計5名(全員メジャー契約!)が動くトレードに
現地2023年1月7日になりますが、フィリーズとタイガースでトレードが成立。
このトレードはいずれも2022年にメジャー出場経験のある選手ばかりで、割とインパクトのあるトレードとなりました。
トレード概要
トレードの中身を見て行きます。
フィリーズGet
- グレゴリー・ソト(Gregory Soto/28)LHP/SP
- コディー・クレメンス(Kody Clemens/26) INF/右投げ左打ち
タイガースGet
- ニック・メイトン(Nick Maton/26) 2B, SS or OF/右投げ左打ち
- マット・ベアリング( Matt Vierling/26) OF or 1B/右投げ右打ち
- ドニー・サンズ(Donny Sands/ 26) C / 右投げ右打ち
フィリーズ、ブルペンに強力なソトを獲得
アグレッシブなディールが続くフィリーズですが、今回、グレゴリー・ソトを獲得したのはブルペンの補強。今オフはすでにレッドソックスからFAとなっていた左腕のマット・ストラムとドジャースからFAとなっていたクレイグ・キンブレルを獲得。
クローザーは、おそらくセランソニー・ドミンゲスということになるでしょうが、セットアップで左腕のホセ・アルバラード、右腕のアンドリュー・ベラッティ、コナー・ブログドンと2022年のワールドシリーズでも実績ある投手達がいる中で、グレゴリー・ソトを獲得したことでさらにゲーム後半の厚みを増やすことを目的とした補強となりました。
また、FAのトレイ・ターナーを獲得したことで、ニック・メイトンとマット・ベアリングのユーティリティー組が余り気味になることから、内野の厚みを増やしたいタイガースと受給が一致した模様。人数的に2人が出ていくと心もとないところもあり、コディー・クレメンスが内野のバックアップ・ロールとして入ったというところ。
また、JT・リアルミュートというしっかりとした正捕手がいる中、バックアップ・ロールは29才の左打ちのギャレット・スラッブスがもはや第一候補。彼は2022シーズンに50試合に出場し、打率.264、OBP .350、SLG .462、HR 5、RBI 16という非常に高い生産性をマーク。3番めの捕手のドニー・サンズが余ることから、トレードとなりました。なお、タイガースの捕手は、エリック・ハースが2022シーズンは110試合に出場。27才のジェイク・ロジャースは38試合。バックアップ・ロールの補強の意味でもドニー・サンズが必要ということでトレードが成立しました。
個別に選手を見て行きましょう。
【PHI】グレゴリー・ソトとは
グレゴリー・ソトは、1995年2月11日生まれの27才。開幕時には28才となります。
【YOUTUBE】Gregory Soto: Working Offseason
2012年にアマチュアFAとしてタイガースとサインし、ここまでタイガース一筋で来ました。ドミニカ共和国出身。
デビューは2019年で24才の時。タイガースがリビルドで非常に苦しんでいるときにブルペンを支えてきた投手。2019年、2020年とERAは5.77、4.30と高めでしたが、2021年から3点台に押さえております。2021年、2022年とオールスターに出場。
特徴はとにかくボールが速いこと。2022シーズンの4シームのアベレージはなんと98.7mph。さらにシンカーも98.1mphをマーク。そしてチェンジアップは91.8mph、スライダーが89.3mph。バッターが気合を入れて打席に立たないといけないタイプですね。
フィリーズは彼を獲得したことこでホセ・アルバラードがもう1人いるような状況となりました。
但し、リスクもあります。BB%が高いこと。これは厳しいところを突くというよりは単に暴れているレベルで、2021年から少し落ち着いてきたという具合。2022年は60.1イニングでBBは34。BB%は12.9%で、リーグ平均の8.5%を大きく上回ります。BB9で行くと5.1。高いですね。
なお、SO%は2021年は27.5%を誇りましたが、2022年は22.8%になりました。リーグ平均は22.9%。SO9で行くと9.0です。
コントロールが暴れているのでたまに甘いところに行くと痛打される関係で、2022年のH9は7.3とよく打たれはします。
これだけ速いボールを持っているので、さすがにゴロ率が高く、2022年は47.5%。よって、ボールが上がらないことから、2022年の被本塁打は2本だけ。HR9で行けば、0.3という素晴らしい数字を残しています。
ランナーを出すケースが多いゆえに、長打を打たれると失点に結びつくパターンですが、ここまでは力でねじ伏せてきたような感じです。リアルミュートにとってはなかなかリードし甲斐のある投手が入ってきたというところです。精度が上がれば良いですね。
【PHI】コディー・クレメンスとは
コディー・クレメンスは言わずとしれた「ロケット」ことロジャー・クレメンスの息子さんで三男坊。
2018年にタイガースの3巡目で指名され、プロ入り。デビューは2022シーズンで、56試合で打率.145、OBP .197、SLG .308、HR 5、RBI 17。
2023シーズンがもう正念場ということになりそうです。フィリーズで化けるでしょうか!?
【DET】ニック・メイトンとは?
ユーティリティーのニック・メイトンは1997年2月18日生まれの25才で、シーズンに入れば26才になります。左バッター。
兄はアストロズのブルペンで素晴らしい活躍を展開中のフィル・メイトン。2022年のワールドシリーズでは兄弟対決が実現するか?とご両親も見に来ていましたが、実現はならず。
2017年のドラフトでフィリーズから7巡目で指名を受けプロ入り。ランク的には、ルーク・ウィリアムス(現在はFA)、スコット・キンガリーらとともに同じような時期にチャンスを与えられながら、それをものに出来なかった選手・・・というイメージです。
2022年は34試合で、72-18、打率.250、OBP .341、SLG .514、HR 5、RBI 17。OBPは高く、左右どちらの投手が来ても気にしないタイプなので、良いきっかけを掴むことを祈るばかりです。
【DET】マット・ベアリング
1996年9月16日生まれの26才。右打席。ドラフトは2018年のフィリーズの5巡目指名。
デビューは2021年。2022年は捕手とSSと投手以外はすべてこなした選手で、117試合に出場し、打率.246、OBP .297、SLG .351、HR 6、RBI 32でOPS+は83。
人気者のブランドン・マーシュが左打席ゆえに、ケースによっては彼とポジションをシェアしても!という選手でしたが、マーシュが完全に追い抜きました。フィリーズに移籍後のマーシュの成績は、打率.288、OBP .319、SLG .455でOPS+は116 。マーシュはまだ課題のある選手ですが、2023年もCFとして起用される見込み。
ベアリングとしてはタイガースで再度チャンスを伺うというところです。
ドニー・サンズとは
ドニー・サンズは1996年5月16日生まれの26才。ドラフトは高校卒の時で、2015年のヤンキースの8巡目。結構、高いラウンドで指名されました。
捕手ゆえにマイナーでじっくりと実力を蓄えていた選手。2021シーズンまでヤンキースは、じっくりと鍛え上げ、AAAまで昇格させていました。もしも2020年のマイナー・キャンセルがなければ、2020年にはメジャーに上がっていたかもしれません。
2021年11月にトレードでフィリーズへ移籍。メジャー・デビューは2022年。2022年は3試合のみの出場でまだメジャー初ヒットはありません。マスクの方も2.0イニングしかかぶっておりません。
何か、将来指導者になる匂いを漂わせているキャリアです。経験は豊富。ちなみにマイナーではよく打っていて、2022年のAAAでは、57試合で.打率.309をマーク。2シーズン経験したAAAの通算打率は、.293です。タイガースで良いきっかけを掴んで欲しいと思います。
New Tigers catcher Donny Sands hit 5 home runs in 57 Triple-A games last year. Here they are: pic.twitter.com/nteN4Vbs4E
— Tigers Minor League Report (@tigersMLreport) January 8, 2023
お読みいただき、ありがとうございました。
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