LAD、重要リリーバーを欠いて開幕
現地2024年11月15日のこととなりますが、ロサンゼルス・ドジャースは、リリーバーのブラスダー・グラテロル(Brusdar Graterol)が14日(木)に右肩の手術を受けたと発表。これにより、ブラスダー・グラテロルは2025シーズンの前半戦を欠場することになります。
手術箇所
手術を行った箇所は右肩の関節唇で、損傷した部分を修復する手術であったということです。
2024シーズンも7試合のみの登板
2025年は26才でシーズンを迎えるブラスダー・グラテロルは、肩の炎症とハムストリングの負傷のため、2024年はレギュラーシーズンで7試合、ポストシーズン3試合のみの登板にとどまりました。
それ以前の3シーズンは平均49試合に登板し、ERA 2.63(ERA+160)、SO/BB ratioが3.37を記録。非常に優秀でした。
特に2023年は抜群で、68試合、67.1イニングに登板して4勝2敗、ERA 1.20をマーク。登板すれば必ず抑えるというイメージが定着したほどに活躍。ファストボールのアベレージはシンカーの98.6mphを筆頭に、4シームが98.3mph。カットボールのアベレージでさえ95.6mphを記録。スライダーのアベレージが88.7mph。とにかく豪球で相手打線をねじ伏せてきました。2024年の怪我は2021年から2023年までの登板による影響が出たと思われます。
2024年はとにかく怪我に振り回され、シーズンデビューは8月6日でしたが、すぐに離脱して再復帰となったのは9月10日です。9月下旬の話ですが、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はブラスダー・グラテロルの肩の問題について、「彼が復帰して以来、良かったり良くなかったりと、タッチ・アンド・ゴーのような状態が続いている。今シーズンの残りがどうなるか、私にはわからない。一週間ごとの状況で判断することになると思います」と語っていたほどに不安定な状態でした。
このような状態ゆえにポストシーズンではパドレスとのNLDS、メッツとのNLCSではロスターから外れました。ヤンキースとのワールドシリーズではロスターに入り、3試合に登板して2.1イニングを投げ、被安打2、失点1に抑えましたが、ちょっとヒヤヒヤする場面もありました。
このようなこともあり、徹底的に治そうということで精密に調べた結果、手術に踏み切ったようです。
LAD、2025年も編成は大忙し
ブラスダー・グラテロルのケースだけでなく、ドジャースは2024年シーズンを通じて無数の投手の負傷対応に追われました。それでも奇跡的なロスター調整で見事に過去5年間で2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げるという離れ業を演じました。
2025年はトニー・ゴンソリンが復帰。よければダスティン・メイも戻ってきますが、開幕からかと言われると微妙としか言いようがありません。
大谷選手の投手復帰が大きな力になりそうですが、ワールドシリーズで傷めた左肩の亜脱臼の手術後の回復がどうなのか?気になるところです。先日のアウトスタンディング・DHのアウォードもVTR参加でしたから。亜脱臼の手術はタティス・Jr.も復帰していますし、楽観的なケースがほとんどではありますが、重要な関節の修復には違いないので、無事に復帰してもらいたいところです。
クレイトン・カーショウはFA(おそらくロスター調整後にサイン)、ウォーカー・ビューラーはFA、ジャック・フラハーティーもFA、さらにリリーバーで安定した力を発揮したブレイク・トライネンもFA。
今オフも編成は大忙しになりそうです。ブラスダー・グラテロルの怪我ももちろん、編成に影響を与えます。
ゆえに、2024年とはまた違いますが、2025年も怪我人のロスター対応は引き続き大きな課題になることは間違いありません。
ドジャース移籍時の出来事
ブラスダー・グラテロルは2019年(当時20才)にツインズでメジャー・デビュー。この年は4試合のみの登板で9.2イニングで10三振を奪いながらも、まだまだ粗削りでERAは4.66を記録しました。
2020年1月、レッドソックスは2020シーズンに向けてムーキー・ベッツと調停を避けて1年/$27M(2020)でサイン。
しかし、この後にレッドソックス、ドジャース、ツインズによる3チームトレードが成立。ムーキー・ベッツはドジャースに移籍することとなり、ツインズからレッドソックスに移籍することになったのがブラスダー・グラテロルでした。
ところが、レッドソックスはグラテロールにメディカル・イシューがあるとクレーム。実際、ブラスダー・グラテロルは2014年8月に16才でツインズとサインした後、2015年にUCLを断裂し、トミー・ジョン手術を実施。その影響で2016シーズンを全休していました。さらに、2019年にメジャーデビューしたのですが、デビュー前の5月に右肩インピンジメント症候群で手術した履歴があったのです。
結局、この訴えが通り、トレードは形を変えてファイナライズし、ブラスダー・グラテロルはドジャース入りとなったのです。
【レッドソックス & ドジャース】
レッドソックスGet
- コナー・ウォン(Connor Wong/23才): C・2B・3B/ 右投げ右打ち
- アレックス・ベルドゥーゴ(Alex Verdugo/23才): OF/ 左投げ左打ち
- ジーター・ダウンズ(Jeter Downs/21才)SS/ 右投げ右打ち
ドジャースGet
- ムーキー・ベッツ(Mookie Betts/27才):OF/右投げ右打ち
- デービッド・プライス(David Price /34才): LHP
- キャッシュ($48M)
【ドジャース&ツインズ】
ドジャースGet
- ブラスダー・グラテロール(Brusdar Graterol/21才)RHP
- ルーク・レイリー(Luke Raley/25才)OF: 右投げ左打ち
- 2020年ドラフト67位ピック
ツインズGet
- 前田健太投手(Kenta Maeda/31才)RHP
- ジェアー・カマーゴ(Jair Camargo)C/右投げ右打ち
- $10Mキャッシュ
ただ、その後、ブラスダー・グラテロルは2020年には23試合(60試合短縮シーズン)、2021年は34試合、2022年は46試合、そして上述の2023年は68試合に登板。途中怪我もありましたが、レッドソックスが懸念した状態ではありませんでした。今回の手術はむしろドジャース移籍後からの影響と思われます。
レッドソックスはメディカルが厳しいですから。それが悪く出た例でもあります。もし、ブラスダー・グラテロルを獲得していれば、ブルペン問題はかなり軽減されていたのですが、それは結果論でもあります。わかりませんからね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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