ボビー・ウィットはKCで継続!
現地2024年2月5日、大型契約のニュースが飛び込んできましたね。
カンザスシティ・ロイヤルズがチームの顔とも言うべきボビー・ウィット・Jr.(Bobby Witt Jr.)と大型の延長契約でサインしました。
このままだとFA資格を得た時に、ボビー・ウィット・Jr.はロイヤルズを後にするだろうと思っていたのですが、ここで大きな囲い込みに入りましたね。
ロイヤルズは今オフ、非常にアグレッシブに中堅どころのFAとディールをまとめております。新オーナーに代わってからこの初めての動きはどういう背景があるのだろう?と思っていたのですが、クラブを中期的に見た時にボビー・ウィットは欠かせない存在であり、そのボビー・ウィットのモチベーションを上げるためにもチームの底上げを行っていたと捉えていいかもわかりませんね。
契約内容
その契約内容ですが、ご覧の内容となっています。
- 11 年/$288,78M (2024-34) + 2035-37 オプション
- サイニング・ボーナス:$7,777,777 ($7.8M)
- サラリー:
- $2M (2024)、$7M (2025)、$13M (2026)、$19M (2027)、$30M (2028)、$35M/年(2029-2034) ここまでが11年の期間
- 2035-2037 : $89M クラブ・オプション
- 2035: $33M、2036-37: $28/年
- ノートレード条項あり
- オプトアウト可:2030、2031、2032、2033(それぞれのシーズン終了後)
34才まで プラス 3年
ボビー・ウィット・Jr.は、2000年6月14日生まれの23才。2024シーズンを実質24才のシーズンだと考えると11年は34才までの契約ということになります。2000年生まれですから、年齢は西暦の下二桁で判明しますね。
現時点では繰り延べ払いはなさそうです(ひょっとしたら後に判明するかもしれません)。
まず景気の良い数字が並ぶサイニング・ボーナスの設定が面白いですね。サイニング・ボーナスとしては割りと大きい額だと思います。これをどう受け取るのかは現時点ではわかっていませんが、おそらく早い時期に一括で受け取るのではないか?と思います。
FA資格取得時に30Mドルを超える設定
金額は徐々にスライドして上がって行き、調停資格の期間の設定は、$7M (2025)、$13M (2026)、$19M (2027)という具合です。ちなみに調停のファイナル・イヤーに史上最高額はフアン・ソトの31M(2024)。
そしてFA資格を有してから$30Mを超えるという設定です。
4度のオプトアウト機会
そして注目はオプトアウトする機会が2030、2031、2032、2033シーズンの終了後に計4度設定されていること。
先のことを考えると鬼が笑うと言いますが、2030年終了後にオプトアウトするとなると、オフシーズンは30才ですが、2031シーズンは6月で31才になるというボビー・ウィットと雖も、やや微妙な時期です。
体力的にはSSから3B、2Bにポジション・チェンジしている頃。FA市場に出て、2031年から2037年までの残り7年/ $229M との比較ということになります。そして2031年のベース・サラリーは$35Mからとなります。
- 2031 (31才): $35M
- 2032 (32才): $35M
- 2033 (33才): $35M
- 2034 (34才): $35M : 11年の契約終了 → 4年で計$140M
- 2035 (35才): $33M クラブ・オプション期間
- 2036(36才): $28M クラブ・オプション期間
- 2037(37才): $28M クラブ・オプション期間 → + 計$89M
スーパー・エリートのボビー・ウィットがどう出るのか、非常に興味深いです。
ただ、ロイヤルズ側としては、生涯面倒見させてもらいますという最大限の誠意を提示したと言っていいと思います。
オプションの設定
今回のオプションの設定ですが、もしボビー・ウィットが4度のオプトアウト条項を行使しなかった場合、ロイヤルズが2034年のシーズン後に次の3年間のクラブ・オプションを行使するかどうか決めるということになります。複数年のオプション行使はなかなか珍しいです。
よって、この契約は保証としては11年/$288.78Mドルですが、クラブオプション行使で、最大で14年/$377,78Mということになります。
調停未満の選手の保証額としては2番目の規模
ボビー・ウィット・Jr.は2022年4月7日のガーディアンズ戦でメジャー・デビュー。2024年1月時点のMLSは2.000。まだ調停のステータスに達しておりません。
今回の延長契約は保証額で考えれば、調停未満(MLS2.00)の選手としてはパドレスのフェルナンド・タティス・Jr.に次いで歴代2位の超大型契約です。
- フェルナンド・タティス・Jr.(SDP): 14年/$340M (2021.Feb)
- ボビー・ウィット・Jr. (KC):11年/$288.78M (2024. Feb)
- バスター・ボージー(SFG):9年/$167M (2013.Mar)
- マイク・トラウト(LAA): 6年/$144.5M (2014.Mar)
- ヨルダン・アルバレス(HOU): 6年/$115M (2022.Jun)
ただし、上述のようにクラブ・オプションが行使されたとすれば、14年/$377,78Mとなるので、MLS2.000の選手としてはタティスを超えます。
またクラブとしては、サルバドール・ペレスが2021年3月に契約延長した4 年/$82M (2022-25) + 2026 $13.5M クラブ・オプション($2M)バイアウトを超える最高額となっています。
ボビー・ウィット・Jr.とは
”スーパー・エリート”のボビー・ウィット・Jr.は上述の通り、今季の6月で24才になる右投げ右打ちのSS。2019年アマチュア・ドラフトでロイヤルズから1巡目(全体順位2位)で指名されてプロ入り。この年の全体1位はオリオールズのアドレー・ラッチマンでした。
早くから期待されていた逸材で、プロデビュー2年目の2021年にはダブルAとトリプルAを併せて33HRを放ちました。
2020年のコロナ・パンデミックでマイナーがキャンセルにならなければもう1年早くデビューしていたかもしれません。
そしてMLB パイプラインのPre-2022のトップ・プロスペクト・ランクでは堂々の1位。
そして2022年のオープニングでメジャー・デビュー。
しかし、前年にマイナーで33HRを放っていたのですが、デビュー後は大苦戦。メジャーのスライダーは別次元だったようで、スライダーに大いに苦戦しました。
2シーズンで50HR
ただ、苦戦したのは4月のみで、.216/.247/.311でしたが、5月にはAVG .243と改善。6月にはAVG .263、そして7月にはAVG .294をマーク。完全にものにしました。
1年目は結局、150試合に出場し、591打数150安打!HR 20、SB 30、.254/.294/.428、RBI 80というとんでもない数字をマーク。ROY投票は4位(フリオ・ロドリゲス、アドレー・ラッチマン、スティーブン・クワンに次ぐ4位)。
さらに2年目。158試合に出場し、641打数177安打!右打者ですよ!HR 30、三塁打11、二塁打 28、RBI 96、SB 49、.276、.319、.495。
【YOUTUBE】NO QUIT WITT! Bobby Witt Jr. is on the verge of his first 30/30 season!
スーパー・エリートの数字を叩き出し、2シーズンで50HR。2024年は通算100SBをマークしそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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