全体1位はアドリー・ラッチマン
現地2019年6月3日、2019年アマチュアドラフトが開催されました。これから6月5日まで3日かけて40巡目まで行われます。
1日目の結果を見てみたいと思います。
オリオールズが全体1位で指名したのは意外にも捕手でした。筆者はてっきり投手を獲ると思っていたのですが、守りの要を指名しましたね。この選手がまたいい選手です。
今季のNCAAのシンシナティのゲームでは満塁で敬遠されたという逸話を持つ人物。なかなか魅力的です。では1巡目を見て行きます。
Round1
ちなみに指名は圧倒的に大学生が多いのですが、アメリカの大学生の呼び方を下記に記載しておきます。
高校や大学で4年制のところは下記のような呼び方をします。ご存じの方も多いと思いますが、念の為。
アメリカの大学の学年の呼び方
ドラフトではほとんどがJunior(3年生)なのですが、ごく稀にSophomore(2年生)が出てきます。
- Freshman:1年生
- Sophomore:2年生
- Junior: 3年生
- Senior :4年制
そしてドラフトの規定として4年制以上の大学生は、3年以上在学している選手、または2年以上在学している21歳以上の選手を指名できることになっており、たまに資格ありSophomore(2年生)が出てきています。これは2年生ではあるけど、年齢が21才以上となっているケースです。
名前の表記について
はじめて日本語表記になる選手が多く、日本語表記の実績のない選手の名前は発音をもとにそれらしいものを記載しています。後日、「ゆれ」を防ぐために表記を変えるかもしれません。ご了承ください。
全体1位から10位まで
(1) オリオールズ:アドリー・ラッチマン(Adley Rutschman)
捕手/21才/ オレゴン・ステート(Junior=3年)
スイッチヒッターで、とてもシュアーなバッター。今季の打率は.408。タイプとしてはジャイアンツのバスター・ポージーや元ツインズのジョー・マウアー。
逸話として、先週のNCAAのシンシナティのゲームでは満塁で敬遠されたほど。
もちろん捕手としても見込みつつも他のポジションでの起用もあり得るほどの魅力的な捕手。
(2) ロイヤルズ:ボビー・ウィット・ジュニア(Bobby Witt Jr.)
SS/18才/高校卒/右投げ右打ち
父は1985年全体3位指名の投手、ボビー・ウィット。レンジャーズなどで活躍。通算142勝157敗、ERA 4.83。父子でTOP5以内の指名は初。守備(フィールディング、アーム)、ヒッティングと非常に高い評価の選手。ロイヤルズが選んだ理由はこれから対面する高校生世代の中米のプロスペクトの兄貴分として。
(3) ホワイトソックス:アンドリュー・ボーン(Andrew Vaughn)
1B/21才 INF/RHP Cal大(Junior=3年/ 右投げ右打ち
アマチュアのMVPとも言えるゴールデン・スパイク・アウォードの2018年受賞者。昨季の打率.402、今季は.381。カリフォルニア大在学の3年間で50HRを放っています。 CWSは早くもアブレイユのあとの1Bとして考えていそうです。
(4)マーリンズ:J.J ブレデー(J.J. Bleday)
OF/21才/ バンダービルト大(Junior=3年) / 左投げ左打ち
将来のRF/LF候補。スイングが速い。今季のVandy Boysを打撃で引っ張った立役者。
(5) タイガース:ライリー・グリーン(Riley Greene)
OF/18才/ 高校卒/ 左投げ左打ち
2位指名のウィットの次に将来性豊かなバットを誇る外野手。守備はこれから。将来はLFを任されるのではないかと見られています。パワーとアベレージ双方が期待できます。
(6)パドレス:C.J. エイブラムス(C.J. Abrams)
SS/18才/ 高校卒/ 右投げ左打ち
とにかく足が速い。60ヤード(54.86 m)ダッシュは平均7.22秒のところを6.29秒で走ります。 タティス・ジュニアなどにつづき、またしても若くていい素材が入りました。結構、注目しています。
(7)レッズ:ニック・ロードロ(Nick Lodolo)
LHP/21才/ Texas Christian University (Junior=3年/左投げ左打ち
ハードスロー・レフティー。今ドラフトの左投手ではNO.1の評価。今季はNCAAで103イニングに登板し、131K。契約金543万ドルをもぎ取るのではないか?とも言われています。レッズはそのくらい出しそうです。
(8)レンジャーズ:ジョシュ・ヤング(Josh Jung)
3B/21才/ Texas Tech 大/ Junior(=3年)/ 右投げ右打ち
2018年の打率は.392とよかったものの、2019年は.335と飛び抜けた数字ではありませんでした。シュアーな打撃に関する評価は高いものの、パワーと守備がどこまで伸びるか。
(9)ブレーブス:シェー・ランゲリアス(Shea Langeliers)
C/21才/ Baylor大(Junior=3年)/右投げ右打ち
今ドラフトでは捕手として2番めに評価の高かった選手。動きがとても良い。ブレーブスが2018年にカーター・スチュアートを喪失した穴埋めでの指名です。そういう意味でも注目されますね。
(10)ジャイアンツ:ハンター・ビショップ(Hunter Bishop)
OF/21才/ アリゾナ・ステート(Junior=3年)/右投げ左打ち
高卒時の2016年にはパドレスから24巡目で指名。マリナーズの外野手ブレーデン・ビショップの弟です。2018年は外野が崩壊状態となったジャイアンツ。期待されています。
全体11位〜
(11)ブルージェイズ:アレック・マノア(Alek Manoah)
RHP/21才/ West Virginia大(Junior=3年/ 右投げ右打ち
身長6-foot-6、体重260 pounds。198.12 cm、117.934 kgの超巨漢投手です。大学では最初の2年はリリーバー、今季はローテーションでした。とにかくデカさに注目です。
(12)メッツ:ブレット・バティ(Brett Baty)
3B/18才/ 高校卒/ 右投げ左打ち
守備はまだ未完成ながら、打撃は非常に期待できる選手。パワーヒッターではないものの、広角に打てるセンスの良さがある。
(13)ツインズ:キオニ・カバコ(Keoni Cavaco)
3B/18才/ 高校卒/ 右投げ右打ち
今季急に注目された選手!かなりの逸材かと。パワーポテンシャルと運動能力の良さは伸びしろたっぷり。SSも守ります。化けるかもしれません。難しい読みのお名前はハワイ由来の名前です。筆者は注目しています。
(14)フィリーズ:ブライスン・ストット(Bryson Stott)
SS/21才/ University of Las Vegas(Junior=3年)/ 右投げ左打ち
身長6 foor 3(190.5cm)、体重200 pounds(90kg)の大型SS。ジャイアンツのブランドン・クロフォード並みの大型SS。将来、3B、SSを任せられそうな素材。
(15)エンゼルス:ウィル・ウィルソン(Wil Wilson)
SS/20才/ North Carolina State (Junior=3年)/ 右投げ右打ち
USA代表の2B。SSは14位のストットでした。大学時代は31HR。
(16)ダイヤモンドバックス:コービン・キャロル(Corbin Carroll)
OF/18才/ 高校卒/ 左投げ左打ち
OFにしては珍しく、小さめです。5フィート10インチで177.8cm。
CFとしてのスピード、運動能力は要開発なものの打撃力は非常に評価が高い。シアトルの高校出身。
筆者としてはこのサイズであってもMLBで通用してもらいたいという意味で応援したいと思います。
(17)ナショナルズ:ジャクソン・ラトリッジ(Jackson Rutledge)
RHP/20才/ San Jacinto College (Junior =3年)
身長が6-foot-8、2m03cmとかなり大きいです。ファストボールは98mphをヒット。
(18)パイレーツ:クイン・プリスター(Quinn Priester)
RHP/18才/高校卒/ 右投げ右打ち
ファストボールは94mphを記録。
(19)カージナルス:ザック・トンプソン(Zack Thompson)
LHP/21才 ケンタッキー(Junior=3年/ 左投げ左打ち
ファストボールとカーブのコンビネーションで、90IPで130SOを記録。大学2年で19勝0敗、0.59 ERAを記録。これはかなりの逸材かと。
全体20位〜
(20)マリナーズ:ジョージ・カービー(George Kirby)
RHP/18才/ 高校卒/ RHP
190cmから90マイル中盤のファストボールとチェンジアップを操る。88.1イニングを投げ四球がたったの6つというコントロールの良さも。
(21)ブレーブス:ブレーデン・シューメイク(Braden Shewmake)
SS/3B/21才 / Texas A&M Univ (Junior=3年)/ 右投げ左打ち
190cm超えのSSで大学では打率が.300を下回ったことがない!また241ABで三振は27個と少ない。
(22)レイズ:グレッグ・ジョーンズ(Greg Jones)
SS/21才 University of North Carolina Wellington (資格ありSophomore=2年)
/ 右投げスイッチヒッター
パワーは不確かながら、守備・肩・足・ヒッティングとかなりの要素を兼ね備えた選手で見せる守備ができそうです。
(23)ロッキーズ: マイケル・トグリア(Michael Toglia)
1B/OF/21才/ UCLA(Junior =3年/ 左投げ左打ち
シーズン打率は.319。サプライズ指名との声も!!
(24)インディアンス:ダニエル・エスピーノ(Daniel Espino)
RHP/18才/ 高校卒/ 右投げ右打ち
99mphを記録。
(25)ドジャース:コーディー・ホース( Kody Hoese)
3B/21才(まもなく22才) / Tulane Univ.(Junior=3年)/ 右投げ右打ち
2018年資格あり2年生のとき、ロイヤルズが指名。しかし、プロ入りせず。今季はさらに打撃を改善。打率.392 、23 HRを記録。
(26)ダイヤモンドバックス:ブレイク・ウォルストン(Blake Walston)
LHP/18才/ 高校卒./ 左投げ左打ち
ファストボールは90mph。
(27)カブス:ライアン・ジェンセン(Ryan Jensen)
RHP/21才/ フレゾノ・ステート(Junior=3年)/右投げ右打ち
今季12勝1敗、ERA 2.88。金属バット相手にこの成績はなかなかすごいと思います。
(28)ブルワーズ:イーサン・スモール(Ethan Small)
LHP/22才/ ミシシッピ・ステート(Junior=3年)
2017シーズンはトミー・ジョン手術を受けシーズンでの登板はなし。ベロシティーは86から92mphと飛び抜けてはいないものの、ERA 1.88、96イニングで160奪三振と非常に数字がいいです。
(29)アスレチックス:ローガン・デビッドソン(Logan Davidson)
SS/21才/ Clemson University(Junior=3年/ 右投げスイッチヒッター
確実性はまだないものの長打と足の速さが魅力。
(30)ヤンキース:アンソニー・ボルピー(Anthony Volpe)
SS/18才/ 高校卒/ 右投げ右打ち
チームメイトで有望な選手がいたものの、その選手はヴァンダービルトへ。
(31)ドジャース:マイケル・ブッシュ(Michael Busch)
1B/21才/ North Carolina (Junior=3年)/ 右投げ左打ち
1Bとなっているものの、フィールディングは2BかSS。センスあり!
(32)アストロズ:コーリー・リー( Korey Lee)
C/20才/ Cal大/ 右投げ右打ち
Compensation Picks
(33) ダイヤモンドバックス:ブレナン・マローン(Brennan Malone) RHP, IMG Academy
(34) ダイヤモンドバックス: ドレイ・ジェイムソン(Drey Jameson) RHP, Ball State
Competitive Balance Round A
(35) マーリンズ: Kameron Misner, OF, Missouri
(36) レイズ: JJ Goss, RHP, HS
(37) パイレーツ:Sammy Siani, OF, William Penn Charter School
(38) ヤンキース: T.J. Sikkema, LHP, Missouri
(39) ツインズ:Matt Wallner, OF, Southern Mississippi
(40) レイズ: Seth Johnson, RHP, Campbell
(41) レンジャーズ:Davis Wendzel, 3B, Baylor
Round1とComp Aまでの記載ですが、上記のようになりました。
ここまでレッドソックスがまだ出て来ないんですね。レッドソックスは贅沢税のペナルティが災いし、33位から10位下がって43位(2巡目)がファースト・ピックです。
ちなみにもう2巡目も済んでいまして、キャメロン・キャノン SS 右投げ右打ち 21才、アリゾナ大学です。
それにしてもヤンキースはうまく立ち回ってますね。新人もしっかりと指名できています。
Day2はRound3からの指名です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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