2022シーズンのBAL躍進にも貢献
現地2023年3月1日、サンディエゴ・パドレスがオリオールズからFAとなっていた2Bのルーグネッド・オドーア( Rougned Odor)とマイナー・ディールで合意となりました。現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちでまもなくオフィシャルとなります。
またルーグネッド・オドーアはスプリング・トレーニング招待選手としてメジャー・キャンプに招集されます。
契約内容
現時点ではマイナー・ディールではあるのですが、おそらくですが、メジャーに上がった場合の金額も設定されているスプリット・コントラクトとなると思われます。そうでない場合はメジャー最低年俸のサラリー設定になります。
ルーグネッド・オドーアとは
ルーグネッド・オドーアと言えば、ホセ・バティスタへの強烈なパンチで有名となりましたが、一時期はメジャーの若手で最高の2Bと言われたことがあります。
1994年2月3日生まれで、ベネズエラ出身のオドーアは、現時点で29才になったばかり。
2014年、20才でメジャーに到達
ルーグネッド・オドーアは2011年1月にアマチュアFAとしてレンジャーズとサイン。この時、まだ17才です。プロでのファースト・イヤーは、ルーキー・リーグを経ずにいきなりクラスAマイナスに所属。2013年にはダブルAに到達。ダブルAでは打率.306、OBP .354、SLG .530、HR6をマーク。
2014年はダブルAで開幕を迎え、32試合で打率.279、OBP .314、SLG .450をマーク。同年5月8日、当時レンジャーズでセンセーショナルな活躍を見せていたジュリクソン・プロファーが故障したことでメジャーに昇格。オドーアのメジャーデビューは20才だったのです!!
2016年はMLBの若手2BのNO.1
2014年のデビューイヤーは、114試合で100安打を達成。打率.259、OBP .297、SLG .402、HR 9、14 ダブル、7 トリプル、48 RBIをマーク。
2015年には HR 16、RBI 61をマーク。
そして2016年、オドーアは150試合に出場し、605打数164安打で、打率.271、OBP .296、SLG .502、HR 33、RBI 88、33ダブル、4トリプルをマーク。BBが19で、これが3割を切ったOBPの要因でもありましたが、それをパワー、堅実なバットコントロール、2Bでの質の高い守備で大いに打ち消したのでした。このシーズンはMLBの若手2BでNO.1の呼び声が上がったほど活躍。
ホセ・バティスタへのパンチングも2016年
なお、ルーグネッド・オドーアを一躍有名にしたホセ・バティスタへのパンチングも同シーズンでの出来事になります。
因縁は前年の2015年のALDS Game5までさかのぼります。2015年10月14日、トロントで行われたALDSのファイナル・ゲームは7回表を終え、2-3とレンジャーズがリード。7回裏、ブルージェイズはジョシュ・ドナルドソンのポップフライで3-3の同点に追いつき、まだランナーが2人いる状況。ここで打席に立ったのがホセ・バティスタ。バティスタは、レンジャーズのサム・ダイソンの2シームを見事に仕留め、これが左中間スタンドに入る勝ち越しの3ランHRに。この時、大きくバットを放り投げます。
結果、このゲームは6-3のスコアでレンジャーズが勝利。ALCSへ勝ち進んだのでした。なお、この年はロイヤルズがワールドシリーズを制しました。このバット・フリップにレンジャーズはカチーンと来ていたのです。
そして、2016年5月15日、今度はアーリントンで相まみえた両雄。8回表、1塁ランナーにホセ・バティスタ。ジャスティン・スモークが放ったボテボテの三遊間への3Bゴロをエイドリアン・ベルトレが処理し、素早く2Bカバーに入ったオドーアに送球。ダブル・プレーかと思われましたが、バティスタによるハードスライディングにより、1塁送球が逸れてダブルプレーとならず。
このハード・スライに対して、オドーアは前年のバット・フリップのこともあり、瞬間にスイッチオン。強烈なパンチを見舞ったのでした。
3 years ago today, Rougned Odor punched Jose Bautista and initiated a historic brawl in Texas. pic.twitter.com/icw62wPFgz
— SportsCenter (@SportsCenter) May 15, 2019
これにより両者は退場処分。オドーアには、8試合のサスペンションと$5,000ドルのペナルティーが科されましたが、不服申立てをしたことで7試合に減りました。
2017年に確実性が消える
前年に良い結果を出したオドーアは、2017年は162試合に出場。まさにゲームに必要な選手になったわけですが、この年は確実性を失いました。
このシーズンは、30HRを放って2年連続の30HR超えを達成。RBIも75を数えて素晴らしかったのですが、いかせん、打率が.204で、OBPがたったの.252。BBは32個を数えたものの、BB%は4.9%でリーグ平均の約半分。
コンタクト率の上昇が鍵
2016年に活躍したオドーアは、年々コンタクト率が落ちているのは確か。2018年にOBPを.326に上げ、2019年もレンジャーズで145試合に出場するも、107安打で178三振。2020年以降は、平均打率が.199、OBPが.269とかなり厳しい数字になっています。
2022年、オリオールズでは135試合に出場し、三振数は109に減らしたものの、88安打にとどまり、打率は.207、OBPは.275。
2016年から2017年にかけての2年連続の30HRがオドーアのクオリティーを下げてしまったのかもしれませんね。
とは言え、オドーアは2022年、若手がひしめくオリオールズの野手陣の中で、リーダー的な存在でもありました。彼が守備についていることで締まり、時に好機でのヒットでクラブを牽引したのも確かなことです。いい重しになっているなと思い、見ていました。
【YOUTUBE】Blue Jays vs. Orioles Game Recap (8/9/22) | Baltimore Orioles
ただ、シーズン後半は自身の打撃でのフラストレーションか、怒りを露わにするシーンも何度か見ました。毅然とした態度でいてくれたら良いのにと思ったものです。
とにかく打撃でのコンタクト率が上がることを願うばかりです。まだ29才。守備は一級品ゆえ、サバイブしてもらいたいと思います。
パドレスの三遊間はマチャードとボガーツで決まり。不義理が続いていたタティス・Jr.も今季は復活しそうで、2Bも出来ると思いますが、ここはOFでの出場になるか微妙です。2Bのジェイク・クロネンワースが1Bに動くプランもありますが、マット・カーペンターを獲得しているので彼が1Bに入るケースも。
いずれにせよ、オドーアには厳しい環境ですが、これをきっかけにモデルチェンジをしてくれればとも思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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