レッズがルーカス・シムズらを獲得したトレードでブレーブスへ移籍。ブレーブスには2020年まで所属。2020年10月にFAとなり、2021年はマーリンズとサイン。1年/$5M(2021) + 2022 $7Mのミューチュアル・オプションで、バイアウトは$3M。
2021年のトレードデッドラインで、マーリンズがアレックス・ジャクソンを獲得したトレードでブレーブスに移籍。
2022年オフにFAとなっていました。
実績
主な実績はこちらです。
- オールスター出場:1度 (2016)
- ゴールド・グラブ賞受賞:1度(2021/ NL/ RF)
- NL RBI1位:1度 (2021: 113)
- 20HR以上のシーズン: 3度(2016- 2017 & 2021)
- 30HR以上のシーズン: 3度 (2016- 2017 & 2021)
- 100 RBI 以上のシーズン: 2度 (2016 & 2021)
- 2021ワールドシリーズ制覇(ブレーブス)
また社会貢献活動として、PEDs (Performance-Enhancing Drugs)を使用しないよう若者達に積極的に広報しています。アナボリックステロイドの摂取が原因で自殺した若いアスリートの名を冠した「テイラー・フートン財団」の理事を務め、若者にドラッグフリーのライフスタイルを提唱する活動も行っています。また、自身は1型糖尿病であり、コロナウイルスの大流行により2020年シーズンは欠場を考えたものの、最終的にはプレーすることを選択しております。
お読みいただき、ありがとうございました。
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